表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
90/105

再会

「面白いな」

少年は勇者の剣をその場で振り回す。型にハマった剣技だが、百花繚乱流とはまた違った流派だ。百花繚乱流の柔らかい剣技とは違う荒々しい剣技。ひとしきり回すと、仲間の白い仮面の仲間たちに見せる。

「ぼっちゃん。剣技も出来るのですね。お見事です」

刀を腰にさげた白仮面が言った。

「この時のために、父上に叩き込まれたからな」

「この金属、なんの鉱石だ。見たことないな。」

白衣を着た白仮面がルーペを使いながら観察する。

「ジョシュアさんでも知らない鉱石となると。わたくしもありませんわ。物凄く重いですわ。よく振り回せましたわね。変身後のわたくしですら、持ち上げるのが精一杯」


「それはさくらこのだ。返せ」

ほかの魔法少女たちと、同様に倒れていたマツリがアルファを飛ばす。

「今は俺のだ」

仮面の魔法少女が飛んできた召喚獣を踏みつけにする。

「何たる恥知らず命を救われておいて。やはり、あなたはライオリアに相応しくないわ」

「なんで、ウチのことがでてくんだよ、誰だあんた。ハナビやキンギョじゃねーよな」

「なぜ助けたんですの?無能な魔法使いまで」

明らかにマツリのほうを見ていう。

「俺たちは、今から勇者になるんだ。正義の味方にならねーとな。それにあの勇者の無能っぷりをみせつけてやるためさ。今からすることも含めて。これで世論は俺たちに傾く」

その時、白衣を着た白仮面が声をかける。

「おい、いくぞ」

手を伸ばした先には、1人の少女がいた。

「アンリ」

「……うん」






「え」

マツリは絶句した。呆然とした彼女に、アンリは一言だけ言った。

「ごめん。行く。さくらこちゃんによろしく」

「まてよ!おい!アンリ!!」

彼女は白い仮面を身につけ、先に進む。



講堂の台座の下には隠し通路があり、螺旋状の階段が下に向かって伸びていた。どうやら世界樹の幹の中心部に近づいている。

「誰だ、そいつ」

「アンリ・ガルダリオン。研究室(ラボ)の仕掛けた諜報員(モグラ)さ。もう、研究室(ラボ)からも出たしな。ちょうどいいし、回収しておく」

「驚きました。ガルダリオンさん。研究室(ラボ)側の人間だったのですか。君は春風さんのお友達では」

「……」

アンリは答えず、ジョシュアが代わりに話し出す。

「もう一人も回収済みだ。互いに誰がモグラか知らないようだが、よく働いてくれた。」

「もう、1人?」

「当然だろ?むしろ、お前のほうがセカンドプランだ。」



「待たせたね。生徒会長、マジカルワサビ」

「あぁ、待ちくだびれだよ。副団長」

第3魔法学校の生徒会長であるマジカルワサビが、地下階段の出口に立っていた。

「首尾は」

「上々。マジカルブラッド。マジカルブルー、マジカルリッチの魔法石は抽出済み。もちろん私のも。これで世界は目覚める。」

「生徒会長、あなたまで……あなたも家族を」

「やぁ、アンリ・ガルダリオン1年生。君の事情は知らないが、私は私の想いでここにいる。魔法少女の時代は終わり、人々は目覚める」

見たまえと彼女が振り返る。

「これが始まりの魔女への扉さ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