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01話

 平野と、その先の何処までも続く広大な森が見える。

 というか、それしか見えない。

 守衛と思しき人がいたわけだから、管理されているダンジョンだと思うのだが、街とかどころか道すらない。

 どういうことかと思って辺りを見渡すと、後ろに道が見えた。

 どうやら逆を向いていたらしい。

 出てそのままの方角だったのだが。

 よくよく見てみると、ダンジョンの出入り口は道の先と大体同じ方を向いていたが、それを壁で反対向きに逸らしているようだ。

 出入り口と道の先との間には、馬鹿でかい城壁が長々と続いているのだが、陥没部周辺と上った先の通路部分は城壁に飲み込まれてしまっている。

 察するに、スタンピード対策だろうか?

 道の先に街があるとして、まっすぐ街に向かわないように、出入り口で反対方向に誘導する。

 その上で、誘導した先と街との間に城壁を作っているのだろう、多分。

 という事で、この道を行けば街に着くのだろう。

 例え違っても行くしかないわけだが。

 道があるのにあえて道がない方に進むほど捻くれてはいない。


 数分ほど飛んでいると、また城壁が見えた。

 ただし、今度のはさっきのほどの規模ではない。

 あくまで比較すればの話だが。

 これも十分すぎるほどにでかい。

 これがスタンピード対策だとして、これが要るほどのスタンピードって地球のスタンピードより敵が強いなり規模がでかいなりするのだろうか。

 地球のスタンピードならここまでの規模の城壁は要らないと思うのだが。

 それくらいでかい城壁だった。

 ここで考えていても答えは出ない、先に進む事にする。


 更に数分ほど進むと街が見えてきた。

 想定よりもでかかった。

 2番目の城壁よりはでかい城壁で囲まれた区域を4つ持つ、しかし城などはない街だった。

 今まで辿ってきた道の先に門があるので様子を窺う。

 街の規模の割りに門が小さいような・・・。

 出入りしている人も少ない。

 裏口的なものなのだろうか?

 そう思って移動してみると、街の反対側に大きな門があった。

 人の出入りも活発だ。

 こっちが正門なのだろう。

 再度様子を窺う。

 ・・・・出るのは比較的簡単なようだが、入るのは結構手間なようだ。

 列を作って待っている人の内、荷車に乗っている人が大多数なのだが、荷車の中の確認とかで時間がかかっている。

 ただ馬じゃないのだ、引いているのが。

 トカゲだろうか? でかいけど。

 頭の高さが2m以上ある、二足歩行のトカゲっぽい生き物が引いているのだ。

 あれも後で調べてみよう。

 徒歩の人は身分証だろうを提示して、少し話をして荷物をさっと見せて終わりだ。

 稀に列に並ばずに殆ど素通りで門を抜ける馬車・・・馬車でいいか、馬車もある。

 家紋であろう紋章っぽいものを掲げているので、多分貴族だろう。

 正直、毎回この列に並ぶのは面倒だ。

 時間の無駄としか思えない。

 反対側に回り込めばいいのにとは思うが、何かしら制限があるのかもしれない。

 ともあれ、身分証を何とかしないと入れそうにない。

 何かしら設定を考えて、持っていないのが当然、でも入りたいのだという事に出来ないだろうか。

 異世界云々は当然ばらす気はない。

 であるなら、遠い異国からの旅人とかだろうか?

 苦しいか?

 悩みながらでは観察にならないので、辺りの地形を大雑把にでも見ておく事にする。

 さしあたってはこの道の先だな。


 再度空を飛んで、道の先を目指す。

 道の片側の森のそばに転々と柵で囲まれた小さな集落がある以外には森と平野、後は辿っている道しかない。

 パターンでいうと、モンスターがいるから壁などで区切られた土地じゃないと生活できなくて、人口が集中するのだろう。

 後はさっきの街もそうだったが、田畑にしろ集落にしろ、道の同じ側にしかない。

 こちら側の森は安全で、あちら側の森は危険という事なのだろうか?

 或いは井戸の関係とか?

 ともあれ、土地があるのに偏っているなら、何かしら理由があるのだろう。

 等々観察をしながら飛んでいると、道が二手に分かれた。

 片方は右に逸れる、今まで使っていたっぽい感じのする道。

 道行く人々はこっちを通っている。

 もう片方は、微妙に作り掛けっぽい感じがする道。

 文字らしきが書いてある標識?が置いてある。

 当然読めないが『鑑定』すると、『建造中につき通行止め』とある。

 新設中の短縮ルートか新たな街とを繋ぐ道か、どっちかって所だろう。

 少し考えて、新設ルートを進む事にした。

 空を飛んでいるから道が完成していなくても関係ないし、移動が目的ではなくあくまで周囲の探索が目的なので、この先がどうなっているのかを知るのもいいだろうと考えたからだ。


 そうしてしばらく飛んでいると、遥か前方で戦闘が行われているようであった。

 『烈風魔法』を使用しての広範囲探査に引っかかったのだが、障害物などもあり目視は出来ない。

 しかし、全力でやっていたわけではないのでそう遠くもない。

 少し急ぐことにする。

 すると見通しの悪い場所で、紋章を掲げた貴族の馬車っぽいものが3台とそれを護る護衛、そしてそれを取り囲む数十人の襲撃者の姿が見えた。

 異世界最初のイベントは、襲撃イベントのようである。


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