弟・おかえり帰ってくんな爆弾スイッチ持って(泣)
いきなり弟との間に深い潮が広がる。
う〜ん…。
複雑な心境だけど、やっぱ弟も男なのだ。
「ただいま…」
唯一の行く手を阻む。仁王立ちで。
「今日、君の友達がさあ、うちに来てたんだけどさあ」
唯一、顔を青くしている。ふはは、マジ滑稽。だけどね、私の方がその何万倍かは青ナスだったよ!!!!!
「なんで私の部屋に居たのかなあ?おかしいよねえ?」
「それは……」
あぁ……やばい、イライラする。
弟に当たる姉、情けないのはわかってる。
でも、なんで今日に限ってこいつはヒッキーやってねぇんだよ!
「夏明が!…姉ちゃんと二人きりで会いたいって言ったから…!」
……。
やはり目的はエロ漫画か。
「夏明に姉ちゃんのこと話したら、会いたいって言い出して!」
「ふぅん?透明人間くんがねぇ……」
「え、もしかして姉ちゃん……知ってんの?」
「ポルターガイストかと思ってもうちょっとで心肺停止しそうだったわ!!」
そんな風に吠える姉はそっちのけで、唯一は胸を撫で下ろした。
「良かったぁ…!やっぱ姉ちゃんなら、大丈夫だと思った」
ニコッと唯一がはにかんだ。え、なんか不意打ち萌え。
てか、弟が笑顔を見せるとか、レア過ぎるぞ。
やや⁈なんか流されてないか私!!
たかが弟の珍しくもあるがたかが弟の笑顔!!
私はそう!被害者だよ被害者!!
「何で透明人間なんかと…そもそも、どこで何をしてれば透明人間なんかと友達になれるわけ⁈ヒッキー!」
「だから、そのヒッキーって言うのやめてよ。僕はもうちゃんと学校にも行ってるし、友達だって……いるし。」
「お、おう!それはいい事だ!不良体質もすっかり治ったようだし!」
「姉ちゃん、なんか変」
ギクッ、
「そんな風に話題がふわふわしてる時は大抵、なんか隠してる」
おいおい……
「隠してるというより!私の私物をあさったんだ、あのヤローは!」
「なに…?姉ちゃんが照れてるなんて……」
バ、バレる……⁈
「あいつに……なんかされたの?」
…………んんん?
あれ、エロ漫画バレてない。
…そうか。そうだった。この家の人々は私除いて健全一家。
された、っていうのはつまり、ラブコメ展開のことですな。
おし、ここで一芝居打って、回避!!
「あぁ……んん、まあ、そんなところ、かな」
「ええ⁈エロいことされたの⁈⁈」
ーーーー我が弟よ。
君もやはりヒッキーは伊達じゃなかったようだな。
しかも、どストレート過ぎて逆にこっちが照れてるなんて、私案外まだピュアな方かもしれない。
「エロい……いや。そうじゃなくて」
いや、照れてるんじゃなくてだな、半ば放心状態。
正直、家族間でそういう類の話は一生したくなかったよ。(泣)
あぁ…なんも言えねぇってまさにこれだ。
本来私が考えていた透明人間ストーリーは、マンガで弟・唯一が主人公の話です(^^)
(まだマンガ自体には仕上がっていませんが^^;)
小説では、そのお姉ちゃんの話をやってみようかな、と。
ここまで読んでいただきありがとうございます(^O^)
次回も続けていきます!