「メルヘンなんて…」
勢いよく扉を開けた俺だったが、その中の様子を見る前にそれどころではない場面に陥った。
俺の喉元には血にまみれた剣。
その先にはそれを持った顔の綺麗な女の子。
…思ってたんとちがう。
俺は嫌な予感がしながらも笑顔で対応する。
「えっと…、ゴメン。入るとこ間違えました。」
「間違えてないわ。ここが城の一番奥だもの。」
透き通るような綺麗な声だけど、厳しい口調で返される。
怖いね。なんかわかんないけど寒気がするね。
恐る恐る俺は口を開いて彼女に訪ねる。
「…一応、言ってもいい?」
「なに?」
剣を下ろさずに聞き返す。
「助けに来ました。」
「要らないわ。」
だろうと思いましたよ。
カシリス王国のみなさん!!
こんなに王女が怖…たくましいなんて聞いてないですけど!?
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その頃、サリマーダ王国では。
「レグネスは無事だろうか…。いや、一応化物だけに“化物並の力”はあるが…。」
王はただ、自室で一人親バカぶりを発揮しているところだった。
「やはり、言っておいた方が良かっただろうか。王女は…」
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「よりによって、あなたが“助け”に来るなんて。最悪だわ。ここで殺してしまおうかしら。」
王女は何やら物騒なことを目の前で言っています。
見た目では想像もつかないほどです!!
「あの…、とりあえず剣を下ろしてもらえます?」
怖いので自然と敬語になってしまいます。
お願いだから睨まないで。
俺は何もしてない!…はず。
しばらく睨まれた後、王女はゆっくりと剣を下ろしてくれた。
警戒されまくってるけど。
「あなた、ホントにレグネス王子なの?なんか、気配が違う。」
“見た目”とか“感じ”とかでなくて“気配”ときたよ。
ランソワおばさんレベルだね!
もしかしたら、正体もバレてるかもしれない…。(ヒヤヒヤ)
「僕はレグネスだよ。この間記憶喪失になって、今までのことは何一つ覚えてないんけど。」
一応、記憶喪失王子を演じることにしてみる。
すると彼女は納得した様子。
頷きながら、警戒していた顔を普通に戻してくれた。
うん、普通の方がいいね!
「なるほど、それなら分からなくもないわね。」
分かってくれました!
これで俺も殺されずに済みそう。
「今はそれで良しとするわ。」
…今のところは!




