10話
トレボー一家のアジトを探索すると装飾品の指輪やネックレス等宝石の類や、金貨7枚、月銀貨16枚、銀貨138枚ほどがあった。
盗賊さん結構稼いでいるなぁ。まぁ半端な悪はかならず滅ぶのでお勧めは出来ないだろうが。スキル強化で体力もついたのでこの位の戦闘ではまだまだ元気。お日様もまだ高い位置にある事だし街道に戻って巨鳥を探そう。
もっと北西側なのかなぁ。察知に感はない。その日は他に何事もなく終わってしまった。その気配を感知したのは翌々日の朝の事。まぁ朝も早くから『コケーッ!』と鳴いていたらそら気づくわ。そろりそろりとその鳴き声の主に近づく。まだこちらは感知されていない様だ。
倒れた木の影からこっそりと覗くと全長7メートルはあろうかという巨大な雄鶏だった!羽はあるが退化しているのか羽毛が無くてゴツゴツとした肌触りをしていそうな皮膚をしている。脚は太く走るのが速そうだ。そして尾っぽは蛇になっていた。それが朝鶏が鳴く様にコケコケやっているのだ。まぁぶっちゃけコカトリスだろうけど一般的なサイズとして聞いてたより2メートル近く大きい。こりゃ腕がなるね!
背後に回ろと移動していたけど後ろには蛇の顔があるね…。不意は付けなさそうか?こんな時は~必殺の投石!手頃なサイズの石を二つ拾い、右手で投射!かーらーのーもう一個追加で投射!一発目は身体に名中して血が撥ねるが二発目は背中付近をカスめた程度でダメージになっていない。名中した一発目もサイズ的に致命傷にはなっていないな~。
「コケーッ!」
相手は突然の攻撃に激怒している様だ。蛇がコチラを発見すると毒霧を噴射してきた!やばやば!フードを深く被り回避に専念。このまま投石でヒット&アウェイでも倒せそうな気もしなくはないけど。それじゃー面白くもなんともない。今回はこれで!と思いつつ爪撃を発動!太い二本の鍵爪が現れる
蛇頭を回避するが如く鶏側へと移動する。鶏側で鍵爪で攻撃っと。皮膚を切り裂くも深手ではない。この爪あんま切れないねーほぼ筋力で無理やり切り裂いているだけだわ。スキルレベル上げるとまた違うのかな?と思ってほぃほぃっと一気に鍵爪Lv3まで上げる。お、切れ味上がったね♪
とザクザクやってたけどコカトリスも、タダやられているだけではない。鍵足で蹴飛ばしてくるし蛇頭も隙を見せると毒霧を放ってくる。毒霧は全力で回避するけど蹴りだけは躱しきれない何発かかすめているがヒット時に硬化を発動して被害を抑える。
うん。戦えているね!と思っていたけど、コカトリスが必殺の技を放つ!鶏側の口からガスを吐き出した!効果は石化だ!慌てて回避したけどガスを浴びた地面に生える植物が石化していく。やばいやばい!毒霧よりもっとやばい!
羽毛のない退化した羽をバタつかせてガスを広範囲に散布している。ひぃー…退避!石化の息の範囲外にでてお互いに睨み合う。コカトリスはあちこち切り傷で血だらけだ。こっちは打撲と擦り傷が何箇所か。あいつ自分の息では石化しないのね。当たり前か。うーん。困ったぞ。想定以上に厄介な攻撃だな。
投石するか?と石を拾うように身を屈めると、コカトリスもそれを警戒するかのように突進による飛び蹴りをかましてくる。
鍵爪で切りつけると石化の息を吐く。いゃーイヤラシイぞ…こいつ!千日手になるのかと思ったけど、気づいた!石化の息の効果範囲が段々と狭くなっている事を!どうやら有限らしい。まぁ生き物だし無限って事はないよね!
それから何度か同じ事を繰り返し、とうとう石化の息は品切れの様だ。鍵爪で切り裂き息の根を止めた。
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<ヒナタ> 種族:亜人 状態:平常 スキルポイント=46
筋力=156 敏捷=51 器用=54 体力=55 精神=55
スキル=剣術4、盾術3、健康な身体5、状態異常耐性5、異世界言語1、収納2、気配察知3、暗視3、怪力3、硬化3、酸の息1、逃走3、偽装1、温度感知2、解体3、脱皮1、突進1、爪撃3、石化の息1、毒霧1
未取得スキル=噛み付き、鍵足
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ふぅー…長時間の戦闘の様に思えたけど実質30分少々しか経過していなかった。こいつ一体で+23ポイントも入ったゾ!それにしてもやはりゲットしてしまったか…石化の息と毒霧を…。どんどん人間離れしているなぁ~…わたし。
さて、要件も済んだ事だし町へ戻ろうか。早朝からの戦闘だったのでまだ陽も高く昇ってないしね。かーえろかえろ。町へ帰ろう。
そうそう、コカトリスは高級食材だそうだ。あんな毒やら石化やら出すヤツ食べるのかー…まぁ日本人も何でも食べるしなぁ~帰ってからの楽しみが増えたと喜ぼう。
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俺はとんでもない現場を見てしまった。
俺は商隊の護衛に着いている。見張りや偵察やらは俺の持ち回りだ。この近辺で地を走る巨鳥や盗賊団の襲撃報告もあがっているため何時も以上に用心している。
始まりは早朝に『コケー!』と鳴き声が聞こえたからだ。仲間達に一つ頷くと俺は一人で朝露で濡れる地を静かに駆け出した。居た!ヤツだ…コカトリス。石化ブレスから毒霧まで吐き。その太き鍵足の一撃は重厚な騎士ですら叩き潰すという。ただでさえ脅威の魔獣だというのに目の前にいるヤツは成人男性の4倍近くある大物だ。
見つかったら殺されるな。と思いその場を離れようとした時だ。ヤツが『コケーッ!』と怒りの声をあげた。見つかったか!? と慌てる俺を他所にコカトリスは俺のいる位置の反対側へと毒霧を散布した。何だ?と思いきゃ、ヤツの前に現れたのは小柄な人影。
え?一人なのか?一瞬思考が停止する。どうする…どうする俺?! と思うと共にどうしようもない。という諦めの感情が支配した。巻き込まれる前に商隊に戻り急いで出立しないと危険だな。
と、思ったんだが、手の甲に装着した爪のような武器でコカトリスを上手く翻弄し手傷を与えている。おぉすげぇー!と普通に関心して見入ってしまった。しかしそれも長くはなかった。石化ブレス。ヤツがそれを吐き出した為だ。羽までバタつかせている。終わったか…と、見ればフードを被った小柄な人影はまだ戦うき満々だった。
その後、離れる、屈む、飛び蹴り、切りつけ、石化ブレスという一つのルーチンで戦いが存続された。近郊が崩れたのはそのまま10分以上経ってからだろうか。石化ブレスを吐かなくなったコカトリスの首筋を爪状の武器で切裂いて戦いは終わった。その後巨躯のコカトリスの姿が掻き消え謎の人物は、俺が声をかけるか迷う間に居なくなってしまった。
商隊に戻る途中考える。見た事をどう報告すればいい?信じて貰えるだろうか…?




