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「マジブロッサム本部応答せよ。こちら救出チーム。目標となる船を発見。火災箇所多数。船の半分は既に沈んでいる。簡易魔力探知。反応なし。生存者のいる可能性は極めて低い。捜索にはいる。なお、チームは二手に分ける。潜水魔法が使えるものは下から、探知魔法を。それ以外は上から突入する。突入後回収できる遺体は回収。損傷が激しいものは、魔心臓を回収せよ。船がいつまで持つか分からない。すぐに行くぞ」

「はい。先生」

「よし、行こう!行こう!」

結局フクロ教授は来ず、捜索隊のメンバーはクマ先生と会長。そして、市長の部下たち。

そして

「だから、縄を解いて、せ、ん、せ、い♡」

さくらこは縄でぐるぐる巻きに縛られていた。

「ん?」

「いや、ちょっとは揺らげよ!!揺らいでちょうだいよ!!」

さくらこは救出船に忍び込み、海に出たところ発見され捕まってしまったのだ。

「お前は船で待ってろ」

「いやだ」

「ホウキにも乗れない。魔力も低い。周りの魔法を消すためチームプレイもできん。完全な足でまといだ。それにお前は勇者魔法の使い手なんだぞ。やつらにとっては救出隊というカモがお前みたいなネギをしょって現れたようなもんだ。」

「そうカモ、ね」

ぶん殴られた。

「あたしは、アロハのおじさんがワルスのやつを連れ去ったのが、気に入らない。お兄さんを連れ戻して、学校に戻してもらうんだ」

さくらこは息巻いた。だが、そんなさくらこを会長は諌める。

「さくらこ1年生。修行の時も伝えたが、君は弱い。今回は私たちに任せるんだ。……ロック先生来てしまったものはしかたありません。副会長や乗り組み員の回収を急ぎましょう。動きはありませんが、海の中に何かいます。」

「そうだな」

彼は水面に視線を向ける。

「彼らが保護した魔法使いたちの証言を収めたブラックボックスがあるらしい。救難通信から、船の前方の操舵室にあるようだ。研究室のやつらの目論見を知るチャンスだ」




「ばあさん。あんたのその小刀。魔王石を削り出して作っているだろう。獣人並みのスピード、巨人並みのタフネス、魚人並みの魔力、ただのばあさんにしてはやりすぎだぜ。おれの煙魔法じゃ無かったら、負けてたよ。マジでなにもんだ?」

「…はぁ、はぁ、」

手元の小刀を見る。すでに刃先はボロボロになり刃こぼれが酷く、四肢の痛みも酷くばあやは動けなかった。通路に充満していた煙は薄れ、足元には海水が流れこんでいた。

「ただの煙じゃ、ありませんね。とても微細な生き物のような。……不自然さを感じます。」

「へぇ。面白いことを言うね。頭もいい。これは金級の素体になりそうだ。ばあさん、怪人にならねーか?」

タバコに火をつけ、マッチを指ではじく。海水で、マッチの火が消える。

「ご冗談を。艦内は火気厳禁ですよ」

「今からこの船も沈むんだ。うるさいこというなよ。うむ。ま、死体でも関係ないし。構わないんだが」

彼の煙が大槌に姿を変える。

「あばよ」

上を見上げる。魔力の数がふえてる。誰か来たな。増援か?

「さて、」

横たわる魔法使いを2人回収する。逃走した魔法使いと市長のメイド長。使いようはいくらでもある。

「…教授。俺のこと見てるんじゃないですか?ドローンなんかを飛ばして」

するとどこからともなく声がした。

「あたしの留守中になにやらおもしれーことになってんじゃねーか。助手くん。君の本気を久々に見たよ。素晴らしい技術だ。」

「ふぅ。この船だからできたんですよ。どんな硬度してんだか。」

「獣魔大戦時の強襲艦さ。外壁よりも内部を強化して、魔法を付与することで、衝撃に強くしてんのさ。外壁の損傷具合にしては、沈まねーだろ。本来傷すらつかないもんだが。やつらは?」

「4人始末をつけて、1人は連れて帰りますよ。海の連中が反旗を翻したと考えていいでしょう。いくつかデータを盗まれた様ですが、怪人や前世界線のDNA記録だったり、強い怪人を作り出したかったんでしょう。」

「世界線の歪みが起きる原因は取り除かねば。ま、船に関してはほっとけばクラーケンが潰してくれる」

「クラーケン?」

「マザーの奴が巨人のDNAと海洋生物を混ぜ合わせたみたいだぜ。そっちの魔力に惹かれてまた襲ってくるからな。さっさと帰投しろ。」

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