魔法の授業1
「またしても魔法少女のせいで計画が」
机を殴りつける男。
「なぜマジカルブルーの反応が2つも現る。奴は双子なのか?魔法蟲だって只じゃねぇ。全滅だと。あー、おれの金が」
「馬鹿だねぇー。」
「なんだと」
「計画ってのは、二重に三重に練っておくもんさ。潜入員に体育館に種をまかせ、その異変を伝えさせる。種の中には魔法蟲の卵。魔法検知に引っかかっらないからね。あとは、世界樹の魔力を吸って成長、破壊されたら分散。ほとんどやられるだろうけど、何匹かを潜入させて、魔王石を探すのに使う。なかなかいい計画だったじゃないか。」
「教授。あんたならどうしたんだ。」
「なんだい助手君。わたしだったらか?魔法蟲の中にさらに別の策を仕込む。たとえ魔法蟲が全滅しても爪痕のこせるようなね」
「はっ。それこそ用意周到すぎるだろ。」
「ふふふ」
「俺は、怪人作ってくるわ。あと数体必要だろ?教授あんたは?」
「ここで出来ることって研究くらいだろ。一つ実験をする。今日は怪人を商店街に近ずけさせないでくれ」
「了解。魔王石のサンプルが一つでもあればな。怪人作りもらくだろうに」
彼が出ていったあと、彼女はモニターを見る。モニターには魔法陣が描かれており、のこり58パーセントと書かれていた。
「仕込みは上々。」
翌朝。桜子は遅刻寸前で世界樹の根元までやってきた。ぬいぐるみのような魔法生物?はホームのベンチに座っていた。
「おや。随分遅い登校だね」
「はぁ、はぁ、はぁ、なんでこんなときに商店街で爆発事故なんて起きるのよ!ごめんね、まった?え、と」
「大丈夫さ。自己紹介がまだだったね。オクト=タコニチュア。オクとでも読んでくれ。しがない元勇者さ」
「春風さくらこ。今日は付き合わせてごめんね。」
「うら若き乙女の誘いは勇者として、無下にできないからね」
普段使っている道は封鎖されており、大回りをしないと行けなくなってしまった。早くホウキ免許を取りたいとこだが、今はそんなこと言ってらんない。遅刻しちゃう。
「ごめん!」
とぬいぐるみの彼を拾いあげ、バッグに突っ込む。
「むぐ?!」
「おじさん乗りまーす!!」
と、モップに乗り込んだ。
「駆け込み乗箒はやめろって。あぶねーんだから」
「ごめんなさい。」
たくさんの学生がじとっとした目でこちらを見てくる。世界樹を登っていく。
「おじさん。いつもこんなに人が多いの?」
「いんや。今朝の爆発騒ぎのせいだ。空はホウキで逃げやすいからな。犯人とっ捕まえるため、いたるところで検問されてる。面倒でモップ便使う学生が多いのさ」
「それで。」
「ま、気をつけなじょーちゃんも」
学校につき、教室に向かう。今日は、ホームルームからだ。
「春風。朝から大変だったな。」
「すみません遅刻してしまって」
「かまわん。それよりも、カバンにいるのはなんだ?」
クマ先生は鼻をヒクヒクさせた。
「あ、これは」
オクを取り出す。クマ先生はじっとそれを見て、若干驚いたようだ。
「春風。今日は仕方ないが、あまり勉学に関係の無いものは持ち込むな。警備員たちが昨日の体育館の件でぴりついている」
「は、はい。すみません。気をつけます。」
「カバンにしまっときなさい」
今日の1時間目はクマ先生の魔法学だ。算数、国語、科学、歴史、魔法・魔術学、魔法薬学、魔法体術などが基本カリキュラムで、授業のあるクラスに学生が行く形になっているようだ。