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魔法の授業2

「北棟の地下に魔法実習室がある。あと10分ではじまる。筆記用具とノートと杖を持って来い。おれは準備があるから、少し遅れる」

さくらこは、アンリやマツリと一緒に移動する。

「朝から大変だったみたいだな」

「私たち寮も大変だった。不審物探し」

「いくつか呪いの品っぽいのは出てきたみたいだけど、私物だったみたいだし。とりあえず大丈夫だろ」

「それって大丈夫なの?」

魔法実習室と書かれた教室に移動し、扉を開けると目の前に広がるのは森。明らかに教室の広さじゃない。


「ふぁ?!」「うぉ!」「これって空間拡大魔法?!すごい高度な魔法」

アンリもマツリもさくらこ同様に驚嘆の声を上げる。息を吸うと土や葉の匂いがする。足元もふかふかで気持ちいい。すると爽やかな気持ちに水を差すような嫌味な声が聞こえる。

「はやく入ったらどうだ?色なし。あほ面さげて恥ずかしいぞ」

「出たなキンタマボーイズ」

「やめろ、それ、いいかげんにしろ!」

中に入ると木々の間に机があり、他の生徒たちもたくさんいるようだった。クスクスと笑っている。

「元気があるのは結構だが、早く座れ」

ベアーズ・ロック先生が唸りながら、牙をチラつかせて表れた。

「さて新入生諸君。この第3魔法学校に来たからには、魔法を極めてもらう。だが、どんな魔法も基礎が出来てないといけない。まず、魔法都市マジブロッサムで使える魔法について話そう。」

ロック先生はゴツイ杖を取り出して、地面に叩きつける。

ゴウンという音と共に、土が舞い上がる。そのままその土が浮かび上がり、街をつくりだす。中央に巨大な大樹をすえた魔法都市マジブロッサムのミニチュアが表れる。


「魔法力はなんによって決まるかね。ん?」

ピンとアンリが手を高くあげる。

「魔力、杖、使う魔法のかけ算」

「そうだ。これは旧時代的な考えだから、旧魔法と呼ばれている。体質や生まれに左右され、扱えるものが少ない。だが、魔法都市マジブロッサムは、地下に魔石を大量に埋め込むことによって、他の地域よりも空気中の魔力濃度が高く魔法を扱いやすくなっている。つまり、大地の魔石が魔力を補っているということだ。杖があり、魔法を知っていれば誰でも魔法を使える街ということだ。だから、魔力を持たずに魔法を使うものも少なからずいる。」


「へぇ。」

「色なし。てめぇのことだよ」

「んな!」

「そこ、静かに」

ロック先生が杖を振るうと街の地下に星のように無数に輝く光がうまれる。


「魔石は貴重だが、世界中の国々が協力して魔石を集めた。今写っている光は反応がしっかりしてるものだ。微細な魔石もあわせると数えきれない全域にまかれている。魔法の発展と、人類の悲願のためにな。中には国宝ともいえる貴重な、魔石よりも強力な【魔王石】もいくつかあるそうだ。この場に居合わせた新入生たちは、国、人種、種族を超えてこの場に集まっている。それぞれの期待を背負っている以上、大いに学べ。この教室にも魔石が敷き詰められている。」


「まずは、基本的な魔法からだな。新魔法・魔法種シードだ。球をイメージして、杖をふるう」

先生の杖先に白い光の球が、ポコンっと浮かび上がる。

魔法種シードは魔法の基本だ。杖に魔力を込めると生み出すことができる。そして、魔力の揺らぎや強弱を加えると」

彼はポコポコと色んな大きさや色の球を浮かばせて、森を幻想的に彩らせる。

「様々な魔法を使うことができる。」

球は燃えたり、凍ったり、輝いたり、様々な様子に姿をかえる。


「わぁ…」

「きれぃ」


しばし、うっとりとその様子を見ていたが、


「は、魔法種シード?天下の魔法学校の癖に魔法種の魔法を教えんのかよ。赤ん坊でもできるぜ。所詮亜人の授業。この程度かよ」


鼻につく声が聞こえてきた。

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