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新たなる杖3

「マツリよりも小さな身体、胸、尻、いい!実にコンパクトでキュートだぜ!マツリをメインディッシュに、君たちをデザートに頂こうか。頭、首、肩、右の人差し指から、左の足の爪までタップリ味わうからね」

「「ひぃ」」

指をクネクネと動かし、舌なめずりし、さくらことアンリを交互に見る。明るい変態というのも中々に珍しい。

「いい加減にしやがれ!アルファ!」

抱き抱えられながら手のひらに魔法生物を召喚し、魔力を注ぐ。かなりの魔力が注ぎ込まれている。

「ん、まだ、幼稚なそんな魔法使ってんのか」

「るっせぇ!喰らえ!アルファインパクト!」

アルファを掴み、そのままハナビの顔面に叩き込む。

「ぬん!!」

ものすごい音がした。が、ハナビは顔面で受け止めきった。

「やっぱりマツリはかわいいな。こんなに健気に弱い魔法を使って。通用もしないのに」

「っ!ベータ!」

反対の手に魔法生物を召喚しようとする。

「マツリ愛抱擁ラブ!!」

力強く抱きしめた。メキメキと音をたてる。

「ぎ、ぎ、がは!」

「ぶ、部長。流石にやりすぎでは?」

まわりの取り巻きが話しかける。

「ぁ?このマツリ様に、部長に、ライオリアの長女に逆らうのかよ!久しぶりの家族再会だぞ」

「い、いえ」

彼女の凄みと家柄に気圧されてたじろぐ周りの人間。が、その横を駆け抜ける影が2つ。


「私の」「ウチの」

「「友達に何してんだぁ!!」」

「吹け!逆巻け!風よ!我が手に」

「水よ!流れよ!」


「ガルダリオ!!」

魔法種シード水弾ウォーター!!」

アンリは得意の風魔法をさくらこは水魔法を放った。あんな変態でもマツリの家族だ。2人とも手加減して放つつもりだった。だが、剣が収まったまま鞘を振るったさくらこの魔法は、鞘の桜柄の紋をなぞることで、本来の威力で放たれる。


「これはまずいな。魔法葉リーフ身体強化パワパワード。ったく、せっかくの家族水入らずだってのに。ぺろぺろ出来ねーじゃねーか!!」


「え?え?え?」

混乱するさくらこをよそにみるみる大きくなる水玉を蹴破る。破裂した水玉は広場に降り注ぎ、小さな虹を作った。

「アタシはともかく、マツリが死んじまう。ったく、街中で魔法花フラワーぶっぱなそうとか正気じゃねーぜ」

街中であんな変態行為するあんたが言えんだろ。と周りの人は心の中で突っ込んだ。

「あ」

気がついたら、マツリを含め、ほかの子たちも消えていた。……いや、待て。あいつ、魔法種って言ってなかったか?どんな魔力量だよ。

「噂の第一学校の人間兵器か。もっと反応が薄いと思ったんだが」

まぁ、マツリの友達がまともな感性の持ち主のようで良かった。家から出て三年。どこで何をしていたか足取りを掴めなかった。考えられたのが、隠されてる魔法学校。

「三校合同授業にも来れる実力だろう。また会えるのを楽しみにしてるぜ。マツリたん。うーし、おまえら帰るぞ」

「い、いいんですか?部長、追わなくて」

「あ、はぁ、わかってねーな。追う女は嫌われるんだぜ?ストーカーなんて言われちまったら、悲しいだろ?わたしは節度ある人間だからよ。友達もいて無事だったんだ。いまはそれだけで十分さ。マツリを探すために協力してくれてありがとうな。みんな。マツリ部は今日で解散だ」

「部長……」

感涙する部員たち。マツリを探すために人脈の広い第二学校に所属したマツリは部活を立ち上げ、今日まで必死に探してきたのだ。

「うーし、おまえら、打ち上げいくぜ」

「はい!」





「ったく!さくらこ!加減をしらねーのか」

「すみません」

騒動に乗じてミナトとルイズが三人を運び出したのだ。

「あの人は本来の魔法が出るって」

「おまえ、魔力少ねーんだろ。あんなもんぶっぱなしたら、魔力切れで死んじまうぞ」

「う、うん……」

「さくらこ大丈夫?頭痛かったりしない?」

「すまねぇ。馬鹿姉貴が」

さくらこは手元の鞘を見る。本来の力、私が勇者魔法ブレイブを使わなかったら、持っていたはずの魔力。破魔の力のせいで、魔力が少ない。と、思い込んでいた。

「まぁ、さくらこ1年生。しばらくは魔力の調節が課題だな」

「はい」

さくらこたちは帰路についたのだった。

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