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恋人交換制度!?学校のアイドルたちが俺に彼女交換を申し込んでくる件  作者: ponshiro
第2章 ねぇ、私のこと・・・【初回交換編】
33/39

第33話 対決

 **************




「待たせたな、ってまだ準備すらしてないのか」



「クック…神崎と俺が付き合った後の話をしてたところだ。

 にしても、同好会のくせにこんなに広い部屋とは驚いたぞ」



「なんだもう勝った気でいるのか。

 ま、隣は生徒会室だからな。ここは以前は生徒会室の応接室兼物置だったところを片付けて再利用している。だから広いが、扉の向こうは生徒会室になってる。

 知ってのとおり五十嵐会長はうちの部員だからな。

 それはともかく準備するか」



 水無瀬には先に教室に向かってもらった上、小坂以外の親衛隊の連中には彼らの部室で待っててもらうように言ったからここには()()しかいない。



「小梢すまんが、お前のアケコン借りるな」



「はいどうぞ♪私はちょっと行くところがありますので」



「お、おい?小梢?どこ行くんだよ!」



 せっかくいよいよ始めようというところだというのに小梢の方は対戦を見る気がないという感じで部室を出て行く。俺はそんな小梢を慌てて追いかけた。俺がいない間に部室で何かあったんだろうか?何かあったとしても小坂とふうちゃん+αがいる限り大丈夫だと思っていたんだが…。

 部室の外で小梢を捕まえると小梢はきょとんとした顔をする。



「せんぱい、追いかけてきてどうしたんですか?

 勝負をとっとと済ませてきてください」


「い、いや、お前が急に出ていくから。どうしたんだよ?堀北と何かあったのか?

 だいたいこの勝負にはお前の未来がかかってんだぞ?」



「あはは、別に何もありませんし、私の未来とか全然かかってないでしょ?

 だって、せんぱい絶対勝ちますし」


 小梢はにやりと笑う。その顔は俺が勝利することを信じる以前にわかりきっているといった顔だった。

 だが、その顔はすぐに不機嫌な顔に変わった。


「それよりも私、ちょっと怒ってることがあるんです」



「ど、どうした?俺なんかまたお前怒らせたか?」



「いえ、せんぱいじゃありませんよ。

 ここに来る間、千影ちゃんに聞いたんですが、堀北先輩、千影ちゃんのことブスって言ったそうですね」



「ああ、全校生徒の前でこのブスと付き合えるかみたいなことを言っていた。

 だから俺も見てらんなくなったんだけどな」



「ふふ。さすがせんぱいですね!

 やっぱり私、せんぱいのこと好きになれて良かったです♪せんぱいとあの日に出会えて良かったです!

 ただ、私もせんぱいと同じようにどうしてもそれが許せないんです。

 私も好きな人に似てきちゃったのかな?えへへ。


 だから、せんぱい。せんぱいがせんぱいの戦いをする間、私たちも私たちの戦いをしたいと思います。

 二人でぎゃふんと言わせましょ♪」


「なるほど…そういうことか」



「ですです♪

 せんぱい、大好きです♥

 だからとっとと倒してきちゃってくださいね!

 時間もありませんのでそれじゃっ!

