15話
俺の名はアルド・オルキアス。連邦国の紅の戦士団に所属し千人長の地位を勤めている。正式には朱煉瓦戦士団なのだけれどな、俺は紅の戦士団と呼ばれる方が好きだ。
俺達の部隊は東方面へと配属されている。魔族との戦いは防戦一方である。奴ら帝国だった時代にも転移の魔法具で部隊を派兵してたそうだが、今現在もそうだ。俺達は〝ローカストポール〟と読んでいるが1メートル程の棒状の魔法具を突っ立てると、そこから魔族が湧いて出やがる。それを破壊するのが最優先事項となる。
6年に渡る戦役で兵達の疲労は濃く士気も下がる一方だ。
そんな中で最近齎される報告。通称『ウォーハンター』なる未知なる存在。最初は魔族の新手かと思われていたのだが…なんせ姿を見たものはいない。攻撃手段は投石の様な物と思われるが、その攻撃力が半端ではない。おまけに魔族と連邦軍を見境なしに攻撃してくる。此奴は、はっきり言って死神だ。
奴が戦場に現れると壊滅的な被害を被る。だが実際の被害は引く事を知らない魔族の方がより大きい。結果的に、なんとか戦線を維持できているのだから皮肉なものだ。
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<ヒナタ> 種族:亜人 状態:平常 スキルポイント=18
筋力=1256 敏捷=162 器用=291 体力=382 精神=353
スキル=剣術20、盾術15、健康な身体15、強靭な肉体5、状態異常耐性15、異世界言語5、収納10、気配察知15、暗視15、怪力20、硬化20、逃走15、偽装5、温度感知15、解体10、脱皮5、突進10、爪撃15、毒霧1、投擲20、魔法感知15、酸の息5、石化の息5、火炎の息5、飛行20、属性耐性15、潜伏15、光学迷彩15
未取得スキル=噛み付き、鍵足、墨吐き
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じゃじゃーん!最近の成長結果!遂にスキルLv20に到達した物も!
オーガを狩った時に強靭な肉体というスキルを得た。筋力と体力が伸びる様だ。偽装はスキルLv5にした事で任意でギリースーツの様な物を生やせるようになった。光学迷彩のある今ではあまり意味はなさそうな感じー。求む、敏捷!一方的な攻撃が功を奏している為、必要性は低いのかもだけど。スキル韋駄天とかないものだろうか…。
さぁーて、今日も一狩り行きますかー。最近の狩り場は連邦東部の街道沿いの森。道の近くの木は伐採されているのだけれど、そんな極端に街道から逸れる程でもない。そこに斥候らしい魔族が何やら棒を物を設置していく。するとそこから魔族が転移してくる。ただ一度に出られるのは20人ばかり。隠れて設置しているのだけど、棒状の物から魔法感知にひっかかるのよねぇ。15キロメートル範囲で感知するのですぐ判る。判ってしまえば後は設置ご苦労様~と、魔族がわくのを待つばかり。
出て来るところを観察しつつ増えるのを只管待つ!10分くらい経てば200人くらいになり、そこから連邦の町に侵攻していく。また棒を持った斥候魔族が感知できる範囲で移動している。新たに湧き場を設置するつもりなのだろうけど人間側だって黙っていない。侵攻してきた魔族に町では警鐘が鳴り響く。戦場で敵同士が接触するのを見届けたらあとは投石開始!
「アルド隊長!敵襲です!」
「来たか。どこから現れた?」
「東街道方面からです!」
「ローカストポールは?」
「所在不明です!」
「打って出るぞ!魔族を町に近づけさせるな!」
「打って出てウォーハンターの奴…現れませんかね?」
「それもある。奴の出現報告は会戦中に集中している。だから打って出て誘引してやるんだ。奴が参戦したら即時退却だ!格隊に通達しておけ!それとローカストポールの発見を急がせろ!」
「はっ!」
未知なる存在に頼らざるを得ない状況に嫌になりながらも心のどこかで魔族と真面にやり合うよりマシかと思っている自分が心底嫌になる。戦士なら己の力で武功を挙げたいものだ。魔族一体で正規の兵士5人がかりの膂力がある。おまけに魔法という人族にはない攻撃方法まで持っている。そして何より魔族の戦士は自らの死を恐れない。何故そこまで?と、思うほどだ。勝ち筋が見えずとも最後の一人となるとも戦い続ける。
さて、今日の戦いはどうなるものやら…。ヘルムのフェイスガードを下ろし叫ぶ。
「野郎ども!出撃だ!俺に続けー!」
ひゃっほーい♪ 一投毎にスキルポイントが貯まる!いいねぇ♪ おや?投石を開始し始めて十投目くらい…人間側が町へと退却し始めた。ちぇー…しょうがない魔族に集中打を浴びせるかぁ。流石に町まで攻め入ってポイント稼ぎがしたいとも思わない。魔族のが美味しいしねぇ。
お掃除完了っと!さてさて、今わたしが見つめているのは魔族の斥候が設置していた棒状の物体。近づいてみてみると何やら複雑な文様が刻み込まれていて、かなり値打ちがありそうだとなんとなく思う。
しかし、魔族のわく棒が欲しいという人はいないだろう。うんむ。いないいない。この棒は今朝方に200体ほどわいている。腕を組み首を傾げる。今までのこの棒は人族によって破壊されて終わっていた。待っていればまた補充されるのだろうか?
興味がわいたので離れた位置で観察しつつ休息。光学迷彩も使いっぱなしだと体力が微妙に消費している様だし偽装スキルのギリースーツ姿だ。
………。あッ!人がやってきた。どうするわたし!?やっちゃう?!うーん…あー…壊された…。物も回収されてしまった。くそー…。待っていた、わたしの時間を返せ!
魔族かー。ちょっと行ってみましょうかね。レッツ魔族領!




