魔女対勇者
「金腕血をもらおうか!魔女の元に行くための通行証を!」
純金の腕が一気に加速する。
「春風くん!」
目の前が真っ暗になる。間一髪副会長の盾が間に合う。目と鼻の先、数センチ先。
「敗者は舞台から降りろよHAHAHA。見苦しいぜ」
「父上!やめてください」
「見苦しいって、言ってんだろうよ!!」
盾を上に弾き飛ばし、残った片腕がさくらこを狙って飛ぶ。
「ブレイブ!ゼロ」
「魔力を消すだけじゃダメだ!っ!ソウルアーツ!マジックブースト!」
慣性の法則で勢いは死なない。飛んできた黄金の腕を先生、マジカルオウルは殴りかかる。
僅かにそれた腕はさくらこのこめかみをかすり、壁にめり込む。
「しっ」
短く吐かれた息の音。顔面に迫る腕を副会長と先生が払い除ける。
「顔ばかり狙うなよ!おっさん!」
「父上!!やめてください!」
「ソウルアーツとマジックブーストで超加速。マジオウル。マジワサビの先代魔法少女なだけはある。命と魂を削るぜそれは。命は大事にだぜ!HAHAHA!」
さくらこは動けない。目前に迫る敵意を前に。からかってくる嫌なやつだった。好きにはなれなかった。だけど、こんなに邪悪に笑うやつではなかった。
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!
「フィール2 拒絶防壁!!」
さくらこの掌底が。すれ違いザマに、白騎士の頭にヒットする。
「んぐ、HAHAHA!!、ん」
さくらこに放たれる、金のこぶしがまたもや、僅かにそれる。今し方の衝撃に理解できない顔をしている。
「剣がなくても、勇者魔法を?いや、それよりも」
「え?なに?!そうだよ!私は、剣が無くたって、ひっ」
バロスの顔をした悪意が、笑う
「大収穫だ!はるかぜさくらこ!!君は血抜きだけでは足りない!!!君の全てが欲しい!!はっは!!!」
「さくらこ!!てっめぇ!ワルス、アルファーレム」
マツリも参戦する。
二つの腕に、ワルス本人の体術。四人がかりでも、崩せない戦闘センス。まだ、剣を抜かずにこの実力。
「獅子王盾」
「貴様の盾をいただくつもりだったんだがな。やはり厄介。喰らっておくか?我が息子!!」
また、お荷物になるつもりか。
「先輩!盾で私を浮かせられますか?先生!先生の魔法でこんなことはできますか?」
「あ?、やるしかねーだろ!写せ!幻惑!隠せ真実、Trick or Treat!!」
たくさんのさくらこの幻像。
「魔力を辿れば、?!!」
魔力を感じない。いや、微かにあるだが、小さな魔力の塊がそれぞれの虚像にある。それは、副会長の盾やまつりのアルファやベータだった。
「どこにいる!はるかぜさくらこ!!」
さくらこ当人の魔力は少ない。それを逆手にとっている。達人になればなるほど、魔力で人を見る。中身は歴戦の猛者ではあるが、バロス自身はまだ、学生でしかない。その肉体の成長は、まだそこまでの力はない。
「すべて薙ぎ払えば」
「フィール4!!」
共感性の発現。通常相手と共振することでさらなる心の力を引き出すことができるこの技。さくらこは感覚が繋がる時に起きる一瞬のブラッシュアウトの隙に、駆け抜けてしまうつもりでいた。通常なら成功しただろう。問題はこの部屋に魔女の魔法石があったこと。世界樹により、集められたたくさんの人の魔力。それと共鳴してしまったのだ。
「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛」




