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プロローグ

あらすじってどう書くんですか…?


「……っぷはぁ」


 渇いた喉に冷えたエールがしみる。樽のような木製のジョッキは少し湿り気をおびていて、持ってるだけで心地良い。少し値は張るけど、仕事を終えたあとのエールは生き甲斐と言ってもいい。趣味と仕事が一緒になってるようなものなので、遊びにいくこともあまりないし。


 前回の仕事内容を頭のなかでまとめ、1人酒場で反省会と言ったところか。日も落ちてきて、酒場のなかはより一層活気があふれる。


「ねーねー、明日は約束通り…アレ、やってくれるんでしょ?」

「当たり前じゃないか、俺はウソをつかない男だぜ」

「うふふ。もー、いい男は忙しいわね」


 後ろでイチャつくカップルの声が耳につく。ここじゃなくて自分の家でやってほしいものだ。少し太ったあの偉そうな男は、かなり大きい商会の1人息子だったかな。いつも女を数人連れて歩く遊び人であると有名だけど、今夜はたった1人しか連れていない。そのお相手もなかなかだ…。弱小貴族と言われてる家の3女。良くも悪くも噂は聞かないし、顔はキレイなほうだがこれぐらいならざらにいる。なぜあんな女性と…という感じで、なんというか“盗み聞きがやめられない病”と言うべきか?職業病だな、と自虐を含んだ笑みが浮かんだ。


 残りのエールをぐびっと飲み干す。ちびちび飲みたい気持ちもあるが、一気飲みするのも贅沢でまた良い。席を立ち、カウンターに向かう。


「やあ、受付嬢さん。こんばんわ」

「こんばんわ、シンさん。先週のクエストの報告ですか?」

「ああ、お願いしたい」

「では、タグの提示をお願いします」


 ああ、と返事をして胸ポケットから細い金属のひもの先に薄い鉄板がつけられたものを受付嬢に手渡す。


「はい、確認がとれました。では今回の報告をお願いします」

「ああ、これと…これ。この袋のやつはオマケとでも言っといてくれ」


 腰につけたバックから封をされた手紙と美しい金細工のアクセサリー、皮でできた袋を取り出す。


「今回は荷物が少ないんですね。これらは私たちが依頼人に届けさせていただきます。報酬はいつもの方法でいいでしょうか」

「ああ、3日後にまた来るよ」

「承知しました。この袋の中身を確認しても?」

「できれば触らないでほしいな。受け取るときに説明が必要ならそのとき連絡してくれ。腐るようなものでもないんでね」

「では、それも3日後に。今回もご苦労さまでした」


 さっさと手続きを済ませ、労いの言葉をもらう。これも慣れたものだ。受付のお嬢さんたちともそれなりに仲良くしている。


「あ、あと。今日のうちにまた依頼を受けたいんだけど、なにかあるかな」

「確認してきますね。少々お待ちください」


 受付嬢は席を離れ、依頼を募集する用のカウンターへ書類を確認しにいく。ここは酒場でもあると同時に、冒険者ギルドになっている。冒険者ギルドのほとんどがこのようにな酒場と一緒になってるので、いつでも人があふれている。朝は酔いつぶれたやつらが床で寝てたりするけど。


「あの…シンさん。いちようあるんですが、少し問題というか」

「それ以外にないのなら」

「えぇ、今すぐだとこれぐらいしかないので。説明だけさせていただきます。受けるかどうかは説明の後で構いませんので」

「わかった。それで、どういう内容なんだ?」


 その内容は、ほとんどの項目が“不明”となっていた。依頼人と依頼人の住む場所ぐらいしか書かれてないらしく、こんなに内容のわからない依頼は初めてだ。今まで依頼を受けられる人を限っていたが、最近誰でも受けられるようにしたらしい。報酬もどれほど貰えるのかわかってないし、問題しかない。


「それで…どうでしょうか?」

「そ、そうだな」


 これには受付嬢も顔をしかめていた。急ぎで金が必要って訳ではないが、少し面白そうでもあった。依頼は途中でやめることもできるし、依頼人の名前に聞き覚えがあった。


「受けてみるよ。明日にでも依頼人と会って話がしたい。連絡を取ってもらってもいいかな」

「はい、では明日の朝にでもお越しください。依頼人の住所はそのときにお渡ししますので、今日はこれぐらいですかね」

「そうか、ありがとう」


 まだ夜は始まったばかりで、酒場の明かりが外の闇を照らす。少し笑み浮かべ、受付嬢に礼を言って帰ろうとしたとき、服のすそに違和感を感じ振り返る。


「あ、あの。もう少し…いいですか?」


 受付嬢は掴んでたすそを離し、顔をほんのり赤く染めてこちらを見た。


「シンさんが忙しいのはわかってます。ですが、こういう仕事以外で…その、会えませんか…」

「ん〜そうだね。すまないけど、近いうちは難しいかな。さっき仕事も受けちゃったしね」

「そうですよね。すいません。引き止めちゃって」

「そうだな。2週間後なら長い休みがあるんだが、そのときにお茶でもいかが?」


 受付嬢は顔をパッとあげて、キラキラとした目で明るく笑った。新しい予定がどんどん入る。うれしいことではあるけど、走り回るのは性にあわない。もう1杯エールを注文し、同じ席に座る。


「んじゃ、今日も“盗み聞き”と洒落こもうかな」


 酒場の賑わいに耳を傾け、また1人で夜を明かすのだった。

閲覧ありがとうございます。

まだ経験も浅く考えも甘いような作者なので、矛盾だったり表現がおかしかったりします。ですが、コメント等して頂ければ改良などしつつ掲載していく所存です。高みを目指して努力します。


よろしくお願いします。

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