表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
食いしん坊エルフ  作者: なっとうごはん
第二章 身魂融合 命を受け継ぐ者
87/800

聖女とチーム『ホーリー』

ふふふ…今、俺は最高にカッコいいぜ!


大勢の観客達に、見守られながら…堂々と歩く俺!

この為に、コッソリ練習した甲斐があった…ってもんだ!


今は普段着と違い、少し動きにくいドレスだが…何とも無いぜ!

…そう、思った時期がありました。


ガツッ!


俺は何かに、つまずいた!


な…何ぃぃぃぃぃぃっ!? この、エルティナがっ! 練習に練習を重ねた!

この、エルティナが…転ぶだとぉ!?

ならぬ! 断じてならぬ! 堪えろ、我ボディよ!!


…ダメみたいですね!


「あんっ!」


俺は転んでしまった!


「ひゃっ!? ちょ…ちょっと! きゃん!?」


更にプルルも、俺につまずいて転倒。


「ん? 何の悲鳴…あいた!?」


よそ見して、歩いていたライオットも仲良く転倒した。

残念! チームは全滅してしまった!


『あぁ~と! 「モモガーディアンズ」仲良く転倒してしまった!

 大丈夫でしょうか!? …大丈夫みたいですね!

 ライオット選手が、ラッキースケベだった模様です。』


「彼は、主人公体質なのでしょう。

 注意深く、観察する必要がありますね』


会場は、笑いに包まれた!

こら、ゴーレムマスターズ以外に実況解説するな!


尚…ライオットは顔を、プルルのお尻にぶつけていた。

ふぅ…まだ子供だから良い物を。

少し、成長してたら責任問題だぞ!


…まぁ、原因は俺なんだが。(暗黒微笑)


「わ…わりぃ! 大丈夫か?」


「う…うん。僕は大丈夫だよ…」


顔を赤くしている、ライオットとプルル。

ほぅ…これは、意外と…? 俺はニヤリと笑った。


「ほら、行こうぜ!? エル!」


とと! こんな事している場合じゃなかった!

気を取り直して…ユクゾッ!


「おう! いくぞ!」


俺達は再び歩き出した…ひざ小僧が痛かったので、こっそりヒールを施したのは内緒だ!


◆◆◆


特設リングに、集った八チーム。

これから、くじ引きによる抽選が始まろうとしていた。


『それでは、くじ引きにて…対戦相手を決めます!』


『これは重要ですよ? 対戦相手の相性が良ければ、決勝まで被害を軽減できますからね』


…しらん! どんな相手だろうと、ムセル達が勝つに決まっている!

むしろ…初戦でエスザクと当たれぃ!


俺はトコトコ…と、くじ引きを引きに行った。


「…たかい」


くじ引きの箱は、高い所にあった。届かぬぇ…


「ははは…お嬢ちゃんじゃ、届かないか…ほら!」


と、俺を持ち上げてくれる…確かガイナってお姉さんだ。

…ふぉぉぉぉ!? おっぱいが後頭部に当たっている!

ふかふかだぁ…(恍惚)


俺は、心地良い柔らかさを堪能しながら…くじを引いた。


「…いちばーん!」


見たか! 最早「優勝したまえ!」 と、言わんばかりの数字ではないか!


『如何やら、「モモガーディアンズ」1番を引き当てた模様!』


『何やら、凄く喜んでいますね? 見ていて微笑ましいです』


ガイナお姉さんに、抱っこされたまま喜ぶ俺。

…もう、重いでしょ? 下ろしても良いのよ?


「…ナッシュ、貴女引いて」


「ガイナ…独り占めする気?」


…嫌な予感がした。

これは、間違い無く『抱き枕』フラグ!!


結局、ガイナお姉さんは渋々…俺を手放した。

俺はすかさず、逃走しようと試みるが…


「我々からは…逃げられない!」


な…なにぃ!? 取り囲まれただと!?

これが…じぇっとすとりんむ攻撃と言う物か!?


「…おおい」


多かった。

ナッシュお姉さんと、オルテナお姉さんだけかと思ったら…

カスミってお姉さんも、パフティーって人も…

こらこら! シア! 一応ライバルっって関係だろ!?


「…すまない、我慢できなかった」


キュッと、抱き付くシア。何だかなぁ…

そう言う俺も、されるがまま…だったのだが。

抵抗しても、敵わないしね!!


『抽選とは別に、エルティナ選手の抱っこ権を奪い合っている様です!』


『あの、ほっぺは重要ですよ! 私も「ふにふに」したいです!』


おもえ等…


てな事があったが、滞り無く抽選は終わる。

我れ等が『モモガーディアンズ』は1番…対戦相手の2番は…『ホーリー』だ!