 千影ちゃん、行くよー!」



 小梢はそういって後輩ちゃんの手を引いて御手洗いの方へと消えていった。

 私たちの戦いか…。俺はその言葉にそういうことか、と納得した。

 ならいっそ負けられないな。俺の応援はふうちゃんたちが居てくれれば十分だ。





 ・・・・・・・・・・




 俺が小梢達と別れて部室に戻ると、既に堀北は崩拳を起動させていて、練習に入っていた。中々図々しい奴だ。知っていたけれども。



「待たせたな堀北。すまん、ちょっとトラブった」



「兼平、俺は別にかまないぜ。

 クックック。神崎に大事な試合も見てもらえないとは神崎も既にお前に見切りをつけてるみたいだな。

 ま、予想通りだが」



「さいですか。さて、お前の方はもうウォーミングアップもできてるみたいだし、はじめようか。

 後で何だかんだ文句を言われたら嫌だから、座る位置もコントローラーもお前の好きにしていい」



「なら、俺は2P側だ。まぁお前は今回は前回お前が使った藤間家のキャラは使わないだろうけど、念のためな。

 コントローラーもお前のを使わせてもらうぜ。両方使ってみたが、こっちの方がスティックが大分柔らかくなってるみたいだしな」



 堀北は2P側の席について、俺のアケコンをコンコンと軽く叩く。

 崩拳でコンボ始動技としてよく使われる→☆↓↘といういわゆる昇竜拳コマンドは2P側の方が得意って奴が多いってことと、俺が普段慣れているコントローラーを自分が奪うことで優位に立ちたいということなんだろう。相変わらず徹底しているな。



「好きにしろ…。

 さて、まず俺のキャラセレクトからだが、予め言っておくと俺が今日使うのはカポエラキャラのクリスティーナだ。

 一応一通りの技やコンボを練習したことはあるが、人間との対戦で使ったことはない。正真正銘の入門生キャラだ。それでいいな」



「プッ、よりによってお前そんなザコキャラでいいのか?

 そのキャラだけこの3Dゲームで横移動できねーんだぞ?

 そんな2Dキャラ出してくるとはな!ププッ、お前、もう諦めてんのかよ!

 メインキャラ禁止といったが、そこまで遠慮しなくていいだぜ?

 ま、もう変更はできねーけどな。クックック…」



 堀北は俺のキャラセレクトを見て笑いを堪えるのに必死という感じだ。

 確かに俺のキャラは3D格闘ゲームであるのに3Dな動きが苦手というこのゲームではかなり異色なキャラ。クリスティーナはカポエラスタイルでダンスでもしているかのような低い姿勢でゆらゆら揺れて、相手の上段攻撃を躱しつつ、下段攻撃を軸にチクチク攻めるタイプだ。



 とはいえそんな異色キャラだけにきちんと対策をするため一通りの練習をしたから問題なく動かすことはできる。

 このキャラにした理由は後で堀北が負けたときに、キャラ差のせいだの、強キャラ使われたからだといった言い訳をされないため。文句の出しようがない堀北自身も諦めてるのかと疑うレベルの弱キャラを選択したというわけだ。


 しかも、一方の堀北は遠慮するなといいつつ、堀北のキャラはプロレス使いのタイガーという思いっきりクリスティーナに有利なキャラを選択した。

 タイガーは今作の崩拳の中でも強キャラの一角に数えられているキャラだ。



 キャラ差でいえば圧倒的な差。俺のキャラはタイガー相手にかなりのリスクを背負わないと攻められないが、タイガーの方は適当に攻撃してるだけでこっちは大ダメージになるから、少しの実力差があれば一方的に蹂躙できるほどの有利不利がある。


 というのもタイガーの攻撃はカポエラコンビネーション中に強引に割り込んで来れる上、置き技として使える発生が13Fと速くて硬直がほとんどない中段→上段の連携技がカポエラの低い姿勢にもばっちりヒットする上、ヒットするとそのまま空中コンボにされるという超絶酷い仕様なのだ。



 堀北はキャラセレの時点で勝った気でいるらしく先ほどまで以上にニヤけていた。

 だが、俺は負ける気はない。



「御託はいいからステージをセレクトしろ。

 なんなら壁ナシエリアでもいいぜ?」



「もちろん壁ナシだ。

 そんなキャラに壁際で分からん殺しされたらたまらんからな」



 堀北が当然といった感じで壁ナシステージを選択していよいよ対戦がスタートする。

 堀北のヤツ、前回の俺との対戦で壁際で下段攻撃か中段攻撃かのキツい二択を迫られたことがよっぽどトラウマになってるらしい。



 確かに今回の俺のキャラは下段攻撃が強いキャラだから後ろに下がって下段攻撃を躱せなくなる壁際ではそこそこ強い。だが、このキャラはバクステが全キャラ1速い。つまりは壁ナシフィールドの方が強いんだぜ。



