220食目 アルア・クゥ・ルフト
SAN値に気を付けながら、ゆっくり読んでいってね!
◆◆◆
「ちゅ、ちゅ、ちゅ、ちゅん!」
小鳥のさえずる声が聞こえる。
新しい朝が来たのだ。
目に飛び込む優しい光が、私の視界いっぱいに飛び込んでくる。
希望の朝……と誰かが言った。
本当にそうあってほしい。
……もう何回目の朝だろうか?
さぁ、もたもたしてはいられない。
私に与えられた時間は、目覚めから僅かな間だけ。
その間に自分が何者だったか思い出さなくてはならない。
そして、今日することを決めなくてはならない。
そうしないと私は『暴走』してしまう。
時間がない、急がなくては……!
私は……私はアルア。
アルア・クゥ・ルフト!
そして、今日することは学校に行って……て、ててて! てけ・り・り!
「あはは! あさっさ! あっさっさー! あははは!」
こっこは、どここっこ?
あはは! おへいぇや! あるあのおへっへや!
ふくっく! がっこっこ、いくいく!
ふくっく! あたったった! ぱっぱじや、ぬぐぐっ! きるっる!
あはは! これでっで、がっこっこ、いくいくけれるるいえ!
ぐ~~……。
おなかっか! ぺっぺこっこ! こっこっこ!
あさっさごあん! たべべるえ! いえ、いえ!
しょくく! どお! いくくっくとるふ!
「あはは! おはえう! えちる、ごははん! あははは!
ちげ! おはえうう!」
ちげ、てってふるるえ! げんきっき! きっき!
あるあも、てってふるるえ! げんきっき! きっき!
「アルアちゃんは、朝から元気ね? はいどうぞ」
おかゆっゆ! しおえおいおかっゆゆ! うまうまま!
ぜんぶぶたべるおる! うま! うまま!
「あはは! たべたたった! ご……ごちちうそま! あははは!」
「はぁい、おそまつさま。
気を付けて学校に行くのよ?」
あはは! おそっとでる! でるる!
おっそららりに、めっめいぱいおえ!
きおうもっも、あかいくぅいえて、いいってきんき! きっき!
いしづかはかけ、ほうさうく! おにくっく! たくくさいるる!
にくっく、きたた! えみーるにくっく! ぷるるうん!
「おはようアルアちゃん。遅刻しないようにね?」
「あはは! おはっよっよ! にくっく! いってくりるれ! あははは!」
えみーる、おいしすおるれるろ! ぷよ! ぷよよ!
あるあ、がっこっこ! いく! いく!
「じゃ、テスト用紙を配るぞ~」
てちとっと! かみんみん! ぺぺん! にぎっにぎぎ!
こっこ、たてえい! かくっかくく! かくっく!
『そこはアンチファイアとお書きください』
あんこふあぶりず! かくっく!
『そこはサンダーボルトです』
さんたな! ぼとるるりえ! かくっく!
『そこは……えっと三十五ですね』
さうんじゅだごん! かくっ! かくっく!
『最後はカムフラージュです』
みかふじゅらえりれろ! あはは! できいいきった!
らと、おりっこっこ! おりこっこさん!
『恐悦至極でございます』
「よ~し、時間だぞ~! 解答用紙を集めてくれ~」
「だ~! ちくしょう! こんなのわかるかっ!」
「今日の問題は難しかったわ~」
みみんあな、あたったまかっかえてるれろ!
あったまま、いたいたいおん? なででるを? を?
「ふきゅん、アルア大丈夫だぁ。
皆少し脳を酷使しただけだからな」
のう、のっののう! こくうぅしっし? しっし?
「脳がはち切れそうだ~!」
らいおっと、あたまっま、いたいたいい? いたいん?
なで、なででるえうお? なで、なで。
「あはは、ありがとよアルア。もう大丈夫だぜ」
「あはは! そうなのか! そうなのかっか! あははは!」
らいおっと、げんきっき! きっき!
あるあ、うれしっし! しっし!
がっこっこ! おわわった! ろろていえん! いく、いくっ!
あれっくす、いたった! ついていくれるろい!
きょうもも、かきっきしているる! たのしっし! しっし?
ひーらーくおんかえ、かれりってきたれお!
ろておん、おもしっしろれろかっか! かっか!
あはは! エル! エルがいた!
「おっ? アルア帰ってきていたのか。
これから風呂に入るんだが一緒にはいるか?」
「あはは! おふろ! おふろっろ! はいる! あははは!」
おふろ! おふろろ! きもちっち! すき、すきっき!
エルもすきっき! ぷよぷよ! ぷよよ!
「ふきゅん! 今日のアルアは積極的だな?」
「あはは! せっきょく! せきょうくれろ! あははは!」
エル! えるる! すき、すきっき!
いっしょ、いるる! おちつくっく! ずっと、いっしょよよ!
ちゅぱちゅぱ! ちゅぱ!
「ふきゅ~ん! お耳はらめぇ……!」
エルのおみみみ! あんしんんするりえ! ちゅぱ! ちゅぱぱ!
「ふきゅん……さて、そろそろ上がるか。ふやけちまうからな」
「あはは! あがるるいえ! いあいあ! あははは!」
エルとあがるっる! きもちいっい! ほか、ほかか!
「話の続きは、晩御飯を食べた後だぁ……」
エルとおはなしあ! たのしっし! もっもともはなしうも!
あるあは、エルすっきき! だいすきっき!
「ふきゅん……もうこんな時間か。
スラストさんの小言を聞く前に寝るとするか」
「あはは! エルねるのか? ねるかっか! あははは!」
あるあは、エルとねるるえお! ねるえお!
「ふきゅん、今日のアルアは甘えん坊さんだぁ」
「にゃ~」
あるあ、あまえんぼぼ? あまえんぼっぼ! あまま!
もんじゃも、あまえんぼっぼ! あまま!
「あはは! あるあ、あまえんぼっぼ! あははは!」
「ま……今日くらいはいいか。じゃ、お休み、アルア」
いっしょ! アルアは! エルと! いっしょ!
いっしょ……いっしょっしょ……。
ここで私の意識は目覚める。
やはり時間は短い。
しかも、体も口も自分の意思で動かせない。
この時間でできることは今日の反省だ。
意識が目覚めると、一瞬にして今日の記憶が私に入り込んでくる。
今日は学校に行くことだけを考えてしまったので、
『アルア』が、かなりおかしな言葉使いになってしまった。
でも、あの短い時間でどうしろというのだろうか?
今の私ではどうすることもできない。
ここ最近は更に時間が短くなっている。
このままでは『私』は消えてしまうだろう。
なんとかしなくては。
私はエルと一緒に学校で学びたいのだ。
きちんとお話して、一緒に食事をして……。
私の目には大量の手が迫ってきている。
私を闇の世界へと押し込めようとしているのだ。
あぁ! 手が! てが……!
あぁ……意識が……薄れて……今日も、ここで終わり……な……の……?
◆アルア・クゥ・ルフト◆
人間の女性。
真っ白なロングヘアーで真っ赤な瞳が印象的。
しかし、顔はいつもだらしなく、鼻水と涎を垂らしている。
いつも笑っているが、何が楽しいのかは不明。
一人称は「あるあ」
エルティナは「える」