研究室
モニターに映し出されたのは体育館。
「いやいや、なんもないじゃないですか、先輩」
「【蒼拳】からの要請だ。気を抜くな。」
2人は杖をだし、警戒をしている。
「どうやら勘づかれてるみたいだな。どうせ見つかるなら役にたて、ポチッとな」
教授はボタンを押し体育館の魔法が作動する。
生徒会からの要請でちょうど見に来ていた守衛たちが、その現場に遭遇する。
床の魔法陣から怪人が現れる。ピチピチと水音を立てて、網タイツを履いた巨大な手足つきの魚が召喚された。
「さーけさけさけ!我が名はサーモンダイヤモンド!」
「なんだこいつ」「いいから撃て!」
即座に魔法を放つ守衛たち。モニターには、閃光が飛び交う。
「ははは先輩!こいつ弱いですよ!」
「おい!油断するな!怪人は」
先輩の守衛が警戒を促すも
「おせーよ」
怪人がその場で爆ぜる。あたりには、キラキラした赤とオレンジのボーリング玉くらいの卵があたりに散らばる。
「さーけ、さけ、、さ、け、いくらボンバイエ!!!」
事切れる寸前に放出された卵が一斉に孵化する。
「「「「「「「さーけさけさけ!」」」」」」
「ひっ!」「ちっ!」
2人の守衛は必死に魔法を放つも、次々に産まれる怪人の波に飲み込まれてしまった。
モニターを見ながら教授と呼ばれる彼女は、助手に促す。
「さてさて、今回のこいつは、ランク入りできるかね。銅品目書を持って来てくれ。」
「はいよ」
彼女のタブレットにデータが送られてくる。今まで制作した怪人たちだ。立体映像を空中でスライドさせながら、吟味する。
「ここ最近は納豆、オクラ、めかぶ。やけにネバネバしてんな。健康ブームでもきてんのか?」
「粘り気のある怪人のほうが根性があるとかで」
「彼女も、もの好きだね。銀品目書は?」
「稼働してるのはこんだけっすね」
「銀は魔法少女を撃破した怪人ですからね。数は一気に減りますよ。花蜂。撃破した魔法少女数2人。念鬼。撃破魔法少女数3人。全滅女王撃破魔法少女数12人。このあたりは、結構話題になりましたからね。」
「今回のサーモンくんはどこまでいくかな。彼をとめるのはだれだろうな。【蒼拳】か【処刑人】か【炎牙】か【雷獅子】か。データをとらせてもらうぞ。魔法少女ども」