1番
あらすじにも書いたように、最初から最後までウ○コネタ満載なので苦手な方は読まないことをお勧めします。間違っても何か口に入れながら読まないで下さい。
作者自身はSFだと思って書いてます。
♫ ヤツはウンコで空飛ぶぜ
空の彼方へ飛んでくぜ
クサイクサーイ
クサイクサーイ
地球の外までブッ飛ばせ
その時男は急いでいた。とても急いでいた。もの凄く急いでいた。そりゃあもう死に物狂いで急いでいた。
なぜなら、軽く3週間は溜め込んでしまっていた排泄物が、急激にある欲求を男にもたらしたからだ。それはもちろん、排泄の欲求である。何も好き好んでそうなったわけではない。ただ単に運動しようが便秘薬に頼ろうが、何をしても長きに渡って出なかった、それだけのことである。
営業の外回りで街中をひいこら歩き回っていると、それは急に訪れたのだ。男は焦った。近くに公衆トイレは見当たらない。いや、便利でお手軽なコンビニエンス・ストアがそこにあった。
男は急いで店内に飛び込むと、トイレを目指して走った。あまり早く走ると暴発して社会的に死にそうな事故を起こしかねなかったので、尻に力を込めつつもそれなりに早足で走った。トイレ前の通路を抜ける時、雑誌を立ち読みしていたちょっと強面のお兄さんにぶつかりそうになってしまい「テメェ危ねえじゃねえか!」と怒鳴られたが、そんなことを気にする余裕など男にはもはや無かった。
幸いにもトイレは空いており、男は内心で「助かった!!」と声に出さず叫びながら、中に入ると慌ててドアを閉め、持っていたカバンは棚に置き、下半身を曝け出して便器にしゃがみ込んだ、と同時にトイレの外まで響く豪快な音と共に、男の体内からは固形の、まあそのなんだ、黒いブツが大量に糞出、じゃない、噴出した。
ムカついていた強面のお兄さんは、ドアを蹴とばそうとしたところにその音を聞き、「………しゃあない、カン便したるわ」と呟いて頭を掻きつつ立ち読みに戻った。
一方男は久々の排泄に軽い痛みと体が軽くなっていく感覚を、音と臭いと共に味わっていた。さすがに3週間分も溜まり込んだ黒いブツはそう簡単には全てが出尽くしてはくれない。
10秒、20秒、30秒、音もブツの流れもまだまだ続いた。
1分を越えるころには、さすがにこれはおかしいと男は気がついた。トイレの近くにいた他の客、一番近い例の強面お兄さんも、まだ音が鳴り続けていたため雑誌からトイレへと視線を移していた。
「あんにゃろう随分溜まってたんじゃねえか」
強面は顔をしかめながら呟いた。トイレの異変に気がついたコンビニ店員も、ドアの前までやって来て声をかけようかどうしようかと迷っていた。自分だったらこんな音を出しながら排便中に話しかけるのも、話しかけれらるのもイヤだったからだ。
しかし音は止まらない。
今や店内にいる全ての客と店員がこの出来事に注意を向けていた。人々は口々に顔を見合わせて何事かと囁き合ったり、スマホで撮影しようとして、こんなのを撮っても何も楽しくないと思い直すものもいた。
まだ音は止まらない。
すでに5分は超えただろうか。一体いつまでウンとフン張っているのか、いい加減便器からは排便したブツが溢れ出してきそうな時間である。音だけではなく、臭いまでも店中を支配していた。新たにコンビニに入ってきた客も、この異様な雰囲気に気がつき他の便利なお店にするかと早々と店を出た。
そろそろ音は小さくなって来た。
さすがに店員も勇気を出して、鼻をつまみながらも声をかけることに決めた。
「あのうお客様、大丈夫ですか」
声掛けと一緒に、店員はドアをノックした。しかしノックの音は、中が空間で満たされた部屋であることを示すような音の響きはせず、中がみっちり詰まった鈍い音がした。
誰もが嫌な予感を覚えていた。
今では誰も喋ろうとせず、皆が鼻をつまみながらトイレを注視していた。
コンビニの店内はほとんど物音一つしなくなった。
強面お兄さんも、店員も、その他の客も皆固唾を飲んでトイレのドアを見つめていた。
その場に恐ろしいまでの静けさが広がっていた。
突如、爆音と共にトイレのドアが吹き飛んだ。そのドアの前にいた大勢の人々の体を直撃したそれは、片側には真っ黒なブツ、もう片方には元強面お兄さんや元店員や元その他の客だった赤いものをべったりと貼り付けて店内を破壊した。
トイレに篭っていた男はどうなったか。
彼は爆発の際、五体満足のままでトイレの天井を思いっきり突き破り上へ上へと急上昇を始めた。コンビニ店内の不ウンな観客たちと違い、男は体を飛び散らすことにはならなかったが、勢いを保ったままコンビニが入ったビルの複数の階層をその体は突き抜けていき、やがてビルの外に飛び出した。
街行く人々は、突然の爆発と上空から落ちてくる大量の排泄物にパニックを起こした。たちまち辺り一面、走って逃げ惑う人々で埋め尽くされた。
ある者は不ウンにも走る車の前に飛び出してしまい、さらにウンが悪い者は頭から黒いブツの塊を喰らい、ウンと息が詰まって絶命し、阿鼻叫喚の様相を呈していた。
そんな騒ぎの中、男の体は傷一つなく、黒いブツを撒き散らしながら空を飛び続け、やがてジェット機よりも、宇宙ステーションよりも高く、空の向こうへと飛び去っていった。
こうして彼は、人類史上初めて生身で大気圏脱出に成功したのである。
ホント汚いお話ですみませんm(__)m
1時間ごとに1話ずつ更新予定、全3話。