決勝で会おう!
◆◆◆
チーム『ホーリー』と別れ、トーナメントの組み合わせを見に来た俺。
さっきは、いきなりゴーレム達に跪かれて、ほんの僅か…ビビったぜ!
それに何故か…俺の魔力と波長が合うって言うのか?
…分からんが、そう言う物を感じた。
何なんだろう? あのゴーレム達は?
ま…いっか!
俺の脳味噌じゃ理解出来ん事が…多すぎる!
…その内、修正しておこう。(要勉強)
それよりも、チームの組み合わせだ!
俺達『モモガーディアンズ』は1番! 『ホーリー』は2番だ!
「ん~と…3番は…? あぁ、黒いお姉さん達か」
3番は『ブラックスターズ』勝敗によっては、対戦する事になるだろう。
『ホーリー』に勝てたら、試合を見て研究するのも良いかもしれない。
プルルが、対策を立ててるかもしれんが…
4番は…げげぇ!? チーム『イレギュラー』だ!
もしかしなくても…勝ち上がってきそう。(予知夢)
俺は心の中で、お姉さんズに合掌した。
「あちゃぁ…『イレギュラー』が初戦とは、付いてないなぁ」
「何、怖気ついてるのさ? 勝って弾みをつけるよ、ナッシュ!」
「そうそう! アタイ等のゴーレム達の連携には、付いて来れないって!」
流石…大会常連なだけあって、メンタル強いなぁ。
俺も見習おう。
絹豆腐レベルから、せめて木綿豆腐くらいには…
良し! 今晩は、湯豆腐だな!
あ~…日本酒飲みてぇ~
ポン酢醤油を付けた、アツアツの豆腐を口に入れて…はふはふと飲み込んだら
冷えた日本酒を、キュッとやる。…たまらんなぁ!?
…あれ? 何で湯豆腐に至ったんだろう? 分からん…
でも、湯豆腐は美味しいから…良しとしよう! そうしよう!
俺は気を取り直して、対戦の組み合わせを見た。
「え~と…5番は『ゼンバネンス帝国』か」
確か、ゴーレムのランクが全てCだったな。
良く本戦に、出場できたな?
対戦相手に恵まれたのかな?
そして6番がチーム『エンペラーズ』か…
あそこのゴーレム、戦車だしなぁ…
攻撃されたら、爆発四散しちゃうんじゃなかろうか? こわひ。
で、7番がチーム『あにまるず』か…
選手もゴーレムも野獣と言う、ある意味統一されているチームだ。
…くさそう(激烈失礼)
「8番がチーム『アークジオ』…遠い」
決勝まで残んないと、戦え無いじゃないですか~!? やだ~!
ちくせう、これはもう…優勝するしかないフラグですね分かります。
「ふ…見事に分かれたね?」
「シア」
後ろを振り返ると、シア・スイセンが立っていた。
彼女も対戦の組み合わせを、見に来たようだ。
「君達との対戦は決勝になるな…」
「おう! 雌雄を決するのに、これ以上の舞台は無いぜ!
先に決勝で待ってるぞ!」
グッと、拳をシア・スイセンに突き付ける。
「あぁ、必ず私達も決勝まで勝ち進むさ…待って居てくれ」
シアも拳を作り、俺の拳に合わせる。
そして…俺達はニヤリと笑い、それぞれの仲間が待つ元へと去って行った。
ふぉぉぉぉっ! 燃えて来たぜ! 絶対に勝つぞ! くぅのぉやるるぉっ!!
俺の闘魂は、猛りに猛っていた…!!
選手控室に向かう途中、何処かで聞いた声が聞こえた。
んん…? 何処だ? 俺は集中して、声を拾う。
大きな耳もフル活用だ。…ぴこぴこ。
「エルちゃ~ん!」
会場の騒めきに混じって、聞こえた声の主は…リンダか?
声が聞こえた方を見ると…居た。
って言うか、他にもクラスメイトが大勢いた。
俺はリンダ達の元へ向かう。
「おいぃぃぃ!? お前等、如何して此処に居るんんだ? おはよう!」
「おはよう! マフティ君にエルちゃん達が、グランドゴーレムマスターズ本戦に
出場するって聞いたから…クラスの子に連絡入れたのっ!」
満面の笑みで、俺に抱き付いて来るリンダ。
「あぁ~…可愛いよぉエルちゃん。お持ち帰りしたい、くんかくんか…」
「ちょあ~!」
安心と信頼の、斜め45度チョップだ! 効果は抜群だ!
「ほげぇ!?」
…女の子が出して良い、悲鳴じゃないぞ?(呆れ)
「はぁはぁ…なんて魔性の可愛さ。抗う事を…投げ捨ててしまったよぉ!」
「投げ捨てるなし」
むぅ…段々と症状が悪化してるなリンダ。
こんな子だったのか…これ以上悪化しない事を祈ろう。
「まったく…ちったぁ、自重しやがれ」
苦笑するガンズロックとフォクベルト。
「エル…本戦出場おめでとう」
「ありがとな! ヒーちゃん!」
ヒュリティアも来てくれていた。
あぁ…今日も、ふつくしぃ! 艶のある銀髪と褐色の肌!
