マザー
いつも読んで下さりありがとうございます!うれしいです。時間ある時に書き足していきます
マザーの部屋には、壁一面にキラキラと光る石がはめ込んであった。魔法の石だ。彼女は1粒を手に取ると、手の中で握りつぶした。砂になったそれを空中に飛ばすとキラキラ止まった。その空間に漂い始めた。マザーは杖を取り出すと怪人をデザインした。今までの怪人は、暴れる事はあったが、人の命を奪い取るほどではなかった。たくさんの人に恨みを買おうといけないと思ったから、今はまだ魔法少女のみが敵だ。あの魔法都市に暮らす全員が血眼になって、研究室を探すようになってしまうといけないと思って。
「ですが」
今回そらの連中は大きく動いた。今までほとんど干渉してくることなどなかった。だが、今は積極的に動いているように見える。彼らがここまで動いてくることなど、この数百年間なかったことだ。それだけ今のこの現状が彼らの目的に近いのだろう。
「……させないです。させないです。魔女の寵愛を受けるのは私たちです」
奴らの方が貴重な素材を持っているとしても関係ない。試していないだけで、私たちの方がたくさんの怪人を生み出してきた世界線を支えてきたのは私だ。
壁にあった魔法石も、次々に取り込まれていく。
タマムシ色に輝き始めた。それはどんどんどんどん大きくなっていく。
「久しぶりに金級の子をつくりましょうか」
腕によりをかけて。
翌日からさくらこはアンリやマツリと空いた時間勉強をすることに。はじめは優しく教えてくれていた2人だったが、次第に熱がこもっていき試験の直前には。
「なんでわからねーんだ!ここを!こう!!んで!!びっびっ!だろうが!!」
「こんな基礎、基本中の基本。出来なければバカの極み」
「うわああああん!!灼熱地獄と極寒地獄みたいな温度差で責めるのやめて!!」
さくらこは音をあげて逃げ出していた。
「待てコラさくらこ!!アルファ!!」
「ひぃいいい!!勇者の剣!!」
剣の腹で打ち返し。
「逃がさない。ウチの勉強終わってない。翠鳥籠」
「いやだああああ勇者の剣!!」
風の檻を叩き斬って夜の学校へ逃走した。
彼女が学校にたどり着くと声をかけられた。
「ん。よぉ!じゃじゃ馬春風じゃないかい」
振り向くとフクロ教授がいた。
「かかか!!悪いやつだな。夜は外出禁止だぞ。かかかか!!私もか!はっは!」
軽快に笑う彼女はどうやら酔っているようだった。
「聞いたぜ春風ぇ!」
さくらこの肩に手を回し、のしかかってきた。
「オクト=タコニチュアと話したんだってなぁ!羨ましい限りだぜ」
彼女の口からオクト=タコニチュア。タコさんの名前が飛び出したのだ。
「なんで、タコさんの事を?」
「んーかっかっか!気になるか?知りたいか?知的好奇心は大事だぜ!」
ついてきな、と彼女は手招きした。
「テストに出ねーが特別授業してやるよ」