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第三話終と始
次の日僕も天野も何事もなかったかのようにいつもの日常へと戻った。天野はいつものように落ち着いた様子だ。滝沢小太郎は平凡な高校生活を送る決意を胸に、昨日の出来事は単なる偶然だと自分に言い聞かせた。
授業が進み、委員会の決定が行われた。運命は滝沢と天野をからかうかのように、二人を同じ委員会に割り当てた。放課後の委員会で、天野と滝沢は二人っきりになった。
滝沢は昨日のことが本当に僕の勘違いなのか確かめるために勇気を振り絞って天野に尋ねた。しかしその言葉を遮るように天野は滝沢に言った。
「私知ってるんだ。」
「何を...」
僕は突然の告白に息を呑んだ。もしかしたら....冷たい緊張が背筋を駆け上がる。
「君もこの本もってたよね」
「え...なんで知ってるの」
僕の悪い予感は的中してしまった。
「どうやって知ったかは教えない。だけどお願いがあるの。」
「お願いって..なに?」僕は震えた声で聞いた。
「私と契約してほしいの」
「はい?」
「聞こえなかったの?もう一度言うわ」
「聞こえたよ」
「するの?しないの?5秒で答えて。5...4.」
「まって契約って!?」
「..3...2...1」
「もうわかったよ!するよ、します!」
滝沢は焦り、勢い余って答えた。
「これからよろしくね滝沢」
天野は真っ直ぐな眼差しを僕に向け右手を僕に差し出した。




