愛があふれるニュースター
今年の2月24日に「ウマ娘 プリティーダービー」がリリースされました。
日本競馬界の競走馬を擬人化させたウマ娘たち。彼女らを育て走らせ能力を継承させていく、「パワフルプロ野球」と「ダービースタリオン」を合わせたようなゲームです。本来は2018年にリリース予定でしたが開発が間に合わず、プロモーション用のアニメだけが先行してまったり、遅れ過ぎたおかげでアニメ第二期が作れたりしました。
しかし時間をかけただけあって、スマホ用ゲームとは思えないほどに3Dの動きが作り込まれています。ゲーム性も悪くないです。特にウマ娘の育成に関してはネット上で盛んに議論がされるほどプレイヤーを夢中にしています。
さて、「ウマ娘」はリリース4日後にGoogle playのランキング1位に輝きました。以降、約2か月半1位をキープ。2位に落ちた後もすぐにトップへ返り咲きました。現在も基本的には1位に居ます。たった今、確認したらやはり1位でした。
これはどれくらい凄いことなのでしょうか?
私は「ドラゴンボールZ ドッカンバトル」というアプリをやっております。6年ほどサービスが続いているのでソシャゲとしては、かなり人気のある方でしょう。そんな「ドッカンバトル」ですが、去年Google playのランキング1位になったのは9回だけです。そしてこのゲームは「祝1位」ということでガチャを回す石を、1位を獲る度に配布してくれます。
それほどにランキング1位を獲るということは難しいのです。それを2か月半続けることは本当に異常なのです。それほどの異次元な人気が「ウマ娘」にはあるのです。
「ウマ娘」の人気を支えるのは当然「ウマ娘」プレイヤーなわけですが、そこを3つに分けてみましょう。
1.競馬は知らないけどゲームを楽しむ。
2.競馬ファンでゲームも楽しむ。
3.競馬知らなかったけど「ウマ娘」やってから色々と学習してゲームをさらに楽しんでいる。
やはり2番は大事に取り込みたいですね。
せっかく競馬という半世紀に及ぶ歴史を持つ娯楽をバックボーンにしているのです。ここを活かせなかったら、そりゃ痛いですよ。競馬とは無縁の生活を送っている方には想像が難しいと思いますが、競馬人口は侮れない多さです。去年はコロナで人を入れられなかったのですが、その前の年の日本ダービー。東京競馬場には11万人の観客が集まりました。府中へ出向けられる人だけでも、それだけの数です。
かつて格闘技ブームの際、桜庭和志vsミルコ・クロプをメインにして、なんとか国立競技場に10万人集めようとしたのですが無理でした。吉田英彦のプロデビューがあっても無理でした。10万人超えとはそういう数字です。
競馬ファンが「ウマ娘」を褒める時に「史実を再現している」と言っているのをよく見かけます。ここでいう史実とは実際の競馬のレース、その着順だったり、枠であったり、レース展開のことでしょう。確かによっぽどの競馬ファンでなければ分からない小ネタをまで拾う内容は「史実の再現」です。しかし、本当はそこを面白がっているわけではないと考えます。そこまで分かっている製作者。そうした人間が作りだした競馬愛にあふれたゲームだから楽しめるのです。
当然ですが史実において、レースを走っているのは馬です。この時点で「ウマ娘」は史実からかけ離れています。しかし雄々しきサラブレットが可愛い女の子になっても、プレイヤーに「なるほど、ナリタブライアンはそこを強調してきたか」と言わせてみせる製作陣なのです。決して萌えやエロを一番に考えているわけではない。競馬への愛、競走馬への想いを「ウマ娘」というコンテンツに落とし込んでいるということをプレイヤーは理解しているのです。そこには信頼があるのです。だからこそ、どっぷりとゲームにハマれるのです。