 堀北は間違いなく開幕に中段→上段の置き連携技を打ってくる。こいつはクリスティーナの行動のうち8割方に勝てる上、当たり所が良ければ空中コンボに持ち込める可能性も高い危険な技だからだ。

 だが、読めてれば別。


 俺はラウンドスタートとジャストタイミングで←←↙☆←↙☆という通称山ステを入力する準備をする。崩拳ではバックダッシュ(←←)は、硬直してしまうため連続ではできない。


 だが、バックダッシュをした後、素早く↙入力+☆(ニュートラル)に戻すことでバックステップの硬直をキャンセルすることができ、その後←を入力すると再度バックステップ可能となる。以下その繰り返しで連続して距離を開けることが可能となるのが山ステだ。タイガーのステップイン連携を躱ししつつ、反撃できる距離に離れるにはこれしかない。


 この山ステをきちんと、かつ速く入力できるヤツは本当のガチ勢、大会参加者クラスでしか見たことがない。おそらく堀北が普段戦っている連中の中にはこれを使える奴はほとんどいないはず。

 俺のキャラは入門生でも、俺自身は入門生ではない。さて、いつまでそのニヤけた面を維持できるかな?



『Round1 Fight!!』



 

「クックック。兼平、死ねっ!」



 堀北の行動は案の定、強連携。だが、こちらはラウンド開始と同時にカタタンと高速レバー捌きをして堀北の技をスカす。

 上段攻撃でフィニッシュする連携技に対して、俺は山ステの↙入力、つまりはしゃがんで待機していて、上段攻撃をしゃがみ回避でやり過ごしつつ、立ち上がり途中の浮かせ技で硬直中の堀北のキャラを浮かせる。



「な!きたねーぞ!」



 汚いのはどっちなんだか…。俺は奴の言葉に惑わされることなく冷静に空中コンボを決めていく。


 俺はあえて最大ダメージコンボは出さずに、堀北の起き上りの癖を見抜くためにわざと少し距離を開ける技で空中コンボをシメる。



 俺は画面だけで行動を決めているわけじゃない。堀北が押すボタンの音、スティックの音、その全てを拾いながら行動を選択している。今堀北はボタンを押していないから、即受け身起き上りはしてこないということだ。



 俺はダウンしている堀北のキャラにダッシュで近づきつつ、起き上り攻撃が当たるギリギリのところで再び山ステを使ってバックステップを実行。



 開幕いきなりコンボを決められた堀北は案の定、逆転の一手で起き上がり中の技の中で最も判定の強い攻撃であるクイックスプリングキックで起き上ってきた。だが、奴のクイックスプリングキックの射程圏内に入ろうかというところで急遽、山ステを実行してバックした俺はそのスカしに成功。



 クイックスプリングキックは強力な攻撃だが、ガードされたりスカされると背中を向けて大硬直するハイリスクハイリターンな技だ。



「兼平てめええええええええええええ!」



 俺は背中を向けて無防備な堀北のキャラにすかさずもう一度浮かし技を叩き込む。崩拳では体力がちょうど空中コンボ2回分程度強に設定されているが、俺のコンボはどちらもカウンターで入っていてダメージが増えているからそのままKOまで減らすことができた。



『PERFECT!!』



 1ラウンドは俺のパーフェクトKOで終わる。



「くそおおおおおおおおおおおおお!!」




 堀北は第1ラウンドを取られ、俺のコントローラーを叩いて叫んだ。



 堀北の奴め、俺の大事なアケコンをなんだと思ってやがるんだ。けれど、こんなに乱暴に使うんじゃ小梢の方のコントローラーは使わせなくて良かったな。

 アイツのを壊されたらどうなるかわかったもんじゃない。

 まぁ小梢のも俺が6月のあいつの誕生日におねだりされてプレゼントしたもので、俺とお揃いの高級アケコンではあるんだが、アイツはこれにアニメのシールとかを貼り付けたりデコって超気に入って使っている。貰った当初は毎日拭き掃除をして磨いたりしてなんなら彼氏の俺より愛していた。



 と、無駄に意識がそれたが勝負に集中だ。



 崩拳という格ゲーは、心理戦の要素が強く、テクニックよりもメンタルが重要。


 というのもラウンドが取られると、焦ってキレてブッパで来るか、逆に消極的になるかし易くなる。そして、そういう単純な行動は簡単に諫めることができる。焦りは禁物というわけだ。



 さて、次のラウンド、堀北はブッパか消極的行動のどちらでくるか?

