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闇の王子、影の王子  作者: チェル
一章──奔走、影の王子編
15/79

「大人にはプライドがあるらしい」







「おはようございます王子。昨夜は何もなかったですか?この付近を、怪しい者が彷徨いてたという情報があったのですよ。」


俺は長ーく伸びをしながら、

なんだ、もうその話が出ているのかと思っていた。


「んー、特に何もなかったよ?昨日の夕食にタバスコが大量に入ってた以外は、平和、平和。」


「そうですか、それはよかったわ。」


ホッと息をつくランソワおばさん。俺のことを心配してくれてるらしい。嬉しい限りだ。

でも、夕食の事については忘れてません?


「それでは、朝食でも食べながら、今日の日程といきましょうか!」


今日もやる気満々な感じですね。もう、化物の俺ですら疲れ果ててるっていうのにな。


テンションが下がりつつも、どうにか美味しい朝食で補い、今日1日のことを思うのだった。






──────────────





窓から昼間の明るい日差しが差し込む部屋の中。


私は再び、暗殺者の親玉である人物を呼び出していた。


「どういうことだ?確実に終わらせるのではなかったのか。」


彼は不安の混じったような、困った声で私に告げた。


「はい。我らはそのつもりで、この組織のなかでも手練れの者に行かせたのです。しかし…。」


「建物を登るのに失敗したのか、転落死。こんなことがあるものなのだろうか?」


「いえ、例がありません。これは私の予想ですが…彼は、王子に殺されたのではないかと思われます。」


「そんなばかな!!」


私は思わず声をあげてしまった。


「どう言っても失敗は失敗です。責任を持って、必ずや王子を暗殺してみせます。」


暗殺者には、暗殺者としてのプライドがあるのだろう。彼はやる気に満ちていた。



「引き続き、頼む。」


私にも、私としてのプライドがあるのだから。




──────────────




はぁー、疲れた。



俺はランソワおばさんの厳しい指導の終わったあと、やっとのことで自室にたどり着いた。

お腹が空いていたが、そのまま寝る服装へと着替えてベッドへと潜り込んだ。

また、いつものように刺激溢れ過ぎる夕食を食べると思うと、疲れが倍に増えるからだ。


寝てしまえば、誰も夕食など持ってこないだろう。



そして、俺はそのまま眠りについた。



暗殺者第2号が来るまでは。







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