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18話

 階段を下って第2階層へ。

 地図にも2の文字、実にユーザーフレンドリーである。

 試しに第1階層を表示できないか試したら、ページをめくる様に切り替わり表示される。

 いなくても確認できるのか、便利だ。

 更に戻るように考えてみると地上が表示された。

 あ、これ地上も表示できたのか。

 基本黒で潰したようになっていて、多分自分が通った道沿いだけ表示されている。

 ダンジョン用にと思って取ったから、地上で使えるとか考えなかったな。

 良いことに気が付いた、これでもう道に迷うことはないな。

 ちょっと得をした気分になる。

 ページを戻り第2階層を表示させ、表示を確認する。

 今度も青い光点と赤い光点、階段の表示が出る。

 目標は第10階層だ、さくさく進もう。




 最初に見つけた敵はネズミだった。

 変わらないのか、と思ったが一応『鑑定』。

 能力が微妙に高くレベルが2になっているがただのラット。

 襲い掛かってきたところを首を落として倒す。

 その後、血を抜きビニール袋に入れて『無限収納』へ。

 どんどん奥に進むがネズミしか出てこない、レベルは今のところ1~3を確認した。

 ただ第1階層より群れている数が増えている。

 はっきり言って獲物が増えているだけだが。

 その内階段が見えてきたのでそのまま下る。




 現在第5階層、やっとネズミ以外が出てきた。

 ネコである。

 ただし一瞬豹か何かと思ったくらいでかかったが。

 俺の知ってるネコより2~3倍でかい。

 しかもネズミの群れにネコが一匹だけいて、一緒に襲い掛かってきたのである。

 何故にそのセットが一緒にいるんだよと思いながらも神速を発動させて首を落とす。

 首を落とす前に『鑑定』で見たネコは、種族キャット名無しである。レベルは5。

 今までの傾向からすると、階層の前後1レベルがいるようである。

 これも今まで通り血を抜いてビニール袋に入れる。

 ただしネコとネズミは別々に。

 売る時に別々の方がわかりやすいだろうと思ったからだ。

 しかしネズミだのネコだの、食べるには抵抗があるものばかりだな。

 その辺りもここが不人気な原因だろうか。

 



 あっさりボス部屋前に到達。

 ボス部屋もマップに表示されていた。

 本当にベリーイージーモードである。

 ここまでに結局ネズミとネコしか出なかった。

 第5階層からはネズミが減ってネコが増えたのと、階層相当にレベルが上がっていっただけである。

 どちらにしろレベルが低すぎて雑魚だったが。

 この調子だと、ボスはネコかネズミだろうなと思いつつボス部屋に入る。

 講習の時に聞いたボス部屋の仕様は、入り口と出口両方が開いていれば準備OKで閉まっていれば誰かが中で戦闘中。

 両方開いているからと駆け抜けようとしても、入った方の反対側には見えない壁があって通り抜けられないらしい。

 誰かが中に入って数秒ほどで両方の門が閉じ、ボスが沸く。

 倒すと入った側の反対側だけが開く。

 倒すまで出られないから、ボス部屋への挑戦は慎重に行うようにと重ねて注意されている。

 全員出て、ある程度時間が経つとまた両方開くのだとか。

 因みに、倒した後出ずに居座ると急激に衰弱するらしい。

 ボスの死体を残した場合も、ある程度時間が経つとダンジョンに吸収されるように消えるらしいから、生きていても吸収されようとしているのかもしれないとの事だった。

 つまり下の階層から徒歩で戻ることも可能だが、必ずボスを倒す必要があるということだ。

 後、ボスはボスだけあって強い上に逃げる場もないので、ボス部屋がある階層の敵を何体も同時に相手に出来るようになるまで挑戦しないように言われている。

 ネコかネズミかそれ以外かと考えながら入ると、前後で門が閉まる。

 少し待つと中央に靄が出てきて、何かを象る。

 靄は急速に今までのより随分大きなネコの姿になり、すぐさま襲い掛かってきた。

 それに対し神速を発動、ゆっくりになった世界の中、勝手に動く体に少し干渉し首を落とす。

 首を落とす前に『鑑定』すると種族ジャイアントキャット名無しレベル15だった。

 ボスだけあってでかいらしい。

 後レベルが高い。

 俺には誤差レベルだったが。

 ボスも血を抜き、ビニール袋に入れて『無限収納』にしまう。

 もう用はないのでさっさと部屋を出る。

 その先には広間があり、その中央には入り口にあったような魔方陣があった。

 あっさり第10階層突破である、当然であるが。

 魔方陣に乗り登録し、そのまま来た道を戻る。

 何故そんなことをするのか、偽装工作の為である。

 魔方陣で帰れば、最低でも魔方陣があるところまで進んだことがばれる。

 それを避けるためにわざわざ歩いて帰るのである。

 後もう一つ。

 今日狩った獲物は一度に全て買い取ってもらわず、何日も掛けて今日はこれだけ狩ったとリュックサックに入る程度に小分けして買い取ってもらうのだ。

 そうすることによって、どんどん下層に潜っている間を10層までしか潜っていないと偽装できるという寸法である。

 これは『無限収納』があるから可能な手段である。

 『無限収納』内は時間が経過しない。

 つまり、何日も前に狩った獲物と今狩った獲物の区別が付かないということである。

 今日の獲物がなくなる頃に、第10階層を突破した風を装い、以後は堂々と魔方陣を使用。

 俺はその頃にはもっと奥の階層に進んでいる予定だが、次は20階層までの獲物を小出ししながら買い取ってもらい、という風に周りと足並みを揃えて進捗状況を偽装するのである。

 ただ目立たないために。

 後ろ暗いことがある身であるし、俺の本来の力を知られれば、必ず世間の役に立てろだの何故今まで使わなかっただの騒がれるに決まっている。

 俺が最初から動いていれば、死ななかった命がたくさんあるとか言う奴が必ず出る。

 一民間人であるとかそんな言い訳は聞く耳持つわけもない。

 そして俺は完全に悪者である。

 まぁ、あながち間違ってはいないが。

 そうなると確信しているのに、明かすほどバカではない。

 積極的に隠すに決まっている。

 そんな訳で偽装工作である。

 さ、さっさと帰って直営店に売りに行こう。


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