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突発的進行形  作者: くらくら海月
17/20

17話

 ラキの部屋に泊めて貰う事になったのだけど。たどり着いた建物は長屋の様な集合住宅。八畳間に調理台と小さな竈付きで小さなテーブルと椅子1脚、あとベッドがあるのみ。トイレは共用。お風呂なんてない!令和日本での生活を知る身では辛い事だ。脱皮もあるけどラキが居る間は使えないだろうしなぁ。


 食事はどうしているかを尋ねると食材が配給されているとの事で、今あるのは豆と小麦粉、あと芋らしい。調理も焼くか煮るくらいしかしないそうだ。まぁわたしも普段料理なんて作らないから腕前は変わらなさそうだね…ならば!食材で勝負と行こう!


 まだまだ残ってるジャイアントコカトリスにルタオで買い込んだ魚介類。後なんといっても調味料が豊富にある!ふふふ。調理は食材の数だぜ兄貴!


 調理台に食材を並べてゆくと、ラキが驚きの声をあげる。


「ヒ、ヒナタちゃん!これってお肉?!」

「ん?そうだけど」

「ふわー!?お肉なんて食べた事ないよ!こっちのはお魚?」

「いっぱいあるからねぇ。色々調理してみよう♪」


 それから始まる実験…もとい調理の数々。香辛料も使いまくりだよー。技量は同等でも令和日本の食事を口にしてきた経験は活かされる訳で。えっへん。なかなかの出来栄えと自負するに足る料理になったと思う。まー調理器具の無さで悪戦苦闘もしたけれど、白身魚の塩釜焼きとか!鶏肉?の香草焼きとか!煮込み料理もある!


 さて、実食!


「ふわー!!お肉ってこんな味だったのねぇ♪美味しいわぁ!それにお魚も!」

「ふふふ。そんな慌てなくても料理は逃げたりしないよ」


 ラキは興奮しっぱなしだった。ラキの幸せそうな顔を見るとこちらまでほっこりとした気持ちになるね。持っててよかった収納スキル!


 食後にハーブティーを飲みつつ。


「ヒナタちゃんは今後どうするの?この部屋にずっと居てくれてもかまわないけど」

「いゃー流石にこの部屋に二人は狭いでしょー…そーだなー、当分はこの近辺を彷徨いてみようかなー。よかったらまた泊めてね」


 流石に戦場を巡ろうとは言えないしね…わたしはもっともっと強くなりたいし、有用なスキルをGETしたい!スキルポイントは戦場で、スキルは魔獣あたりかなー…魔獣も地味に魔族の糧にされているのが痛い所だけどね。


 さて、寝るかーベッドに二人じゃ狭いけど。掛け布団は薄い布しかなかったので、毛布を追加で出しておいた。魔族だって腹も減れば凍えもするんだ。袖触れ合うも他生の縁、折角知り合えたんだしラキには幸せでいて欲しいしね。


 翌日、朝食は昨夜の残りに食材を少し足して味を整えた物を頂いた。職場へと向かうラキと別れを惜しみつつ離れ、むーんと伸びをする。さて、一狩り行きますか!


 連邦国との前線の砦へと足を運ぶ。


 おぅおぅ。今日も今日とてやってますなぁ。しかしどうにも解せない点が一つ。戦場では一切引かない魔族が街中での騒動ではやけにあっさりと引き下がっていたという事!何か制約でもかかっているのだろうか?そして戦場で散っても復活が可能…とか?いや、でもスキルポイントが吸収できているからなぁ…どうなってるんだろう。わからん。


 それは扠置き人間サイドの砦がこのままでは陥落してしまいそうな勢いである。まずは光学迷彩。位置を変えながらの投石開始。魔法感知発動。ローカストポールは少し離れた場所に設置されているな。


 人間サイドは、こちらの投石に合わせて塀の上からの応戦に力を入れつつある。ま、標準を絞らず投げているだけなので人間の兵士にも当たっているのだけどね…。めんごめんご。ま、わたしは人間の味方ではないのだけどね!ははは。


 わたしの攻撃を受けて魔族側も対応を変えたようだ。こちらの潜んでいる小さな森に小隊を送ってくるようだ。さーて、わたしを見つけられるかなぁ?






「本当にあの森にウォーハンターが潜んでいるんだな?」

「は、奴の投石攻撃より判断しますに、あの森からで間違いはないかと!」

「忌々しい奴だ!奴の介入がなければこんな砦など簡単に攻略できるものを…」

「あ、あのッ!」

「…なんだ?」

「送ったのは小隊規模で良かったのでしょうか?」

「…そろそろ30分は立つか、小隊からの連絡は?」

「反応…一切ありません!」

「くそっ!…奴からの攻撃でこちらの動ける部隊はどうなっているッ?!」

「はっ、残存戦力200名程であります!」

「奴に目にもの見せてくれるわ!砦への攻撃を中止!全部隊森へ突入させろッ!」

「ッ!?それは命令違反になるのでは…」

「構わんッ!ここで奴を逃す方が今後の被害に関わる!一気に潰すぞッ!」

「はッ!了解致しました。全軍森へ突入!標的ウォーハンター!」






「なんだ?!魔族の連中、森へ向かっていくぞ?」

「多分、ウォーハンターへと標的を変えたのだろう…」

「そういえば、謎の遠距離攻撃が加わっていましたね」

「戦場となれば現れる…奴は一体何者なのだろうか」

「まぁいいじゃないですか。奴のおかげで今回も砦を無事に守りきる事ができたのですし」

「そうはいうがな…ウォーハンターは無差別だ、現に砦側にも被害が及んでいる」

「魔族からの攻撃に比べたら軽微じゃないですか」

「だが、野戦の折には人間魔族双方に壊滅近い被害を齎した例もあるのだ。如何にしろ頼っていい相手ではない…こちら側も何か打てる手を考えねばな」

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