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56話

 午前の座学が終わったが、そこで俺はかつてないほどの精神的攻撃を受けることになった。

 余りの猛攻に屈しかけた俺は、現在自室にて休息を取っている。

 もう絶対あの授業には出ない、絶対だ。




 メイド服に着替えたマリエルが呼びに来てしまった。

 仕方がないので、午後の教育に同席しに行こう。

 そうそう、忘れる前に言っておかなければ。

 「マリエル。今後先程の授業にはもう同席しないので、その様に伝えておいてくれ。後、明日以降の教育予定も、決まり次第聞いて俺に伝えるようにしてくれ」

 「承りました。その日の教育内容で、参加するかしないかを事前に決める、という事ですね?」

 何故かクスクス笑いながら聞いてくるマリエル。

 これは・・・さっきの様子を勘違いされている気がする。

 だがこういった事は、下手に弁解すると逆効果だったりすることも多い。

 馬鹿にした感じはなく、しょうがないなぁと小さな子供を見ているかの様に思われている気がするが・・・我慢だ。

 「あぁ、そうだ。そして空いた時間は、こちらの言葉を覚える時間か冒険者として活動するつもりだ」

 「はい。ではそのつもりで準備しておきます」

 わかってはいたが、付いてくる気満々である。

 まぁ、いいけどね。

 デメリットもあるがメリットもあるし。

 ソロは気楽だが、女の子と一緒とか華があっていいと思ったりもするし。

 「その準備の中に携帯食は入れなくていいぞ。もしもの時の為の保存食はあった方がいいだろうが」

 「活動中の食事は俺が提供する事にした。あの携帯食は、俺にはもう必要ない」

 「はい、わかりました」

 またクスクス笑われた。

 さっきと同じ感じだが、今度のは多分そのままなので反論しようもない。

 さて、気を取り直して午後の教育に参加しよう。




 何時も通り空を飛んで移動し、ギルドに到着した。

 面倒事はさっさと終わらせるに限る。

 今日は冒険者としての活動はせず、屋敷で小説の続きを読むと決めているのだ。

 こちらの言語の勉強は、切りがいい所まで読んでからだな。

 そんな事を考えながらギルドに入ると、一斉に見られた。

 それも全員に、だ。

 初日でもこんな事にはならなかったのに、どうした事だろうか?

 (いぶか)しんで辺りを見回すと、物凄い勢いで視線を逸らされた。

 おかしいと思いその内の一人を凝視していると、何やらガタガタ震えだした。

 恐怖を感じて震えているようだ。

 何故に? 何かしたか?

 訳が分からず困惑しているとマリエルが

 「ルイ様、可哀相なので止めてあげましょう」

 と諭すように言ってくる。

 え? 俺が悪いの?

 「俺、何かしたか?」

 「・・・・何もしていないと思っておられる事に驚きです」

 え~っと、えっ?!

 「さぁ、その様に威圧していないで、早く説明にいきましょう」

 そう言って俺の手を取り、カウンターに向かうマリエル。

 ちょっと待って、本当に何かしたか?




 毎度毎度空を飛んでいたから、そこから実力を読まれ恐れられた?

 それにしては恐れられすぎだと思うのだが・・・。

 ふと気が付くと、何時の間にかギルドマスターが目の前にいた。

 原因を考えている間に、マリエルにギルドマスターの執務室まで連れてこられたようだった。

 考え事に集中していたので、ずっとマリエルに引っ張られながら。

 おっといけない、今はこちらに集中しなければ。

 「失礼、考え事に没頭してしまいました」

 そう言って軽く頭を下げる俺。

 「いやいや、構わんよ。大した時間でもないし、その間儂も観察させてもらっておったし」

 そんなことを言い出すギルドマスター。

 「俺のような新人、観察などしても時間の無駄だと思いますがね」

 「・・・・・・・・」

 マリエルが物凄く小声で心外なことを言っていたがスルー。

 「儂はそうは思わんが、お前さんがそう言うならそうなのかもしれんな」

 食えん爺さんだ。

 伊達にギルドマスターはやっていないという事だろう。

 「で、(おおよ)そは既に伝えているはずですが、他に何が聞きたいのですか?」

 「一番気になるのは、お前さんの実力のほどじゃが・・・」

 「それはこの件には直接関係ないですよね」

 爽やかな笑顔でそう答える俺。

 「・・・・まぁ、そう言うじゃろうとは思っておった。事の起こりから、何処で何故遭遇し撃破するに至ったのかを説明してもらえるかな」

 「面倒ですが仕方ありません。お話致しましょう」

 そう言ってから、起こったことを時系列順に説明していく。

 勿論俺に都合のいいような、主観に(もとづ)く説明を。

 嘘は言っていない。

 俺はそう思った、そう感じたというだけの話をそう答えているだけなのだから。

 意図的に言わなかったことがあっても、それを嘘とは言わない。

 ただ話すにつれて、隣からの視線が痛くなっていっているという問題があるが。

 そちらは後で買収す(お菓子をあげ)れば問題ないか。

 

 話し終わった時、ギルドマスター・・・いい加減面倒だな、ギルマスで、ギルマスは黙って長考を始めてしまった。

 発見した報告ならわかるが、倒している今何か問題があるのだろうか?

 この件に関して俺が気になるのは、保険が効いてくれるかだけだが・・・。

 ・・・・あ、もしかして、実質俺が倒したって事がばれてる?

 それで恐怖の代名詞とも言うべき、血狂いを倒した俺を恐れて下ではあんな反応に?

 不味いな。

 そうだとしたら、保険が効かない可能性がある。

 いや、前回一応とはいえギルマスが認めていたから、見込みがまったくないとはいえないか。

 例え周知の事実だとしても、公には違うことになっていれば乗り切れるはずだ。

 俺の勘違いであってくれるのが一番だが、何か対策が必要かもしれない。


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