ある異教徒の遺書
文字を書くのは苦手だから、これはそこらで捕まえた青年に書いてもらっている。運命も救いもないこの世界で、その選択が正しいとか、間違っているとか、そんなことは多分ないと思うんだ。ただ、幸せになるとか、不幸になるとか、そういう結果が待ち受けているだけで。だとしても、これが本当に不幸せなんだろうか。きみはきっと最後までぼくを見届けてくれただろうし、ぼくは最後まできみを見届けた。どこまで生きたって、それは変わらなかったんじゃないかな。たまたまちょっと、死ぬのが早すぎただけ。そう思えば、ぼくもなんとかきみの後を追えそうな気がするよ。本当の神様は誰だったのかな。でもやっぱり、きみだったんじゃないかな。下らないぼくを生かしてくれたのはほかならぬきみだったから。そしてぼくは、そんなきみに限って、きみに付き従うと決めているから。
愛しているよ。
最愛の神様に
アイドネウス・ザウアー
ここまでお読みいただきありがとうございました。至らない点がいくつもありましたが、なんとか完走できたことがモリにとっては最高の報酬でした。是非評価・感想などを頂けましたら今後の励みになります。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。