木人
「こいつぁ、やべぇぞ。教授のプリン食った時並みにやべぇ」
タバコをくわえたまま、更にタバコを燃やす。黒い煙が闇色になり、力を増すが、溢れ出る木人に、追いつかなくなってきた。
「いまいち緊張感がないですよね。死にますよ」
そういう元教頭も、次々に切り倒していくものの。やはり数の暴力に押されていた。
「ソウルアーツ、はぁ、はぁ」
「多用すると長生きはできないよ。我々は強い。きみの父親は勝てなかった。我々は魔力で強化された木々だ。君たちはここで、我々の養分になってもらおう」
「……木、養分、、、試してみるか」
木人はバロスの身体から異様な魔力を感じる。今までとは違う。
「……。なんだ」
「おい、お前たち、こんな魔法を知ってるか。種魔法……火蜥蜴」
「種魔法?そんな弱い火力じゃ。どうにもならないぞ。旦那!」
杖から飛んだとかげが倒れた木人の身体に潜り込む。勢いよく、木人が燃え上がる
「何をした?」
溢れ出る勢いだった小さな木人の勢いがみるみる衰える。
「くくく。思った通りだ。新魔法は世界樹の魔力を借りて、魔法を放つ。お前たちの身体は絶好の苗床だ。この場所に来たのが、クマやろうまでだと聞いてまさかと思ったが。うまくいくもんだな。あんたら木人は世界樹に似た身体構成がされてんだろ?」
「……。」
「校長め。ここまで予見してたのか?まぁ、存分に利用させてもらうぞ」
「葉魔法!」
「花魔法!」
「はっはっは!無様無様!」
さくらの子よ。
早く目覚めよ
我々は守りきれない
置いてかれた2人の白仮面は、言われた魔法陣を書いていた。
「会長。この魔法陣って」
「召喚魔法だな。何を呼び寄せるつもりなんだか」
「会長はほんとに奴らの仲間なんですか」
「まぁ、な。君は何時からだ、ガルダリオン1年生」
「入学前に。村のみんなが殺されそうになったときに市長に助けて貰ったんです。」
「たしか、出身地が禁魔区だったな。ということは」
「はい、私以外魔力がほとんどありませんでした」
「魔力差別か。マジブロッサム外は、荒れているからな。ありえない話ではないな。いま、ご家族はどこに」
「まだ会えてません。市長に保護してもらってると聞いてます」
「そうか。」
「会長は?」
「君には君の事情があるように。私には私の目的がある。それは今話せない」
しばし、無言で魔法陣を書く2人だった。
ようやく書き終えたときに、急に魔法陣が発動する。
「なんだ!魔力を込めたか?」
「い、いえ!」
「HAHAHA!!どうやら首尾よくいってるようだね!」
頭の上から声がした。アロハシャツを羽織り、サングラスをした、色黒の大男。その手には、巨大なハンマーが握られていた。
「ご苦労、ご苦労」
彼はハンマーを回す
「んで、ご苦労さまっと」
「会長!会長!!」
「ん、お嬢ちゃんを消し飛ばすつもりだったんだが、HAHAHA!なまってたかな」
「な、なにを」
「いや、用済みだし。」
「き、きょうりょくしたら、家族と会わしてくれるって」
「ん?現世でとは、言ってないだろう。向こうに行けば、家族に会えるだろう。勇者に精神的ダメージを2回もあたえることになる。よく役立ってくれたよ。モルモットとしては」
「じ、じゃあ、みんなは、」
「HAHAHA!察しが悪いね。みんな切り刻んだよ。君だけが成功例さ。だが、汎用が効かんことがわかった。君は奇跡、偶然の産物。魔法石もマジブロッサムに十分集めた。用済みだ。」
会長が、庇ってくれたんだ。なんで、
「格差は競争を産む。魔力もそうさ。現人類は覚醒することはなかった。春風さくらこの勇者の剣も、我々の手に堕ちた。まぁ、万が一を考えて、重症の君らをここに置いて置けば、足止めくらいにはなるだろう。」
だから、と、彼はハンマーを構える。
「君らはここで、半屍として転がっていてくれ」