リンダの件が無ければ、俺がヒュリティアに同じ事をやらかしてたかも知れんな。
気を付けよう…
「ははは…よぉ、食いしん坊! 相変わらずモテモテだな?」
「おっす! マフティと、てっちゃ!
お? ゴードンとわらら、ブルトンにダイブルトンも元気そうだな!」
肩にてっちゃを乗せた、マフティが挨拶をしてきた。
ゴードン達も揃って、観戦に来てくれていた。
…お? 今日はてっちゃ、水色のワンピースを着てるな?
「へへ…どうよ? 裁縫上達したろ?」
「見事な裁縫だと感心するが…まだ、上達の余地があるな」
ちょっと、縫い付けが甘い所があるが…ふむ、及第点を上げれるな!
「うお、厳しいな?」
「その内、手解きをしてやろう。
俺の裁縫は、ちょうぱわー! 靴下の穴など瞬殺出来る程だ!」
「確かに…エルちゃん、お裁縫上手だよねぇ?
教室で良く、靴下直してるもんね!」
ふふ…伊達に、独身中年やっていなかったぜ!
裁縫が出来る出来ないで、出費がまるで違うのだよ!?
これは、一人暮らしなら出来る様になっていた方が良いぞ~?
やり過ぎて、クマちゃんのぬいぐるみを完成させた程だ!
…部屋に残して来たクマちゃん。どうなってるかな…?(未練)
「しっかし、良く本戦に出れたな…俺達、一勝も出来なかったぞ?」
「あれは、ダナンがゴーレムに…武器乗せ過ぎたのが原因だろ?」
「そうだよぉ、ごーれむかわいそうだったよぉ!」
「武器のドカ盛りはロマンだろ!?」と、言うダナンに…呆れるリック。
それに、たぬ子か…珍しい組み合わせだな?
「ダナン達も予選に来てたのか?」
「まぁな! 直ぐ負けて帰ったけど…」
「でも、すっごくたのしかったよぉ!」
「若干、楽しめない奴がいたがな」
「ぎぎぎ…」と悔しがるダナン。…何があったんだろう?
ダナン達もゴーレムを持って来ていたので見せて貰う事にした。
「コイツが俺の相棒『ハンジョウ』さ!」
ダナンが目せてくれたのは、人型のブロンズゴーレムだった。
色は、そのまま銅の色が生かされているので、非常に綺麗だ。ぴっかぴか!
変わっているのが足で、逆関節になっているようだ。
「ジャンプが得意なゴーレムなのに、武器積ませまくったせいで
動けないまま、武器に押しつぶされちまってな…
最初っから二対三じゃ、勝ち目ね~よ」
リックが呆れて愚痴をこぼす。
「…自滅だったのか」(呆れ)
ロマンは分かるが…限度があるだろ?
俺は必殺の『憐れんだ目』を、ダナンに浴びせた。
更に…じと目で、威力は危険な領域に突入する!
「俺を…そんな、憐れんだ目で見ないでくれぇ!!」(白目)
ビクンビクンと、痙攣して倒れ込むダナン。
痙攣しているダナンの元に駆け寄り、背中を擦ってあげている健気なハンジョウ。
ダナンには過ぎたゴーレムだ…
手の掛かる、ご主人に当たっちまったな? ハンジョウ。
リックが見せてくれたのは…スケールゴーレムと言う、珍しいゴーレムだった。
要は鱗の生えたゴーレムだ。姿は、緑色のニワトリっぽい…奴だった。
「クックも、頑張ったんだがなぁ…」
クックと呼んだゴーレムの頭を撫でてやるリック。
目を瞑って、気持ち良さそうにしているクック。
仲が良くて何よりだぁ…
「ぽんぽも、がんばったもんね?」
プリエナが話しかけたゴーレムは…ゴーレム?
ぬいぐるみじゃないのか?
「それもゴーレムなのか?」
「ごーれむだよ? こっとんごーれむ!
ふわふわで、かわいいでしょ!?」
うむ…たぬ子が狸のゴーレムを愛でる。…親子か!?
実際、ぽんぽは…ふわふわして、抱き心地が良さそうだった。
「色んなゴーレムが居るんだなぁ…奥が深いぜ」
「そうだな、だから…大人も楽しめるんだろうな」
そうだな、対戦した人も子供から大人と幅広かった。
今思うと凄い事だな? しかも皆、本気で対戦している。
これは、良いホビーだぁ…
「へへ…エル! 出るからには優勝だぜ!?」
「任せておけダナン! 俺達が優勝だぜ!!」
がしっ! と腕を組み合い、優勝を誓う。
皆に見送られて、ライオットとプルルの元に向かった。
脱字 縫い付けが甘い所がるが を
縫い付けが甘い所があるが に修正
修正 ポンス醤油を、ポン酢醤油に