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食いしん坊エルフ  作者: なっとうごはん
序章 森の中の全裸幼女
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6食目 エルフ幼女人里を目指す

15Rなとこが有りマス

ファンタジー故致し方なし…苦手な方はその部分飛ばしてください。

やあ皆さん、全裸です。


エルフですが名前はありません。自分で付けろって?

ばかやろう! 名前ってのは……親から貰うもんなんだよっ!


てな、考えの自分なんで……いまだ名無しです。


現在、緑がいっぱいの草原を、当てもなく歩いているところだ。

森にいなかった虫や鳥、生き物の鳴き声が俺の耳に入ってきている。

懐かしい鳴き声に、思わず涙が出そうだった。

やっぱりあの森がおかしかったんやっ!


ちょっと足元を見れば、のんきに移動する、かわいらしい、ダンゴムシがいたり

空を見上げれば、鳥がいたり……ん?


違ぇっ!? ドラゴンだぁっ!?


銀色の鱗に覆われた巨大なドラゴンは、下界には興味ありません……

と、言わんばかりに、空の彼方へ去っていった。


「ふぁんたじぃ……」


もう……色々と、驚いてばかりだ。


お腹の感じで、お昼っぽかったんで、桃を出してお食事タイムと洒落込む。

丁度良い、岩があったのでそこに、腰をかけて桃にかじり付く。

天気が良いので、ほんのり岩が温まっていて、座ったお尻が温かく

居心地が良かった。


しゃく、しゃく……じゅるじゅる、ごくん。


「ふぃ……美味しっ!」


桃を見やると、それ程でもない!

……と、謙遜しているような、桃先生のお姿がある。


思えば……この桃を出す、面白変テコスキル? 魔法? 

……が、なければ、森で飢え死にしてたなぁ……


本当にお世話になってます。

だがしかし! 俺は新しい味に飢えているのだ!!


森の外に出て、まず土を食ってみた、しかしカレー粉みたいな味はなく

本来の土の味だった。

やはり、あの森限定らしい。


ならば普通に、木の実や野菜、動物を狩って食事にありつけってことだ。


まずは、どこか人がいるところを探そう。

この世界のことを聞きたいし、美味しい料理にあり付けるかもしれない。

上手くいけば、全裸からも卒業できるかもしれない。


「よし……いくか」


満腹になって、休憩がてら日向ぼっこを堪能し、再び俺は歩き出す。

美味しい食べ物目指して!


それから三日後……俺は道を歩いていた。人工的に作った名残のある道である。

馬車の車輪跡があるので、これのあとを辿れば

人里に、たどり着くであろうと、思ったわけだ。


それから、更に二日後……俺は小さな村にたどり着いていた。


「きた! 村きた!! これで勝るっ!!」


俺は、喜びのあまり駆け出した! 全裸のままでっ!


◆◆◆


「なんだこれは……?」


村に、たどり着いた俺の最初の一声が……それであった。

その村は、何者かに荒らされた後であり

かなりの年月が経っているようだった。


……と、言うか……白骨死体ぃぃぃぃぃっ!?


戦って死んだのであろう、戦士の装備をした白骨死体や

魔法使い風の、腰から下がサヨナラしてる骸骨、小さな骸骨もあるな。

考えたくはないが……おそらく子供の骨……なのだろな。


「なんてこった……」


あまりの光景に、悲しくなってくる。


取り敢えず、手近な民家に入ってみる。

中は略奪された後で、使えそうな物は一切なかった。


徹底してるな、少しは残しておけよと、文句を付けながら次の家にお邪魔する。

やっぱり同じ風景がそこにあった。

もちろん人もいない、完全な廃村であった。


「……収穫なしかぁ」


骸骨達の装備も、長い年月……雨風に晒され続け、ボロボロで使い物にならず

いまだに、俺は全裸だった。


日も、とっぷりと暮れ、夜の闇が辺りを支配する。

でも、俺はこの暗闇でも、はっきりと物が見えた。


エルフが持つ特性…夜目、ナイトビジョンがあるからだ。

コレが、なかったら俺は、生きて行けなかったな……超便利。


「どうすっかな?」


途方に、暮れていると村の広場……そこに、何やら人影があった。

……と、言うか、薄暗く光ってる。


幽霊だろうか? 生まれて初めて見るな……俺、霊感ZERO人間だったしな!

チョット感動した。もう、ちょっと……近くで見てみよう。


俺は、コソコソと、物陰に隠れながら、幽霊に……近付いていった。

念のために、桃先生も、二個ほど出しておく。


ここら辺が限界か……? 俺は木の陰から、幽霊を観察する。


幽霊は女だった。

クセのない、ショートカットに、二重瞼の綺麗な瞳。

整った鼻筋に、ふっくらとした小さな唇の人間の少女。

出るところは出て、引っ込むところは、引っ込む……

要はナイスバディと、いうやつだ。


色はわからん。

薄暗く光っているだけだし、明暗で区別が付くくらいなものだ。

幽霊なので表情は暗い、まあ死んでるわけだしな。


格好は魔法使いだろうか?

RPGに、お約束の女魔法使いが着るような……お前それ、守備力ないだろ!

……!!ってくらい、肌色面積広めの、服の上にマントを羽織っていた。


さて、どうするか?


まさか行き成り「やあ、お嬢さんなにかお困りかな?」と

キラリと、白い歯で挨拶ってわけにも……いかないよなぁ?


