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食堂2

「「「おぉ!」」」

3人は感嘆の声をあげる。食堂は棟の屋上にあった。ガラス張りの部屋は天井が高く開放感があった。明るい陽光が木のテーブルを照らす。キッチンから美味しそうな香りが漂ってくる。学生たちが運んだり食べている料理はどれも美味しそうだった。


「なぁ、早く食いにいこーぜ」

「お腹ぺこぺこ!」


さくらこ達はワクワクしながら、注文しに向かう。空腹に焦るあまり、すれ違いざまに、学生と肩がぶつかってしまった。

「あ、ごめんなさい」

「ん?お前、あん時の色なしじゃないか?」

嫌味な声にさくらこは顔をあげる。ブロンドの髪をきっちりとまとめ、緑の瞳をした少女がいた。制服の腕には腕章がつけてあり、ライオンがあしらわれていた。

「オリエンテーションにいなかったから、てっきり落第したのかと思ったよ。なんだい?問題児たちとつるんで最後の思い出でも作りに来たのかい?」

取り巻きを連れた少年がこちらを小馬鹿にしたように笑った。

「僕は1年獅子組になったよ。名門貴族たちがあつまる栄誉あるクラスさ。君たちは、何組になったんだい?試験をぶち壊した問題児たちには、クラスなんざないわな。あっはっは」

取り巻きの連中もこれみよがしに腕章を振りかざす。そいつらも銀の獅子が描かれていた。

たしかに見渡すと学生たちはそれぞれに腕章がついていて、動物の刺繍がされていた。

「ん?なんだ?さくらこ、このイケすかねーガキはよう」

「……わたし、なんかこいつ、嫌い」

名前は知らないし、なんて説明したらいいやら。さくらこの頭が試験のことを思い出す。

「試験できんたま拾って喜んでた人」

「誰が!!」

周りがザワザワとし始める。

「ははぁん。さては変態だな」

「たまきんボーイ」

「ちょ、マツリちゃん!アンリちゃん」

「なんだこいつら」「坊ちゃん下がってください」

一触即発の雰囲気に生唾を飲み込む。


「誰だ!!!この平和たる食事の場を乱すのは!」


鋭い声が飛ぶ。気づくと少年と少女たちの後ろに上級生が立っており、さくらこの後ろから小声で話しかけられた。

「よ!新入生!朝ぶりだ。やらかしてんねー」

顔をあげると朝の魔法少女のお姉さんがウインクした。

「どうする、会長。処す?処す?」

やつの後ろの小柄な女の子が、袖から杖を突き出してワクワクしながら言った。

「獅子組バロス=ワルス、熊組春風さくらこ。君たちからポイント1000ブロッサムを没収する。以後静かにすごすこと」

切れ長の鋭い目の3年生は有無を言わさないように言った。

「はぁ」

「くそ、こいつのせいで」

杖を出すように言われて、はっと気づく。わたし800ポイントしかない。

朝のお姉さんもそのことに気づいたようで、にやりと笑った。

「会長すみません。この子ポイントたりないんで雑用手伝わせて、罰則代わりにしてもいいですか?」

「む、そうか。かまわん。任せるぞ。ミナト書記」

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