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救助班

空の上、外向きでは無い本当の校長室のソファに会長と校長が座っていた。

「春風の馬鹿が、レオナルドに向かっていくなんざ予想だにしなかったぜ。下手すりゃ、この学校がなくなってたぞ」

「市長殿はそんなにもお強いのですか?強くは見えましたが、そこまでには見えませんでしたが」

「お前もまだまだだな。何であの人格破綻者が市長の座についているかわかるか?」

「い、いえ」

その言いように面食らう。友人じゃないのか?

「強いからさ。」

彼女は面白くなさそうに机の上の焼き菓子を鷲掴みにし、バリバリと食した。

「あたしは、春風さくらこが現れるまでアイツが勇者だと思っていたんだぜ。 30年前の獣魔大戦の英雄。【凶月】を討ち取った人類側の戦士【ラフメイカー】。いまでこそ笑顔をつくる市長ってのが、定着しているが、あん時は笑いながら敵を殲滅する狂戦士ってのが、奴だったのさ。各国とのつながりはその時からでな。誰も逆らえない。パイプが太く、支援を受けて今のマジブロッサムが成り立っている。」

「【狂月】…ロック先生はご健在ですよね」

「あれは、運が良かっただけさ。あたしも重症の捕虜を捕まえたって、治療に立ち会ったけどな。全身の複雑骨折、複数箇所の内蔵破裂、魔心臓の深刻なダメージ。普通生きてないし、奴と戦って、原型が保てているのですら奇跡だよ。獣人をも凌駕する化け物さ。あいつは力の1割も見せてねーよ」

「1割……そんな強さがあるなら、なぜ」

「言いてーことは分かるぜ、なぜ息子を助けないのか。レオナルドはぶっ壊れちまってる。この街を守る1点に執着しちまってんのさ。希望の世界樹のあるこの街をな。それ以外は全て雑事って具合に。……おかげで動きやすくもある。」

「救出作戦ですね」

「ああ。1番のネックが、街の外に魔法少女をつれていくことだったが、なんとかなりそうだ。今回の作戦は、人命救助も当然あるが、研究所の動きもさぐれるいいチャンスだ。あの1件以来、鳴りを潜めているが、何かしらの研究を実行している可能性が高い。今学校が隠されている以上、奴らも派手に動きが取りづらいはずだ。こないだの怪人は魔法石をたくさん使っていたからな。不足しているはずだし。奴らがそれを狙って、貯蔵庫や魔法使いを狙っている可能性は、高い」

「副会長が狙われたのも、それが理由かもしれませんね。このままでは、救助隊がそのまま標的になる可能性もあると言うことですか」

「さすが会長察しがいいな。最近の怪人は、過去に見たことのある奴らばかりだ。今までのストックを使って牽制しつつ、強力な怪人を生み出そうとしているのかもしれない。救助隊みたいな宝の山は、喉から手が出るほどほしいだろう。強いやつを送り込んでくるはずだ。そいつを破壊すればしばらくおとなしくなるだろう。魔法石を注ぎ込まれた怪人の厄介なところは学習能力だからな。面倒になる前に叩き潰す。」

「人選は?」

「外の世界で生きてきたフクロ。今回の救助班の班長を務める。魔法少女マジカルワサビ。マジカルブルー。怪人との戦闘経験が豊富だからな。市長親衛隊 リンベル副隊長。以下50名の隊員。こいつらはどう動くか分からない。警戒しておけ」

校長は自分の机の上に置かれていた写真立てを眺め、生徒会長に言う。

「副会長の盾の魔法は今後の作戦に影響する。我々で保護しろ。最悪……遺体の場合でもだ。」

彼女は杖を振り、空間から取り出した紫色の指輪を手渡す。

「この指輪には転移の魔法を込めている。学校の中庭に転移できる。いざと言う時に指にはめろ、検討を祈る。」





マジブロッサム外の暗い水中の中。念波が飛び交う。


マザー。あれはやばい。マザーの生み出した末っ子が暴れ回ってる。同胞を喰らい、人間を喰らい、俺たちでは手がおえない。はやく回収してくれ。マザー。はやく、たすけ、ぎゃああああ。



そんな声を聞きながらマザーは優雅にワインを口に運ぶ。

「いい子ね、坊や。大きくなりなさい。強くなりなさい。これであいつらを見返せるわ」

彼女の視線の先には、崩壊した実験室があった。

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