暦 居都留
「…おつっす」
「あ、お、おはようっ、河内君っ」
とある日の放課後、俺は部室に来てみると、今日は暦先輩が一人だけだった。…机にお菓子が並んでる…
「あ、あのそのっ、これはっ」
「いや、別に食っても怒らないっすよ。むしろ皆あんまり食べないから、湿気る前に無くなって助かります」
「えっ??あ、うんっ、どういたしましてっ?」
…感謝された
「…」
「はむっ。…ましゅまろ…♪」
暦先輩は普段、こんな感じの不思議人間だ。そして常になんか焦ってる感じ。阿見津先輩の友人だから、さほど人格に問題があるわけじゃないとは思うんだが…
「ましゅまろ食べるっ!?」
「あ、はい。頂きます」
俺はとりあえず暦先輩からマシュマロをもらって口に入れる。…この人の分からない所は、『もう一人の暦(仮称)』の存在だな。…前回阿見津先輩が指摘した生徒を正した時、暦先輩の今までのオーラとはまったく違った感じだった。…たしか風紀委員長だったか?普段の感じじゃまったく想像つかないよな…
~♪~♪
「…あっ」
「電話っすか?」
暦先輩の電話が鳴った。そして暦先輩が話し出した…
「…はい、居都留です」
席を外さないって事は、特に重要じゃないのか?
「あぁ!?」
…はい?
「何だその体たらくは!!自分のケツぐらい自分で拭け、このゴミがっ!!」
…急に雰囲気が変わった?こりゃ鬼だぞ!?
「あぁ!?…だったらもっと増やせ、そしてそいつを消せ」
消せ!?なんかすっごい物騒な話してない!?
「あぁ、あぁ。…ふぅ。あ、…み、見ちゃいましたっ?」
「…はい、ばっちり」
「…あうぅぅ…やっちゃったっ…」
暦先輩は恥ずかしがるというより、すごく後悔していた。…まぁ、こんな姿見せたら、普通そうか…
「か、河内君っ」
「…なんすか?」
なんか、暦先輩がすごい覚悟を決めた顔で俺に問いかける
「い、今の話…分かったっ?」
「は?え、いや…相手が何言ってたか分からないんで、さっぱりっすけど」
「そ、そっかっ…ならいいのっ!気にしないでっ」
「え、でも…」
俺が食い下がろうとすると、暦先輩はめっちゃ涙目になり、今にも泣き出しそうだ
「…えぐ…」
「あ、えと…じゃあ気にしないっす!だからなかないで下さいよ!!」
「…嘘だっ…」
暦先輩は信用してくれず、さらに涙目になる。…何故信用してくれないんだよ
「じゃ、じゃあ、このマシュマロ、全部先輩にあげます!」
「…ほんと?」
え?…なんか、釣られたか?後一押しか?
「じゃあ、この後僕のおごりでケーキでも食べに行きません?…これで信じてもらえますか?」
「…弓佳も、いいっ?」
どうやらこれでOKらしい。出費が痛いが…そんなのきにしてまたあの怖い暦先輩が出てきたらたまったもんじゃない!
「OKっす!!これで信じてください!!」
「…うん、分かったっ」
暦先輩は涙をぬぐい、笑顔を浮かべてマシュマロを頬張る。…この人、謎があるけど、なんかすごい根は子供だな…
そしてこの後部活は普通に行われ、帰る前に喫茶店で俺は阿見津先輩と暦先輩にケーキをごちそうするのだった…
「…どうしたの?急にケーキなんて」
「…時にはそうしなきゃならないときもあるんすよ」
「??」
「けーき…おいしいっ」




