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第二魔法学校 通称【デパート】

「さくらこたちもいくのかにゃ?」

「だねだね!さくらこちゃんその剣かっこいいね」

ニャルゴとドグルの2人の獣人の女の子たちが手を振りながらやってきた。

「うん。ニャルちゃんたちも?」

「第二魔法学校は商売の学校にゃ!実力があればのし上がれる実力主義の学校で、獣人もたくさんいるんだにゃ。ん、これ獣神語にゃ。」

「読めるの?!」

「昔、パパ、じゃにゃくて族長が教えてくれたにゃ。少しだけなら《翔ける……爪、……我を……運べ》って書いてあるにゃ。さくらこは獣人からこの鞘を買ったのかにゃ?」

「これ杖なんだ。森の人から世界樹街道でもらったんだ」

「も、も、も、森の人からにゃ?!ありがたやありがたやにゃ」

「すご、すごいね、ね!ね!さくらこちゃん!森の人と会えるなんて」

2人とも興奮していた。獣人にとっては森の人ってそんなにすごいのかな。

「神様と一緒。獣人は森と一緒に生きてきたからね!からね!」

「なるほど」

「おーい、春風!補習やっぞ」

さくらこはフクロ先生に呼び止められた。

「またね!2人とも」


フクロ教授の部屋に行くと、新しい杖を隅から隅まで観察された。なにやらぐへぐへ言いながら、ヨダレを垂らしながら隅々まで見ていた。しばらくしてようやく顔をあげたかと思うと興奮して話した。

「さくらこ、この鞘。おもしろいな。ここ見てみろ」

5枚の花びらがあり、中心に魔法石がある1番大きな花の細工。遠くで見ると気づけないが異なる言語が花弁の中に細かく刻まれていた。

「獣人、魚人、巨人、木人、そして」

「……魔女の日記と同じ文字」

「そうなんだよ。かなり古いもので、数千年前まで遡るくらいだ。なんで森の人はタコニチュアが、この鞘を使っていたって言ったんだろうな」

「?」

「春風考えてみろ。世界線の更新順は木人、巨人、魚人、獣人、現人類だ。」

「授業でやりましたよね?世界線学。はじまりの魔女の世界線の後に戦乱の時代があって、巨人、魚人、獣人、現人類が現れたって」

「お前、なんで魚人のタコニチュアの鞘に未来に表れるはずの獣人の文字が書いてあるんだよ」

「たしかに」

「その木人が信用に値するか知らないが、この鞘はお前じゃまだ使い切れないだろうよ」

「ぇ?」

「てか、全力で使ったら死ぬ」

「ふぇ?」

し、死ぬ?!!なんで。

「手加減して使ったところが幸いしたな。魔法の本来の出力が出ている。問題は本来の、の部分だ。木人たちの本来。つまり、魔法少女計画以前の魔法だ。」

「どういうことですか?」

「大原則として、この星の魔力の総量は一定だ。生まれた時に、魔力を取り込み、死んだら放出する。古代、魔法使いは少なかった。一人一人の魔力量も相当なものだ。木人の頃は魔法石も少ないだろうし、彼らの体も大きかった。つまり」

「使用される魔力量もけた違いになる。」

「木人の出力で魔法使ってたらすぐにカラカラの干物になっちまう……とりあえず鞘にこれつけとけ巨人の指輪だ。」

フクロ先生は金色のリングをいくつかとりだした。

「巨人が日常生活を送る時に力を抑えるために使ってたもんだ。巨人たちも戦闘時以外は、このリングをつけて、我々と同じサイズで暮らしていた。じゃないとあっという間に食糧やエネルギー問題にぶちあたるからな。とりあえず魔法を撃ちながら、調度良いリングをはめるようにしよう。」






さくらこたちは何回かの転移魔法を越えて、第二魔法学校に到着した。防犯上のためらしい。着いた先は、【鳥の巣】よりも暖かく。おそらく世界樹の中腹あたりだろう。木の中にビルが埋め込まれているような形をしており、ガヤガヤと声が響いている。

「安いよ安いよ!魔道具部の研究成果見ておくれよ」

「最新モデルだ。人気のドラゴン印の魔法箒!初速もとんでもない速さで、乗り手を吹っ飛ばすくらいだ!あ、待ってお客さん!冗談!冗談だから!」

「さぁ、わが農業部の汗と涙と魂込めたお野菜は

いかがかな?」

凄い活気だ。【鳥の巣】は凄く穏やかで静かな場所だった。だがここは、はじけんばかりのエネルギーがほとばしる場所だ。

「ベンチャー魔法企業の見本市さ」

「げ」

「よぉ!マツリたんと愉快な仲間たち。魔法都市を作り上げたのがワルス家なら、この都市を発展させたのはライオリア家だ。あたしは、ハナビ=ライオリア!んで、ここは第二魔法学校通称【デパート】!売って儲けてまた売って!魔法商業高校なのさ!」

ハナビ=ライオリアが現れたのだ。キリリとした眉毛に高い身長。彼女は制服の胸もとをあけている。ブレザーを羽織のように肩にかけ現れた。

彼女の袖には副会長の腕章があり、そのブレザーの内側には祭命と刺繍がされていた。

「さぁ、よくきた!第一、第三、あと、マツリたん!案内してやるついてこい」

一体マツリとは誰なのか、皆がザワザワしているなか。さくらこのよこにいたマツリは顔を真っ赤にして、俯いている。

「あ、の、ばか、姉貴、」

「あ、はははは。」

第二魔法学校での1週間がはじまる。

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