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異世界紀行・ダンジョントリッパー  作者: アルゴラインズ/牧野円(リュウケン)と森さとる
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第5話:セイベリアの自然公園

第5話:セイベリアの自然公園


「コーヘイさん、皆様がお待ちですよ!」


受付嬢ルマの声。

日が明けてファロスギルドに行ってみると、そこにはコーヘイを待っているシュウ、ユカ、ヤストの3人の姿があった。


「きっと来ると思ってたんだ」

ふっくらした顔でヤストが言う。

「今日はセイベリアに行こうよ」

ユカが楽しそうに笑った。



ファロスギルドから北へ数時間歩いたところにセイベリアはある。自然公園と呼ばれるほど緑あふれる場所らしい。


「北に数時間、まあ大した距離じゃないさ、昼前にはつくはず」

とシュウ。


しばらく北に歩いていくと空気が暖かくなり、青々とした植物が次第に増えてくる。冒険世界ライオースの天気に現実の天候の法則は当てはまらない。気流や湿度は自然の精霊の影響によるところが大きいのだ。


むこうの空に虹がかかっている。それを目指して小高い丘を越えると、眼下にジャングルのような森が広がっていた。


「ついたー!ここがセイベリア自然公園だ!」

「わー、本当に緑がいっぱい!空気も美味しいし、癒される~!」

ユカの明るい声が、広大な自然の中に響き渡る。

「ほんとだね!それに、この辺りには珍しい幻獣もいるみたいだよ!」

ヤストもまた、セイベリアの豊かな自然に目を輝かせている。

 

シュウは、幻獣について説明しだした。

どうやら幻獣好きみたいだ。

「幻獣はモンスターの一種で、自然に近い生き物だ。姿も能力も様々で、中には友好的で話せるものもいるらしい」

「へえ、見てみたいな」

コーヘイは幻獣に少し興味を持った。

「素敵ね!でも、人に危害を加えることもあるんでしょ?」

ユカは、少し不安そうだ。

「確かに凶暴な幻獣もいる。でも、ほとんどは人間を避けて暮らしてるからね」

とシュウ。

「僕も前に遠くから幻獣を見たことあるけど、すごく可愛いくて神秘的なやつだったなぁ」

ヤストはすでに見たことがあるらしい。

「幻獣は自然のバランスをとる役割も持っているから、大事にすると自然に良い影響もあるみたい」

「なるほど、そうなんだね!」

ユカは、シュウの説明に関心したようだった。


そんな会話をしながらパーティーは森の中を歩いていく。


すると遠くに何か白い影が見えた。

「あっ!あそこに何かいる!」

ヤストが、遠くの景色を指さす。

「ほんとだ!あれって、もしかして…幻獣?」

コーヘイも、ヤストの指さす方向を見る。よく見ると、そこには白い翼の生えた馬の姿。

「…ああ、あれはペガサスだ」

シュウは、そこにいる幻獣の名前を言う。

「ペガサスって、空を飛べるんでしょ?」

ユカは、ペガサスについて少し知っているようだ。

「うん、ペガサスは、空気の流れを読み、空を自由に飛ぶ力を持っている」

シュウは、ペガサスについて説明する。

「へえー!ペガサスって、どんな性格なの?」

興味がわいたコーヘイ。

「基本的に穏やかで友好的。でも無理やり背中に乗ろうとすると激しく抵抗して攻撃的になるらしいよ」

と、シュウ。

「いつか、乗ってみたいなぁ!」

ユカもペガサスに興味を持ったようだ。


「あれ?」

ヤストが、空の変化に気づく。

「大変だ!あっちの空が急に暗くなってきた」

「まずい!これは雨がくるぞ!ひょっとしたら嵐の精霊が近づいているのかもしれない」

シュウは、空の変化に危機感を覚える。


「えっ!?」

コーヘイは、何が起こるのか分からず不安になった。

「すぐ、ここを離れよう、ずぶ濡れになるぞ」

シュウは、コーヘイたちに避難を呼びかける。


コーヘイ、ユカ、ヤストは、シュウに連れられて、急いでその場から来た道へ戻った。

「…ふう、ここまで来れば大丈夫だろう」


しばらくすると、森の方から大雨と落雷の音が聞こえてくる。

ほんと、早く引き上げて助かった。


「今日はお金にならなかったけど、ペガサスも見れて、楽しかったね」

ユカが言う。


「ライオースの世界、まだまだ知らない事が沢山あるんだな」

特にセイベリア自然公園には不思議さと神秘を感じるコーヘイであった。


第5話(終)

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