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食いしん坊エルフ  作者: なっとうごはん
第二章 身魂融合 命を受け継ぐ者
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秘密にしておいてねっ!

リングから、下りて来たムセル達を見つける。

ムセル達も俺達を確認した様で、俺達に向けてガッツポーズを取っている。

すご~く、嬉しそうだった!


「おぉ…すっごい、男前だぞ! ムセル! イシヅカ! ツツオウ! …よく頑張った!」


先ずは三人に対して、平等に褒め…ムセルを抱っこする。

そして…


「よ~し、よしよしよしよしよしよしよし!!」


めっちゃ、褒めまくった。

頭撫でまくりの、頬ずりしまくりである。

ムセルの頭は曲線なので、撫でやすくて良い。

横のアンテナ部分は、気を付けないと駄目だが…


「シシオウ…いきなり寝た時は、如何なるかと思ったぞ?」


「にゃ~ん」


ライオットも、ツツオウを手の平に乗せて、指で頭を撫でて上げていた。

嬉しそうに、目を細めるツツオウ。

頭に生えた草も、嬉しそうにピコピコ揺れていた。


こうして見ると…やっぱり、ツツオウちっさいな!?

これは最早『手乗りにゃんこ』だな…(10cm)


「んふふ…良くやったね、イシヅカ。この調子で、次の試合も頼むよ?」


プルルの言葉に、しっかりと頷くイシヅカ。

…その恰好に、違和感が無くなっている事に気付いた。

その赤褌姿…一時は、如何なるかと思ったが問題無かったぜ!


…と言うか、その銅鑼何処から出したんだ?

そんな疑問を抱いて、イシヅカを見ていると…


ズボッ!


「あえぇぇぇぇぇぇぇっ!? 赤褌に…しまったぁぁぁぁっ!?」


その時、信じられない光景を目のあたりにした。

手に持った銅鑼を、履いている赤褌に突っ込んだのである。

普通そんな事しようものなら、褌から銅鑼がはみ出て情けない格好になるのだが…

イシヅカの赤褌から、銅鑼がはみ出る事は無かった。


「ど…如何言う事だ?」


俺はイシヅカの、赤褌を引っ張って中を覗いたが…何も無かった。

イシヅカが「いやんいやん」と、体をくねらせている。


「エル…イシヅカが、嫌がってるぞ?」


「あ…あぁ、ごめんな? イシヅカ」


俺はイシヅカの赤褌を、きちんと締めてあげた。

…しかし、アレはいったい?


「んふふ…たぶん、フリースペースが使えるんだろうね」


コクコクと、頷くイシヅカ。


あー!? そうか! それなら、はみ出る事が無いよな!

…これは盲点だった!

でも、何故に赤褌にしまったんだ…イシヅカ。

そのまま、フリースペースを出せば良いのに…

これでは『四次元赤褌』ではないか!?(白目)


「凄いなぁ、イシヅカ」


「にゃーん」


ライオットとツツオウが感心している。

プルルもイシヅカの、意外なスキルを発見してご満悦だった。


「でも…ホビーゴーレムって、日常魔法使えるのか?」


俺の疑問にプルルは…


「使え無いねぇ…如何して、使える様になったのかねぇ?」


ツンツンとイシヅカの頭を、指でつつくプルル。

イシヅカは、されるがままだ。

構って貰えて、嬉しいのだろう…


「ん~、案外…エルの祝福で、おかしくなったのかもな?」


ライオットが、とんでもない事を言った。

おもぇ…俺が久々に、聖女らしい事をした結果をおかしいとか…

ゆ~る~さ~ん~ぞ~!


「ライオット…後で屋上な?」


「屋上で何するんだよ?」と聞いて来たので「爆死してもらう」と返してやる。


「申し訳ございませんでした」


ケツプリ土下座で、俺に謝るライオット。

そんなに嫌か…俺のファイアーボール。

…これは使えるな!(暗黒微笑)


腹を抱えて笑うプルル。

いや、本当に良く笑う様になったなプルル。

俺も釣られて笑った。


「お見事でした、『モモガーディアンズ』の皆さん」


「えっと…ミカエルだっけ?」


うろ覚えだったが…あってるかな?

顔と名前が、一致しないぜ…


「はい!」と、超笑顔で返事する。

すっげー良い笑顔! そんなに嬉しいのか…?


