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世界樹街道(ストリート)3

世界樹街道ストリートだあああ!!」

「だあああ!」

アンリちゃんとマツリちゃんが駆け出した。普段大人しいアンリちゃんまで走り出すのは、よっぽどのことだ。ここは世界樹街道ストリート。大昔にあった戦いで空いた巨大な洞。【鳥の巣】が5.6個入りそうなその広い空間には、レンガ畳が直線で長く続いており、両脇に店が立ち並ぶ。世界樹の幹のなかだと感じさせないくらい広い空間。【反逆の小熊】の面々は、オシャレをして上機嫌だった。ここに入るのに学校のジャージで行こうとしたら、マツリちゃんに頭をすっぱたかれた。あまり、服を持っていなかったさくらこは、服を借り、今日に至るのだった。

「ふぉおおおお!今日ほど、さくらこと友達でいて良かったって日はないぜ!」

マツリちゃんはワンピーススタイルで薄緑色に白い帽子を身につけて爽やかな格好だった。

「ウチも同意見!」

アンリちゃんはぴょこぴょこと小さな身長全体を使って跳ねて跳んで楽しそうだ。

「へへへ!いつも、授業のこと教えてくれるお礼だよ」

2人はさくらこが魔法少女の見習いとして、仕事をしている間の授業を教えてくれていたのだ。先日の1件と、停学中の間も彼女たちはさくらこに勉強を教えてくれていたのだ。後ろからサングラス姿の2人が歩いてくる。

世界樹街道ストリートはいつ来ても賑やかだね~さくらこちゃんを処そうとする奴がいたら、処し返してやる」

「ここは警備もしっかりしてるから大丈夫だろ。しっかし、さくらこ1年生。お前どんなツテがあるんだよ。世界樹街道ストリートに入ることができるのは世界のVIPたちだけだぜ。あたしたち魔法少女ですら、年に1.2回入れたらいいってのに」

護衛としてついてきたミナト先輩が呆れながら言った。彼女も浮かないようにオシャレをして来ているが、一応護衛と言う立場なのでスーツスタイルである。

「ま、まぁ、ちょっと運が良かったからといいますか。 こないだの鬼ごっこの景品で」

校長先生からは秘密にするよう言われていたので心苦しいが、ミナト先輩はそれ以上聞いてこなかった。

「いっくぞ!さくらこ!食って食って食いまくるぞ!いや、食べまくりますわよ!」

「ウチは魔導書、魔導書を見て周りたい!!いや、見て周りますわよ」

「「あ、ストリートっ!あ、それストリート!」」

2人にこんだけ喜んでもらえたなら誘って良かった。そんな彼女たちを本物の貴人たちが、笑ってみてる。すこし、恥ずかしくなった。

「ちょ、ふたりとも。はしゃぎすぎだって。ミナト先輩。わたしは杖を治しに行きたいんですが」

「んー。そうだな。せっかくだし、二手に分かれるか。あとで合流すればいい。時計台の広場で待ち合わせだな。」

彼女もパンフレットを取り出して探しながらこたえる。つえ屋さんを探すと、「最新モデル取り扱い。一振であなたをかがやかせるセレブリティ」との謳い文句だった。大通りに面していて、すぐ近くのようだった。

「2軒あるみたいだぞ。あそこの店と、あそこだな。あっちはアタシも聞いたことある杖の最高級ブランドだな。こっちのは、知らない店だな」

もう一つは、「杖治します」と短く書かれていた店だった。

「あたし、こっちに行ってみたい。新しいのがほしいんじゃなくて、折れてしまった杖を治したいだけだから」



さくらこがついた先は、小さなお店だった。ストリートの端っこに位置している。半分木に取り込まれ掛けており、何年前に作られたかもわからないほど、ボロボロだった。苔むした家は辛うじて杖と書かれていた。

「やって、、、んのか?」

「さ、さぁ」

ドアに手をかけると、がたん、と扉が奥に倒れてしまった。

「……さくらこ、おまえ」

「た、建付けが悪かった、かなぁ。おじゃまします」



ぐに


ぐに?

足を上げてみると、ドアの下に誰かが挟まっていた。

「……あわわわわわ」


「人殺し」

ボソッとミナト先輩が呟いた。

「いやああああああ」


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