よしっ! こういう時は脳内会議だっ! 

俺は、目を閉じて、内なる自分に話しかける。


俺「では会議を始めます。議題は幽霊をどうするかです」

俺A「早々に立ち去りましょう。怖いです」

俺B「捕まえようZE!」

俺C「撤退だな……火力が足りない」

俺H「おっぱおに顔埋めたい。はあはあ……」


「よし、撤退だ!」


俺は、目を開け決意する。


そして、目の前に幽霊がいる件。

……そう…つwwwwwwんwwwwwwだwwwwww


◆◆◆


私の名はエルティナ・ランフォーリ・エティル。

五年前まで、冒険者として、この村に護衛としてやってきた一人でした。


クエストの内容は盗賊の退治です。

私の冒険者ランクはC。


Gから順にA、その上のSまであるランキング制でも

中堅所の実力を持ってました。


更に、同じランクの戦士が2人、魔法使いが3人、ヒーラーが一人と

火力十分なパーティーでした。


しかし……私達は戦いに敗れました。

仲間に、裏切り者がいたのです。


盗賊は三十名ほど、大した実力もなく、次々に討ち取られていきました。

ですが突如、後ろから攻撃されました。


仲間であった、アランという戦士と、マジェクトという魔法使い。

更には、ヒーラー……負傷を癒す、治癒魔法の使い手である

エリナまでも、盗賊と手を組んでいたのです。


一気に劣勢になった私達は、村人を避難させるために

村に残って戦い続けました。

果敢に戦ってはいましたが、やがて戦士のリッテが倒れ

私達は総崩れになりました。


また一人、魔法使いのガインツが、体を真っ二つにされて絶命しました。

中級風魔法、エアスラッシュを受けてしまったのでしょう。

エアスラッシュは、風の刃を飛ばす中級攻撃魔法で

鉄の鎧も、力量によっては、難なく切断します。


向こうでは……魔法使いの一人で、クルオンという娘が、大勢の盗賊に

取り押さえられて……暴行を受けてました。


そして……私も魔力が尽き、彼女と同じ運命を……


やがて、何人もの男達の欲望を、胎内に吐き出され尽くした私の前に

一人の男が、覆い被さってきました。


「……ア、アラ……ン!?」


アランでした。

もう限界まで壊された、私の体を……更に壊そうと、乱暴に責めてきたのです。


「この日を待ってたのさ! さあ……ぶっ壊してやるよ!」


アランがいうには……私を、こうするためだけに、盗賊と結託し

仲間を裏切り、村を襲い罪のない人々を殺した……と、いうのです。


「な……なんて事を……うぐっ! か……あぁ……!?」


アランが、両手で私の首を、締め付けてきました。


「こうすると、具合が良くなるんだぜ? お前の彼氏にも教えといてやるよ?」


下品な男達の声に、悔し涙が流れます。

やがて、アランの放った物を、胎内に感じた後、私は意識を失いました。


次に目を覚ましたのは、私が幽霊……ゴーストになってからのことです。


夜になると、私は村の広場に佇んでいました。

近くには、戦士と魔法使いの死体。


「リッテ、ガインツ……ごめんね」


死体を埋葬したくとも、私は物に触れることができません。

すり抜けてしまうのです。


何日もの間、後悔と絶望しながら過ごしました。


あれから五年……変化が起こりました。

私の目の前には、うんうんと目を閉じて唸る

プラチナブロンドのエルフの少女がいたのです。


五歳ぐらいでしょうか? 整った顔立ちに、腰まで伸びた癖のない髪。

月夜に照らされキラキラと輝いています。

普通のエルフより、大きくて……ちょっと垂れた耳が、かわいいです。

太めの眉も、幼さと相まっていて、チャーミングですね。


でも、何故か全裸です。何故でしょう?


と、突然……女の子が、目を開け驚いた顔をしました。

……近付き過ぎたのでしょうか?


◆◆◆


「うおぉぉぉぉぉっ!? ち~か~づ~く~な~!!」


俺は、桃を幽霊に突き出し。


「さもなければ……この桃が、火を噴くぜっ!?」


と、幽霊を威嚇してみた。


すると、幽霊は困った顔して……


「klsfふrふおうhf;l? ぃえhじょいjぎぃ?」


……と、話しかけてきた。


……何言ってるか、わかんねぇ!?

なんてこった、言葉が元の世界と違うのか!?

 

幽霊は、困った顔をしつつ、俺の頭に手を置いた。

ぬおっ!? しまったっ! その自然な動き只者じゃねぇ!!


俺は、回避することもできず、攻撃を許してしまった!


「これで……私の話がわかりますか?」


ふあっ!? わかる……わかるぞっ!? 俺にも、幽霊の言葉がわかる!


「よかった……テレパスという、遠距離会話魔法なのですが

 直接触れて使うと、言語が違う相手でも、会話ができるようになるんです」


……ほう、便利だな。

そうとわかれば、恐れることはない。

俺は、恐れることなく、幽霊に尋ねた。


「で、ねーちゃんは、俺に何か用か?」


幽霊は、少し考え込んだ後……


「あなたに、お願いしたいことがあります」


……と、俺に言った。ふむ、内容次第だな。

と言うか……この世界で、初めての会話が、幽霊とか……どんだけだよ!?

常に、ハードモードとか、勘弁してくだしあ!


……と、心の中で叫ぶ、幼女な俺であった。

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