「王と愉快ななかまたち、2人目」
俺は右手を人間の手の形に戻す
と、ふわぁとあくびをした。
俺は先ほど、ベランダの(かなり)下に(グッシャグシャの)人間の肉の塊を作り上げたところである。
その時に右手を鎖へと変化したのが響いたのか、疲れて眠たくなっていた。
明日も色々ありそうだし、寝るか。
そうして俺は、ベッドに横になり目をつぶる。
あんな事した後でよく眠れるな、って?
普通の人なら、
寝ようと思っても、頭のなかであの肉の塊が離れない…!
と、言うだろう。
でも俺はなんともない。
慣れてるから。
ずっと昔から見ていたものだしな。
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「報告します。何者かが、王子の部屋のある、北の建物へ侵入していました!」
朝一番に聞いた報告が、これか。
私は自室で深く椅子へと座り込み、その事を伝えにきた召し使いに尋ねた。
「して、その者は?」
「はい、それはもう…。げ、原型を留めないほどに、酷い状態で、はい。つまり、既に死亡していました。」
その時の様子を思い出してしまったのか、青い顔で必死に話していた。
そうか、失敗したのか。
「分かった。報告ご苦労だった。さがってもよいぞ。」
部屋を出ていく召し使いの後ろ姿を見ながら私はため息をつき、次の手を打たねばな、と考えていた。
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