4.5
ー小さい部屋にベッドが2つ。まだまだ夜は明けない。暗い部屋のなか、片方のベッドから、1つの影が起き上がる。目の前の手さえ見えないほどの暗さだ。
小さなバックを漁り、薄い金属でできた入れ物を取り出す。液体を入れる容器のようだ。器用にふたを開け、口に運ぶ。とくとくと音を鳴らしながら液体が流れた。そのとき、床が軋む音と同時に明かりがつく。風が切れる音が聞こえるほどの早さで影は音の方向を見る。
「な、なにをしてるんですか。シンさん」
片手に【 ライト】の効果が付けられた魔道具を持って、“ダークマター”もとい“クマくん”が立っていた。魔道具はうっすらと部屋を照らし、お互いの顔も見えるぐらいになった。
「いや、すまない。変に警戒してしまったね。起こさないようにと明かりをつけないで作業してたんだが、起こしてしまったかな?」
気まずそうな笑顔をしたまま、“シン”はクマくんのほうを見る。顔がこわばってるところから、クマくんのほうもかなり警戒しているようだ。
「同じ仕事をしてる仲でもあります。隠し事はなしにしましょう。何をしていたんですか?」
「見られたくなかったんだが。まあいいか。これだよ」
シンは薄い金属の入れ物を肩の高さあたりで振る。振るたびにぴちゃぴちゃと音がなる。
「これのなかは酒だよ。酒場のどの酒よりも強いやつだ。定期的に飲まないとヤバいんでな。そういえば、においとかキツくないか?」
何も持ってないほうの手で部屋のなかをあおぐ。
「そんなにお酒にはまってるんですか?極度の飲酒は酒依存の可能性が高いと聞きます」
「いやいや、それほどのもんじゃないさ。クマくんが気にすることじゃない」
ふたを締め、またバックのなかに戻す。動作からして、かなり大事なものらしい。
「ほら、まだ暗い。少しでも寝よう。いろんなところをまわって情報を見つけないといけないしね、かなり疲れるかもしれない。だから…ね?」
「そうですね。では、おやすみ…」
クマくんは大人しくベッドのなかに入る。始め明かりをつけたときの殺気。「ね?」に含まれた脅し。いつもは決して見せないような迫力が、そこにはあった。
閲覧ありがとうございます。
今回は4と5の間です。勢いのままやったので少し後悔してます。
感想や指摘などして頂ければ嬉しいです。いろんな数字に一喜一憂してます。