 1ラウンド目は俺がバックステップで取ったようなもんだった。そうなると堀北は俺のバックステップを警戒するはず。おそらく開幕にさっきのようなブッパはし難いはず。様子見で来るだろう。



『Round2 Fight!!』



 そのアナウンスと同時に俺はステップインしながらカポエラの低い姿勢に移行。堀北はこれに完全に意表を突かれている。この状態からは発生がほぼ同時な中段と下段攻撃の空中コンボ始動技で2択を掛けられる。


 もちろんガードされてしまうと逆にこっちが手痛い反撃を喰らうからこの2択は外せない。

 


 俺はそこで下段攻撃を選択すると、面食らっていた堀北はとっさに下段ガードができずに下段攻撃がクリーンヒット。俺はそれを拾って空中コンボに持ち込んだ。

 そして、空中コンボ後もしつこく起き攻め。起き上った堀北のキャラにちょうど被せるようにもう一度下段の空中コンボ始動技を仕掛けると堀北のキャラは見事にその下段攻撃に吸い込まれる。



「アッ、テメーーーーーーーーーー!!」


 だが、そんな叫びも虚しく堀北はそのままHPを減らしていってKO。



「クッ…な、何だよ!コレ!

 ふざけんなよ!!

 おかしいだろッ!!どうなってんだよ!!」



 2ラウンドパーフェクトで取られた堀北はこんなつもりではなかったといった表情で焦りに焦っていた。

 この勝負は3ラウンド先取の1本勝負。もう堀北は崖っぷちだ。さっきまでの余裕はその表情からは完全に消えていた。


 こうなるとこちらのできる行動の幅も広がる。残り3ラウンドの余裕がある俺はさらに積極的にいけるし、後がない堀北はもっと消極的になるというわけだ。



 またも開幕の行動が俺の読み通りだったため、第3ラウンドでもしょっぱなから浮かされる堀北。



「があああああ!!ふざけんな!ふざけんな!ふざけんなよぉおおおおおおおおおおお!!!

 ぶっ殺すぞテメーーーーーー!!」



 堀北は大声で恫喝するように吠えまくってとうとう場外戦術まで使い始めた。

 残念だが、俺にお前程度の安い脅しは効かない。俺はお前がクラス中に触れまわったとおり、このゲームで何人ものヤンキー共に脅されながらも連勝し続けて、表に出ろと言われてリアルファイトに発展しても勝ってきたような人間だしな。



 開幕の空中コンボで一気にライフを半分近くまで減らした堀北。 



 奴はタイガーの必殺技である投げコンボで打開しようとしてきた。


 だが、崩拳では投げは掴みモーションを見て、右手が前に出てれば右パンチボタンを、左手なら左パンチボタンを押すことで投げ抜けができる。


 もちろんそれはほんの一瞬のモーションな上、投げ抜けできるのも掴みから投げがはじまるまでのほんのわずかな間だから、上級者しか投げ抜けはできない。しかもタイガーの投げモーションはかなり早い方だから上級者である俺でも調子悪いときは見えないほどだ。だが、今日は落ち着いているからバッチリみえている。



 投げを抜けた俺は、倍返しだと言わんばかりに←↙️↓↘️→WPボタンを押す。これはクリスティーナの一番強い投げ技コマンドだ。入力が遅いとモーションが見え見えなんだが、俺の入力速度があまりにも速く、堀北は俺の投げを抜けられず大ダメージを受けた。堀北のHPは残り5分の1程度になってダメージ増強のレイジ状態になる。



「くっそおおおおおおおおおおおおおお!ぶっ殺すぞ!」



 焦りに焦った堀北はレイジ状態のときに出せる必殺技、起死回生のレイジアーツを放ってくるが、俺は冷静にガード。レイジアーツはガードされると大硬直する。俺はその隙に空中コンボの始動技を叩き込んだ。




「くそがああああああああああああ」


 ガシャーーーーーーーーーン!!


