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エピローグ・マジブロッサムの三校長



世界樹の中央幹会議室。封印から三十分後に開かれた会議。マジブロッサムの魔法学校の校長が一同に会した。

「いやぁ、とんだ化け物が出てきちまったなぁ。どうしたもんかね」

ガリレオ・A・チェリーブロッサムは白衣に袖を通して、古びた大きな山高帽子を被っている。彼女はテーブルについた2人の校長に目をやる。

「ガリレオ校長。君のところの生徒の魔法がコピーされてしまったそうじゃないか。獣人の王の盾魔法。どういうことですかな。それも海外で。生徒の海外派遣は禁じられておる。」

長い白ひげをたくわえた老人が穏やかだが怒気が伝わってくる。第二魔法学校の校長。カマッカ・リモウ。彼の手腕と人脈により、第二魔法学校は各国から高く評価されている。教育者であり、また財界にも顔が効く彼はワルス市長に並ぶ支持がある。


「リモウ校長の言う通りだぜチェリーブロッサム。」

足をテーブルの上に投げ出して置いた女軍人は、椅子を揺らしながら、睨みをきかせる。

「あれはワルス市長の独断だ。私のせいじゃない」

「はっ。第一は戦力、第二は資金集め、第三は魔法の発展っじゃなかったっけ?なぁ?おい。敵さん連れてくんなよ。」

若くして校長兼軍部の総司令として名を馳せる彼女はミーナ・アイーフ校長。魔法戦闘で神がかり的なセンスを持ち、多大なる戦果をあげた人物である。

「ミーナ。今回はイレギュラーなことだらけなんだぜ。なんせ研究室からの脱走者が情報提供したんだからな。研究のしがいがある」

「奴ら勇者が現れたとたんこれか。きっちり手網を掴んでてほしいもんだな。あと、有長なこと言ってんなよ?タロ少将の封印で時間稼ぎをしたにすぎねーよ。叩くなら万全に。時間をかけず一瞬で、だ。マジブロッサム内の魔法少女全員で最大魔法をぶっぱなせばいい」

「魔法少女の運用ははじまりの魔女との戦いのためじゃ。それに世界樹との親和性も高い魔法少女を吸収されては危険ではないか?研究室(ラボ)め。世界樹との一体化を目論む怪人など前代未聞じゃ。彼女が目覚めかねない。」

一瞬会議室が静かになる。

「ありえないね。トリガーになりえない」

「どうしてそう言いきれる。勇者は生まれない。だから、魔法少女をとの話はどうなった。春風さくらこ。まだまだ未熟ではあるが、勇者魔法を使い始め、勇者になりつつある。バランスがくずれるぞ」

「おおいに結構じゃねーか。戦力が増えるってなら大歓迎だぜ」

「勇者魔法は破魔の力だ。共闘はおすすめしねーなー。アタシが心配なのは、魔法も、魔法石もすべて奪われてしまうこと。いままでの二千年がぱーになり、力をつけてしまった怪人が、世界線を超えてしまうきっかけになってしまうことだ。」

「うむ……」「おいおい」

世界線の移動は現人類が絶滅してしまう可能性がある。まだまだはじまりの魔女と戦うには準備不足なのは、みな分かっていた。

「ひとつ提案なんだが、」





「交流授業?」

「あぁ、今日お達しがあった。第一や第二の連中との交流授業らしい」

マジブロッサムに帰ってきてさくらこはマツリから話をきいた。なぜだか、顔色がよくない。

「マツリはお姉さんに会いたくないらしい。うちはすこし興味ある。第二魔法学校の図書館は世界で1番多く魔導書を取り扱ってる」

「へー!」

「ワルスの兄ちゃんはどうなった」

「学校じゃあ処置できないから、すぐに総合病院に搬送されたんだ。」

「おぅ!良かったじゃねーか」

「うん!」

彼女はふと杖を取りだした。色なし呼ばわりされていた杖はほんのりと色づき、手によく馴染んだ。

「わたしも、ちょっとは成長したかな」

さくらこが優しく杖をなでると、杖がポッキリと折れてしまった。

「……え?えええええ?!!」

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