身体測定は悪魔の測定
「…次、河内君」
「…はい」
とある日、今日の放課後は全学年対象の身体測定の日だ。うちの学校は俺ら男子がとりあえず先に片付けてしまう
「…はい、背筋を伸ばして下さいね」
「…」
昨年は身体的変化はあまり見られなかった。…もしかして…もう成長止まってるのか?と内心戸惑っている
「…次、体重計に乗って下さいね」
正直な所、今さらそんなに身長が伸びたり体重が増えたりは困りものだ。結構自分の今の体格は過ごしやすかったりするからな
「はい、終わりです。お疲れさまでした!」
「…お疲れさまでした」
そんな事を考えている内に検査は終わった。記録表を見てみると…お、身長はまだ伸びるらしいな。体重は変わらず…ふむ
「部室行くか」
とりあえずこれといって興味が無かったため、すぐに部室に向かうことにした…
「たらりらりーっと♪こんちゃーっ♪」
「…こんにちわです」
「お、真昼にユキか。おつー」
部室で待機していると、1年二人組がやって来た。男子が終わった後は1年の女子からになるのだ。…真昼のテンションがびっくり(まぁいつもの事ではあるが…)するくらい高いんだが…なんだ?
「…どうした真昼。なんか良いことあったか?」
「うふふのふー、よくぞ聞いてくれましたなぁ淳先輩!!聞いてくださいまし!!私のテンションが高い訳を!」
「…はぁ…」
真昼は超笑顔のまま続ける
「実は…体重が減ったのでありますよーっ!!」
「へぇ」
「…なんかこう、もうちょっと驚いた的な反応はないんですかねー…?」
俺の冷たい反応に真昼は汗をかいていた。…いやまぁ…
「興味ない」
「それは言わないで下さいよーっ!?」
真昼が怒る。…仕方ないじゃない、本当の事だもの
それっきり拗ねた真昼は置いとき、次はユキか
「ユキはどうだったんだ?」
「レディにはそういう事を聞くものじゃないですよ」
真面目に返されたー
「ま、まぁ…確かにな」
「…私は特にこれと言った変化は無かったですよ。」
だが、ユキは意外と簡単に結果を言った。…掴み所ないなぁ…
「…こんばんわ~…」
「…お疲れさまですわ皆さん」
そして風と憐香がやって来たが…なんか風、めっちゃ元気ないな
「どうした風?」
「…あははは…悪魔が…悪魔が…」
「だから悪魔なんか居ないって言ってますわよね?」
なんか憐香がすごいため息ついてるし、風は魂が抜けた感じになってるし…
「…憐香、何があった?」
「今日が測定、というのでは分からないかしら?」
「…??」
「体重が増えたのですね」
「!!?」
ユキの一言で風が固まる。…あぁ…
「…結構容赦ないんですのね、円谷さん?」
「でも、胸が大きくなったとかでは無いんですか?それでも重くはなりますよ?私なんかぺったんこだから軽いだけですし」
「…そーなの…?」
…傷のなめ合いに見える…
「ま、まぁ、そんなにきにすることは無いんじゃないか?見た感じ分からないし」
「…かな??」
風の目に生気が宿った。…はぁ…女子って大変だな…
「…皆、お疲れさま?」
「あ、阿見津先輩」
そして最後に阿見津先輩がやって来た。まぁ…聞いてみるか
「阿見津先輩、結果はどうだったんすか?」
「…私?少し太っちゃったみたいなんだ…」
「「嘘だっ!!」」
「??」
…他のメンバーが一斉に阿見津先輩に叫んだ。肝心の阿見津先輩はよく分かってないが。…女子って、大変だな…