 堀北はあろうことか俺の空中コンボ始動技が決まった時点でコントローラーを思いっきり前へと投げつけて破壊し、KOの瞬間までプレー続行すらしなかった。まだ俺がコンボをミスしてKOできない可能性があるにもかかわらずだ。



 俺は堀北の乱暴なプレーにも動揺することなくきっちりコンボをミスらず決める。



『KO!!』



「やったね、あっくん!素敵よ♪」

「さすがですな」


 

 今まで固唾をのんで見守っていた2人も俺の勝利に安堵したのか駆け寄って抱き着いてきた。

 ふうちゃんは良いんだが、小坂、お前は暑苦しいからやめてくれ。

 そして、そんな傍ら負けた堀北は吠えていた。



「ちくしょおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」



「堀北、お前の負けだ」



 俺が2人を剥がしてから立ち上がって堀北に敗北を告げると、堀北は立ち上がって俺の胸ぐらをつかんでくる。



「テメー!こんなんやってられっかよ!無効だ無効!こんな勝負無効だ!!

 俺は最後コントローラーを滑らせてコントロールできなくなってお前の技を喰らっちまった。お前のコントローラーのすべり止めが緩いからだ!

 それだけじゃねー。お前のそのキャラ、どう見ても入門生じゃねーだろ!俺のタイガーは18段の羅将なんだぞ!入門生に負けるわけがねーんだよ!

 兼平お前、メインキャラ使ったな!イカサマだ!

 やってられっか!

 というわけでお前の約束とやらも悪いが守る気はねーからな!」


 堀北はこの期に及んで見苦しい言い訳をし始めた。これにはふうちゃんもドン引きだった。



「あ、あんたね!自分から思いっきりコントローラーを投げつけておいて滑ったとか何を言ってるの?

 だいたい、私はこのゲームは素人だけど、素人の私が見ても、この人がインチキしたんじゃなくて、あんたが無茶攻めして自滅したようにしかみえなかったけど?

 アンタの行動が読まれただけじゃない。アンタだって無茶攻めせずにこの人の攻撃をガードしてれば勝てた試合だった、私にはそう見えたけど、違う?」



 ふうちゃんは堂々と堀北に敗因を指摘する。ふうちゃんの指摘は全くもってその通り過ぎて俺も付け足すコメントがない。だが、堀北はそれを認めず逆ギレする。



「素人に何がわかんだよ!コイツがズルしたんだよ!

 このゲームをある程度やったことある奴にしか今のはわかんねんだよ!

 素人はすっこんでろよ!」



「キサマ、かえで様に無礼な…。

 今のは拙…俺の目からみてもお前のミスが敗因だっただろ!」



「んだと!?」



 堀北と小坂がケンカになりそうになり、俺は慌てて止めに入る。



「待て待て。

 ふうちゃん、小坂、サンキューな。

 だが、これは俺の問題だから俺がケリを付けるよ。


 堀北…。

 はぁ…。お前の三文芝居には飽き飽きだよ。

 やっぱりそういうつもりだったか。キレたフリしてごまかそうとするのはやめろ。

 お前がそういう手に出て約束をはぐらかそうとすることなんざ百も承知なんだよ。

 だから、俺は俺で保険を取らせてもらった」



「なに?」


「というわけでお願いします!」


 俺が呼びかけると、生徒会室と繋がっている扉から一人の女性が入ってきた。


「あ、あんたは…」









「「み、峯岸先生!!」」


「や、みんな。おはよう」

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