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傑物

「ボクの要求は3つ。強い魔法使いの魔心臓!お姉ちゃんの細胞!この大きな木との同化」

見た目の年齢的には青年のように見えるが子供っぽい発言に違和感を感じる。

ただ問題は彼の後ろに生える4本の太い触手であり、斑点のように見える模様は全て魔法陣だった。

「強そうな魔法全部もってきたんだよ。他にもいっぱい魔法あったんだけど、弟に押し付けてきたんだ。お話に付き合ってくれてありがとう!」


「ぼっとしてんじゃねーよ、てやんでぃ」

ハツラツとした声に振り向くと、サラシを巻き、それでも溢れんばかりの胸が目の前にあった。

「しゃがめってのばかやろうが」

兵士は彼女に地面に押し付けられた。鋭い水の攻撃を間一髪避けられた。

「たくよぉ!早く逃げやがれこのスットコドッコイが。てめぇじゃ、こいつは仕留められねーよ!オラァ!」

彼女は、指の間に挟んだ丸薬を投げつける。爆音とともにキラキラと花火が上がる。それらの火のつぶ一つ一つが、攻撃に転じ、流星群のようだった。

背中には大きく「祭命」と描かれたハッピを羽織りふんどし、サラシ姿の女は、立ち塞がる。

「第二魔法学校所属!!祭り部部長!ハナビ・ライオリア!!だ!バカヤローめ」

「ったくうるさいし、眩しいなぁ」

「カッカッカッ!!てめぇはなんだ?ワルスの坊ちゃんの双子かぁ?あたしにも、それは可愛い可愛い妹がいてな」

「うーんとりあえず、イカロスと名乗るかな。ボクにはお姉ちゃんはいるけど今はいないな。ガワはそのおぼっちゃんだけどね」

「イカみたいな足してるからか?」

「太陽に近づき過ぎた人間を始末したいからさ。君の魔法は、うるさいし眩しいから要らないな。魔心臓だけちょうだい」

触手が勢いよく迫る。彼女の魔心臓を狙っている。丸薬を投げ爆破するが微動だにしない。貫かんとするその触手は切り刻まれて、届かなかった。

「へー。だいぶ硬いと思うんだけど」

すぐに再生される。

「大丈夫でありますか。ライオリア殿。小官は、紳士であります。淑女の胸元を狙うとはけしからん!!切り刻んでやる」「くそう、もっとやれ!もっとだ!大佐はポロリをご所望だ!」「えろザル黙れ!大佐がむっつりスケベなのは、みんなにバレてんだ!今更大声でキーキー言うな」「しょ、小官は、紳士である!!」

涙目の彼の足元から声が聞こえる。軍服に身を包んだ彼の足元には、喋る犬と猿が言い争っていた。彼らの体は半透明で透けていた。

「第一魔法学校三年!ワルス家私設軍切り込み隊長!キージである!坊ちゃんの仇!上司の仇!取らせてもらいますぞ!!」

メガネを1度あげて、両手で足元の召喚獣に触れる。

「百花繚乱流!百日紅(サルスベリ)!オオイヌノフグリ!」

さらに軍刀に魔力を流し込む。彼の足元にいた2匹の魔法生物はみるみる巨大になっていく。それを見上げる少年は、嬉しそうに笑う。

「おっきいね!」

少年は噛み付いてきた巨犬を殴り飛ばし、引っ掻いてきた猿の口を触手で防ぐ。さらにその隙間を突いてきた軍刀をひらりと躱す。

「ははっ!」

「これも避けるでありますか。」

「遅い遅い!鬼さんこちらっとっと」

全ての攻撃を避けていく。

「アホンダラ」

ハナビも参戦する。こいつ、遊んでるのか。少なくとも2人とも殺す気で魔法を放っている。学生にして、上級魔法使いになった2人がだ。手玉にとられて遊ばれてる。

「そろそろいいかな」

「っ離れろ!」

「たしか、こうだったかな。獅子(レオ)(シド)突撃(バニッシュ)!と」

彼は盾を作って、一気に近づく。

「サルスベリ!!」

「!!」

盾に猿の頭が現れ、牙を剥いた。

「こやつ。小官の技を!」「マジかよ」「俺様の猿真似を!!」

猿の召喚獣はキレかけていたが、それどころでは無い。

「っ!花火だまぁ!1尺!!」

ライオリアが、花火を破裂させ、距離をとる。


「学習タイプか厄介な。ロックさんからの通信がなければ、もっと多くの技が奪われてました。」

彼らの後方から遠視魔法で様子を見ていた第2学校の教師は冷や汗をたらした。

「ふん。我々第一の敵では無いわ」

「ワルスくんが既にやられています。油断しないでください」

「面倒な魔法を奪われたな。盾の魔法は。これだから第三は」

「あのふたりの魔法は、使い手の技量が問われる魔法。ただ真似るだけでは本来の魔法には遠く及びません。魔法少女を吸収されたらあっという間に魔法樹は乗っ取られこの街も人類も終わります。やりますよ」

「いつでもかまわん。」

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