プルルが気になっていたゴーレムを所有しているチームだな!


「やぁ、君達が対戦相手の『モモガーディアンズ』だね?」


そう声をかけて来たのは、対戦相手の『ホーリー』の選手ミカエルだ。


「初めまして僕は、ミカエル・ムウ・ラーフォンと申します」


「同じく、メルト・ラオ・フォースンだ」


「サンフォ・スウ・クランです」


と、優雅とも取れるお辞儀付きで自己紹介をして来る三人。

見事な紹介だと感心するが…何処もおかしくは無い!


「俺はエルティナ! こっちがプルルで、そっちの大きいのがライオットだ」


「んふふ…ヨロシク」


「お? 対戦相手か! よろしくな! 手加減無だぜ!?」


「勿論!」と言ってライオットとミカエルは熱い握手を交わす。

やっぱり男は、こうでなくては…な!!


「ふふ…僕達のゴーレムは聖女の神殿にて、祝福を受けたゴーレムです。

 果たして、この子達に勝つ事が出来ますかね? …楽しみです」


俺達の前に現れた、三体のゴーレム。

が…俺の前に来て跪いた。


「………」「………」「………」


「………ふぁ?」


え? これって、俺が聖女だって認識しちゃってる?

どどど…如何したら、良いんでしょうかねぇ?

仕方無い、この子達は純粋な気持ちでやってる訳だし…

ちょこっと、撫でてやれば良いか。


俺は跪いている、三体のゴーレムの頭を撫でてあげた。

すると、ほんのりと輝くゴーレム達。

…嬉しかったのかな?


「こ…これは!?」


「じゃ、試合で合おう! サラダバー!」


俺達は颯爽と去って行った。

振りをして、対戦組み合わせを見に行った。


◆◆◆


チーム『モモガーディアンズ』僕達の初戦の相手。

正直、負ける要素が全く無い。

聖女の神殿の祝福を受けた、ホーリーゴーレム達。

あらゆる敵を退ける…聖なる戦士達だ。


「まぁ、取り敢えず…顔見せしとこうか?」


「そうだな、教えにある通り礼を尽くさねばな…ミカエル」


相変わらず固いな? メルト。

そこが良い所であり、悪い所…なのだが。


「あのエルティナって娘、可愛いよね?」


サンフォは、少し軟派過ぎるか。

でも、冷静に状況を判断出来るので、ワザとやっている節がある。

まったく、僕の友人達は癖のある奴ばかりだ。


「良し、挨拶に行こうか?」


こうして、僕達は『モモガーディアンズ』に、挨拶をする為…移動を始めた。

彼女等は…直ぐに見つかった。

エルティナと呼ばれた少女は、白エルフだ。


透き通るような白い肌に、大きく長い耳。

美しいプラチナブロンドの長い髪は、それだけで芸術品であるかの様だ。

小さいのに、兎に角…良く目立つ。


容姿も大人しくしていれば、儚げで可憐な美少女である。

ただ…性格は明るくて元気の塊の様な少女に見えた。

凄まじいギャップだ。


彼女の元に歩み寄り、挨拶を交わした。

それからは、各々の自己紹介がされ…ゴーレムを紹介する事になった。


…が、アーク達は驚くべき行動をした。

エルティナの前に並び…跪いたのだ。


アーク!?


思わず、口に出そうになったが思い止まった。

何も意味無く、こんな事をするアーク達じゃない!

これは…まさか!?


僕はエルティナを見た。

優しく微笑み、アーク達の頭を撫でている。

すると如何だ!? ほんのりと…ゴーレム達が輝いているではないか!!


しゅ…祝福、聖女の祝福か!?


思わず、口に出しそうになるのを堪える。


「こ…これは!?」


「じゃ、試合で合おう! サラダバー!」


と言って、そそくさと去って行くエルティナ。…いや、エルティナ様。


「…いらっしゃったぞ?」


「ああ…俺も、奇跡を目のあたりにした」


「あの子が聖女様か…ふふ、やる気出ちゃうなぁ!」


だが、これは神聖な試合だ。

手は抜かない、多分…聖女様もそのつもりだろう。

ならば、一切の手も抜かず戦うのみ。


「アーク! 分かっているな!?」


頷く、三体のゴーレム。

以前とは、比べ物にならない程…力が溢れている。


「我ら『ホーリー』全力で戦わせていただきます!」


僕達は、聖女エルティナに、そう誓った…

誤字 ゴーレムマスターズ意外に実況解説するな を

   ゴーレムマスターズ以外に実況解説するな に訂正。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