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母は若い頃異世界にトリップしたまま帰ってこないらしい。双子の兄と姉は異世界にぞれぞれ勇者と巫女として召還された。その後の行方はまったく知れず…


母は黒髪黒目の生粋の日本人だ。その美貌はどんな男性でも虜にしたらしい。才色兼備で出来ないことなどなかった。異世界でもいろんな男を虜にしているのだろう。

そして、その細胞を受け継いだ兄たち。母が異世界で作った子どもで、どこぞの勇者の末裔だとか。二人とも常人にはないオーラが見えている。


そんな神に愛されまくっている家族の中で、ごくごく平凡に暮らす白鳥瑠那、15歳。両親はおらず母方の祖父と祖母に育てられたが、そこそこ裕福な家庭だと思う。


黒ぶち眼鏡に、後ろで一つにくくられた黒髪。


とりあえず、目立ちたくなかった。

兄は金髪碧眼で、姉は金髪に青の瞳。どちらとも成績優秀、運動神経良し、顔も良い。そんなに完璧な家族に囲まれて、私の立場は無いと思いませんか?


兄たちの通う学校には、親衛隊がいた。あんなの漫画だけの話しかと思っていたら、違ったようだ。

…兄達は、毎日取り巻きに囲まれて登校していた。


学校では親衛隊の方から手ひどい仕打ちを受け、一緒に町を歩けば嫉妬の目を向けられ。私を消すために人を雇う奴までいるのだから、もうやってられない。

…そんな私が普通の女の子らしく生活を送れるはずもなく。


「おはよー、瑠那。そういえば、お兄様たちどうしてるの~?最近、見ないわねえ」


異世界に行ってます、なんて言えない。

何で私がこんな目にあわなくてはならないのか。後に残されたものがどれだけ大変か考えて欲しい。美男美女の双子で有名な兄たちは、常に話題に上る。…その中で取り繕うのはどれだけ大変か。


「ん~、日本にはいないみたい。私も最近会えなくて」


困ったような笑みを浮かべて答える。


「そっかー。残念だねー」


残念? 嬉しいの間違いではないかな?

しかし、彼らがいないとなると周りの不満がこちらに来そうなので幸せな生活が送れるとは限らない。ああ、憂鬱だ。


そんなこんなで平凡を愛する妹の日常は過ぎて行く。


…その後、面倒ごとに巻き込まれるとはまったく知らずに。




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