表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
突発的進行形  作者: くらくら海月
8/20

8話

 それから、わたしの行動は迅速だった。ロニーさんや傭兵の皆さんに挨拶を済ませ。いざ目指せ!北の地へ!と来たもんだ。サーポロス連邦国へ入るまでの最大の脅威はマーダーグリズリーと呼ばれる例の熊さんのようだし、まぁ他に盗賊だとか野盗だとか山賊だとかもいるっぽいけど…人間が敵に回る場合が多すぎる。嫌なファンタジー世界だな…ホント。


 一応、乗合馬車も出ている様だけども人を多く乗せた馬車で速度が出るわけではないし御者台だけど乗り心地も経験済み!護衛は付いているだろうけど彼らは歩きだろうし、もう逸そ後ろをコソコソと付いて行けばいいんじゃね?的な感じで朝早くに出発する事にした。


 本当はマナー違反になりそうな感じのグレーゾーンっぽいけど、そこは可憐な少女という事で許して貰おうじゃないかな。


 小さく視界に入る範囲で馬車の後を歩く。馬車は馬2頭立てで幌馬車になってるけどロニーさんの使っていたものより大きく立派だ。その周囲を5人の男性が護衛に付いている。という感じかな。


 それから一週間。村や小さな町に立ち寄ったりして行き、次の街までの道中に早々熊なんて出てくる分けないし、定期的に領兵が巡回しているらしく野党の類もでなかった。寧ろ問題が起こりそうなのは魔族との紛争が続く連邦領に入ってからになるかな。それでも乗合馬車は出ているらしいけど月に1-2本と本数が少なく、また、需要もそれ程ないのでそれで済んでしまっているらしい。


 その日は、現在いる街で次の街の情報を収集する。といっても大した手立てがあるはずもなく出店で物を買った時に店主に尋ねる程度だ。それでも何もしないよりかなりマシだろう。


 そして得た情報は想像していたより治安が悪そうだという事だった。


 まず出てくるのが賊の他に妖魔と呼ばれるゴブリン、オーク、オーガ、トロールなど物語で読んだ通りの名前があがる。その他に魔獣と呼ばれるキマイラ、マンティコア、コカトリス、バジリスク等等出てくるわ出てくるわ、怪物の名前が。


 単独行動を好むものから群れを作る者。村や町に発展している場合もあるという。これは来るな、わたしの時代。怪物を倒してスキルを上げよう~♪ おー!


 乗合馬車も出ているというだけあって街道は通っている。馬車で通れそうな程度、轍が踏み固まっているだけでボクスアップ王国領と比べるべくもない道であった。



 わかった事がある。人間は一人につきスキルポイント1ポイント獲得出来るという事を。そう、今回の連邦への旅の中で沢山の野盗、盗賊、追い剥ぎに出会った。彼らは等しくポイントとして美味しく頂いた。人を殺める事に躊躇いはあったが、ここは、わたしが前世に住んでいた令和の日本とは違う。殺らねば殺られるのだ。そう自分に言い聞かせた。あと人からはスキルが特に得られない事もわかった。これは彼ら盗賊が何らスキルを所持していなかったからなのか、そういうものなのかは現時点では不明である。


〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜

<ヒナタ> 種族:亜人 状態:平常 スキルポイント=38

筋力=156 敏捷=31 器用=29 体力=30 精神=30


スキル=剣術3、盾術2、健康な身体3、状態異常耐性3、異世界言語1、収納2、気配察知2、暗視1、怪力3、硬化3、酸の息1、逃走2、偽装1、温度感知1、解体2、脱皮1


未取得スキル=突進、爪撃、噛み付き

〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 


 ポイントも余っていたのもあって未取得だったスキル脱皮を得てみた。これがまた便利なの!古い角質などをまとめてポイなのだ!お風呂に入れないこの世界に置いて、これで身の清潔は保たれるであろう事が約束された。あと、体力と精神は何てことない、健康な身体、状態異常耐性を上げる事で上昇した。


 そして本日の昼過ぎに連邦領に入ってから初めての町に到着した。町全体が3メートル程の土壁に覆われた如何にも戦地であります感が漂った所だった。全体的に活気もない。すれ違う兵士達もどこか疲れた様な顔をしている。ここで盗賊達は所持していた武具の一部を売りさばいた。銀貨1枚と星銅貨7枚で売れた。盗賊…地味に美味いなポイント的にも金銭的にも。


 宿をとって一休み。一応湯桶も貰い脱皮してから濡れた布で拭いてゆく。


 そして翌日。朝食を宿で済ませ、宿の親父さんに周辺に出る魔獣の情報はないかと尋ねる。


「詳しくは知らんがな。ウチに来る客の話だがな、何でもこの町に来るまでにな、地を走る大きな鳥に襲われたとか言ってたな。町の北西だな」


「北西だね。わかったわ、ありがとうございます」


「したけっど。お前さんの様なお嬢ちゃんが魔獣に何か用があるんかな?」


「ええ。わたしの糧とするの!」


 親父さんのビックリするような様子に少し面白く、微笑んで宿を後にする。その後、町壁出入り口にいる兵士にも尋ねてみると、最近、トレボー一家と名乗る盗賊団が出没するという情報も手に入った。規模は25~30人くらい居るらしい。盗賊!お宝拝見コースだね♪

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