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食いしん坊エルフ  作者: なっとうごはん
序章 森の中の全裸幼女
8/800

8食目 二代目

ひゃっほう! 我輩はエルフッ!

名前は、エルティナ・ランフォーリ・エティル!!

名前が付いたよ! やったねエルちゃんっ!


……と、現在……魔法で穴を開けている全裸幼女の俺。

名前と魔法が使えるようになったけど、いまだに全裸だぜっ!?


そんなわけで、テンション増し増しで、墓穴を掘っている最中である。


ついでに、魔法の練習も兼ねている。

継承した魔法は、全て下級魔法であったが、なんと全属性の魔法が揃っていた。

勿論、知識も受け継いでいるので使える。


「ふおぉ……魔法やべぇ、マジやべぇ!」


現在使ってる魔法は土属性魔法『アースブレイク』と、いう魔法で

効果は地面を砕くというものだ。

練度が上がると砕くのでなく砂にできるらしい。


そして砕いた地面を重力魔法『ゼログラビティ』で軽くし

風属性魔法『ムーブメント』で移動させる。


『ゼログラビティ』は、物の重力を軽くする魔法。

『ムーブメント』は、風の力で物を動かす魔法。


いずれも戦闘用の魔法では無く、日常で使うものだそうだ。

俺の持っている魔法の中で、戦闘用の魔法は一つだけだ。


火属性魔法『ファイアーボール』だ。

言わずもがな、有名魔法である。

効果も相手に火球をぶつけて爆発させる……だ。

おお、怖い怖い。


やがて穴を掘り終えた俺は、亡骸達を穴に収め上に土を被せていく。

もちろん魔法でだ。意外と俺魔法のセンスあるかも!?

と、考えてたが何てことはない。俺エルフじゃん?

適性があって当然の種族で何浮かれてんだ?


それに気付いたら、恥ずかしくなって頭を抱えてしゃがみ込んだ。

たぶん……俺の耳は、恥ずかしさのあまり真っ赤っかだろう。しょぼーん。


そんなこんなで、墓を作り終えた頃にはとっぷりと日が沈んでいた。

俺は薪に火属性魔法『ファイア』をかける。

名前だけなら攻撃魔法っぽいが、生み出せるのはマッチ程度のしょぼい火だ。

コレも日常魔法。初代は日常魔法が得意だったようだ。


今日は朝早く、近くの森に足を運び、採集と狩りをしたのだ!

冒険者としての知識を継承した俺は、それを利用し

見事、鶏っぽいのを仕留めた。


ふふふ……締め方や血抜きもバッチリだぜ。


「塩があれば……良かったんだがなあ」


現在、鶏のモモを火の近くで、ジュージューと炙っている最中である。

香ばしい匂いが、俺の鼻腔をくすぐる。

肉から滴る油が、火に落ちる度に俺の腹は『ぐぅ』……と、鳴き。

その煙は、肉に香ばしさを与える。


「焼けたかな……?」


俺は肉を手にし一口。

柔らかな肉の感触。あふれる肉汁。

ネットリとしたそれは、官能的なまでの旨みを舌に与えた。


「じょ~ずに焼けました~~~~~~!!」


俺は雄叫びをあげた。

やっとまともな食事である。桃だけの食事ともオサラバである。

まあ、今も片手に桃もって噛じってるんだが。

さっぱりしてるから、肉との相性バッチリだぜ!


やがて焼いた肉を食べ終えると、焼いてない肉がかなり残った。

だが問題ない。初代は生活魔法の達人だ。


空間魔法『フリースペース』。要は四次元ポケットである。

食べ物は腐らないし、ある程度の量も突っ込んで置ける。

これも練度が上がれば、収納量も増えるということだ。


残った肉を魔法で出した『フリースペース』に突っ込む。

まぁ……見た目は黒い穴だ。

それに手を突っ込んでしまったり、出したりするんだそうな。


……ん?

そういえば『フリースペース』も継承したものだが……

初代の物も、そのまま残ってるのか?

気になったので『フリースペース』から物を全部出してみる。


「おおう……こ……これはっ!?」


黒い紐パンが出てきた! 迷わず俺は顔に、それを装備した!


「ふおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」


……力が漲った気がした。

まあ、これを使うのは……もっと成長してからだろう。うん。そうだろう。


お次は……きたっ! 調味料きたっ! これで勝るっ!!


やっぱり持ってた調味料の数々! 

さすが初代! そこに痺れる! あぁこがぁれるぅぅぅっ!


塩に砂糖、蜂蜜……うほっ胡椒まで!? 相当グルメだったようだ。

メジャーな調味料に加え、魚醤等もあった。 流石に味噌や醤油はないか?

ってあるし!? すげぇ! マジパネェ!!


「……勝ったな」


これだけあれば、最早……人生勝利したも同然だ。

貯蓄量も、かなりのものだ、一人では到底使い切れない量である。

と言うか……どんだけ『フリースペース』の練度を上げてんだよ初代様。


他には、調理器具一式に、見事な包丁。

包丁は見事な文様と飾りが付いており、かなり価値が高いものと推測できる。

継承した記憶を調べればわかるが、見る度に嫌な記憶も見るはめになる。

できる限り、見ないようにしてるのだ。胸糞悪いからな!


あとは……お? こ……これはっ!?

小さなローブと杖……そして服だぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!


「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉん!!」


やったぞっ! 遂に、裸族を引退できるぞっ!!


嬉しさのあまり、俺は何度目かになる、雄たけびを上げた。

早速、装備してみよう。下着は、流石になかった。


子供用のはな! 大人用のはあったよ!!

初代スタイル良いから、結構エロいの揃ってたよ!

うひひ! おう、エロい、エロい!!


さて……現在、俺は緑色のローブに、ピンク色の服に杖という姿だ。


おいぃ……子ども服まで、肌色面積多めとかドウナッテンダ……?

ピンクの服は胸から上がなく、下もミニスカートであった。

ベルトで固定しないとストンと落ちる。ローブがなかったら危なかったぜ……


ミニスカートの下には当然下着など無く

風で捲れたら女の子の部分が、コンニチハしてしまうからな!

まあ、全裸で駆け回ってたから、今更なわけなのだが……


だが! これで気兼ねなしに、町や村に行けるっ!

俺は期待に……ない胸を膨らませ、眠りに就くことにした。

ぐーごーがー。ふにゅふにゅ……ふきゅん。


次の朝、墓の前に立ち、初代に旅立つことを告げ……村を後にした。


ふふふ……待っていろ! 未知なる食材共よ!

魔法を身に付けた俺は、野望に一歩近付いたことを、実感しつつ町を目指す。

状況がどう変化しようと、俺の目的は、美味しいご飯を食べることである。


「目指せ、世界食べ歩き!」


これが俺の野望である。

ちなみに初代も、この野望に近い目的で、冒険者になっていたようだ。

今日はとってもいい天気だ。旅立ちにふさわしい。

俺は元気に町を目指し、歩き始めたのだった。

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― 新着の感想 ―
[一言] 靴は無くて裸足ですね。
[一言]  シリアスシーンだから何も書かずにいたけど処理中も全裸だったんですね…。仕方ないことではあるけど少し残念w
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