「まさか…聖女様に、自分の名を覚えて頂くとは! …感激の極みです!!」


「はぇ?」


あるぇ? 俺「自分が聖女です」とか言ったけか?

…言って無い筈。うん、言って無いよ? 本当だよ!?


よし…ココは俺の、迫真の演技で誤魔化そう。


「お、おおおおお俺が、何時…聖女なんですかねぇ?」


「エル…どもり過ぎだ」


「あれで、バレて無いって思ってたのかい? 食いしん坊?」


「ほら」と、指さした先には…『ホーリー』のゴーレム達が跪いていた。

また君達か…慰めて欲しいのかね?


よしよし、と頭を撫でて上げる。

…また、ほんのりと光っているなぁ。

ん…んん~?


「…まさか、これか!?」


「「それだよ!」」


ばっ! と、ライオットとプルルに振り向く俺。

其処には、苦笑した二人の姿が…


おぅ…しっと! まさかこんな事で、バレてしまうとは思わなんだ!

だが、バレちまったもんは仕方無ぇ!


「ごほん! ミカエルきゅん!」…かんだ。


「は、はい!」


ミカエルは気にして無い様子だった。

良し…このまま、ゴリ押そう。


「私が、聖女だと言う事は…秘密にしておいてねっ!」


人差し指をピンと立てて…慣れない女言葉で、釘を刺して置く。

…俺、きめぇ。そして、恥ずかしい。


「「「はいっ!」」」


びしぃっ! と、姿勢を正し返事をするチーム『ホーリー』の三人。

…効果は抜群だった!


これで俺が、訳有りっぽく見える事だろう。

くくく…俺って策士ね! きもい女言葉を、使った甲斐があったってもんよ!


「ミカエル達のゴーレムも、強かったなぁ…

 良い戦いだった! ナイスふぁいとっ!!」


「ありがとうございます! アーク達も喜んでおります」


「良かったな、エイン…聖女様にお褒め頂いたぞ?」


「ジュエルも、頑張ったもんな~?」


喜ぶミカエル達とゴーレム。

うむ! 良きかな良きかな!


俺は話題を、試合の内容に切り替えた。

ライオットとプルルも、会話に入って来る。

しばしの間…互いの健闘を褒め称え合った。


「エルちゃーん!」


振り向くと、リンダ達がこちらに向かって来ていた。


「では、僕達はこれで…聖女様に御武運が有ります様に」


「うん…またな!」


如何やら、気を遣わせてしまった様だ。

立ち去るミカエル達に、手を振って見送る。


「さっきのカッコいい人、相手チームの?」


「あぁ、ミカエルだ。中々、話の分かる良い奴だ」


じ~…と、去って行くミカエルを見つめるリンダ。


「…要注意人物ね」


俺は、ボソッと言ったリンダの言葉を聞いてしまった。

だって、聞こえちゃうんだよ…このお耳は。

高性能過ぎぃ! そして、リンダこえぇぇぇぇっ!?


見ると言うよりは、睨み付けると言った感じの…

デンジャーフェイスなリンダを他所に、ダナン達が声をかけて来た。


「よぉう! やったなっ!! 一回戦突破おめでとう!」


「おうっ! ありがとう!」


「わはは!」と、笑いながら腕を組み合う俺とダナン。


「てぇしたもんだなぁ? ホビーゴーレムってもんは?

 こんなに、ちっこいのに…良く出来てるぜ?」


ガンズロックがムセルを持って、ジックリと観察していた。

ガンズロックは、ゴーレムマスターズやってないのかな?


「ガンちゃんは、ホビーゴーレム持って無いのか?」


「あぁ…持ってねぇな。興味はあったが…鍛冶の訓練で忙しくてな」


「そ~なのか~」と、残念がる俺。

ガンズロックがゴーレムマスターズやったら…どえらい物が出来そうだったのになぁ。

…残念!


「エル…おめでとう。試合…見てたよ」


「ありがとな! ヒーちゃん!!」


人目も憚らないで、抱擁し合う俺とヒュリティア。

おぉう、この肌の感触…いいぞ~これ!(恍惚)


さて…まだまだ、抱擁し合いたいが此処では邪魔になるな!

続きは、選手控室にて行うのだ!


どやどやと、皆を引き連れて控室に向かう俺達であった。

野良ビースト達も付いて来たので、とんでもない集団になったのは秘密だ!

誤字 一目憚らないで  を

   人目も憚らないで に訂正。

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