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幼馴染から貰った魔法がチートすぎる  作者: 作者
1章 幼年期編
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07話 師匠



父さん、母さんに勝利してから3日後、領主のフランツ男爵から呼び出された。

僕は母さんにいつもよりも綺麗な服に着替えさせられ領主邸へ向かうのだった。


「いやぁ、やっぱりマズかったかな?」

「そんなことないわよ。息子の事を自慢してやりましょ

師匠の弟子の子供は強いぞってね」

「はは、」


父さんは苦笑いしながら母さんとの話している。一方母さんは僕のことを紹介できるのが嬉しいようでウキウキしている。

領主邸に着くと門番の騎士にお辞儀された。父さんが

あれ?お、父さんこの街の衛兵長だからかな?いまいち関係性がわからない。


「ソラは心配しなくて大丈夫よ。今回は領主としてではなく、父さんの師匠としてよばれたのだから。おそらく弟子を負かした相手の顔を見ておこうって事だと思うわ。

まぁ、あっても一回ドンパチするくらいわよ」

「はぁ。大丈夫でしょうか。それでも最低限の貴族の礼儀とかありますよね?僕わかりませんよ」

「あら?ドンパチよりも礼儀の心配とは、さすがソラね」

触れないようにしたのに!


そんなこんなで3人はメイドに客間に通される。

あ、リアルメイドだ。

紅茶出してきた。


「? どうなさいました?」


メイドさんのことをガン見していたら気がつかれてしまったり。


「い、いえ。なんでもないです。この紅茶おいしーですね」

「ん?まだ飲んでませんよ?」

「あっ!?」

「クスクス。緊張なさらずとも大丈夫ですよ。フランツさまは優しい方ですので……ちょっと、強いものを見ると目の色が変わるたわけで」


ぬぬぅ。だいぶ緊張しているようだ。

てか、母さんといい、このメイドさんと言い、だいぶ怖いこと言ってるのだけど大丈夫かな?


「またせたな」


緊張が、治ってきたところで着物姿の老人が入ってきた。

腰が曲がって杖をつき、白髪で長い髪を後ろで束ねている………おばあちゃんが!しかも着物姿!

あれ?女の人?

僕がキョトンとしてると両側に座っていた父さんと母さんが急に立ちお辞儀をする。慌てて僕も2人に習い同じくお辞儀をする


「「ご無沙汰しています。フランツ師匠」」

「えっ?。あぁ、……はじめまして」

「そんな堅苦しい事はよいのじゃ、さぁ座って。おっと、坊やははじめましじゃない。わたしゃここの領主をやってるフランツじゃい」


経歴おかしいとおもったけど、更に女性の方だったとは。

挨拶をして席に着くとフランツさんは口を開いた


「それでの、いくつか聞きたいことがあるのじゃが良いかの?」

「はい。なんでしょう?」

「そうじゃのう、まずはあんたたち2人は実の子供に負けたのは本当かい?」

「はい。2対1で負けました。」


父さんが答える。その表情は悔しそうだ。


「言いつけは守ったんだろうね?」

「はい。師匠の教え通り全力で戦いました。家内も全力だったと思いまする。あの杖も持ち出したので、装備も限りなく本気に近かったです。」

「そうかい。いやぁ、ソラくんすごいね。」

「そんなことないです。父さんと母さんがいつも稽古や魔法の練習に付き合ってくれてるので……」

「ほほう。では、もうトムとセシリーからおそわる事は無いのかな?」

「そんな事はないです。母さんは僕の知らない事を丁寧に教えてくれますし、それにわからないことは一緒に調べてくれています。父さんはいつも厳しいですが、丁寧に……」


ん?父さんから教えてもらった事って無いような…


「父さんはすごいんです」


何がとは言わない…


「ぬ。ソラそりゃ無いぞ。こう色々教えただろう。例えば…こう……すごい事をね」


父さんも思いつかなかったようだ。この父、脳筋である。


「ふふっ。トムよ、お前は他人に教えるのがへただったからね。しょうがないさね」

「師匠そんなぁー」

「弟子の不始末は師匠がつけなきゃね。ほら、ソラくん、外に出るよ?」

「えっ?」

「えじゃないさ。ここに呼び出したのは、ゴブリンの殲滅作戦に参加するだけの実力があるかどうかを見極めるためだよ。私と斬り合っていい線いけたら作戦の参加を認めてやるし、なんなら本当に剣術教えてあげてもいいぞ」

「領主様。そんな時間はございません。ただでさえゴブリン殲滅作戦の人員手配や食料の調達、エルフとの連携などやる事が多いのに…この場も、なんとか無理をして時間をつくったんですよ?」

「だまらっしゃい!」

「ひっぃ」

「メイド長の分際であたしゃに口答えするんじゃないよ。さっさと関係各所に走って調整してきな!」

「は、はいっ」


フランツさんはメイドさんに喝を飛ばして部屋から追い出した。


「僕の武器、ありませんよ?」

「セシリー?もってきてるんだろ?」

「はい。ソラ、あなたの木刀をもってきたわよ」


母さんがアイテムポーチから僕の木刀を出した。

?、なにその鞄。モシカシテ…


「あぁ、ソラには見せた事なかったわね、これは魔法鞄(マジックバック)と言ってある程度の物をこの中に入れることができるのよ。とっても貴重で貴族や上級冒険者しかもってないのよ?」


おお、ザ・異世界ファンタジーですね。

母さんから木刀を受け取り、フランツさんの後についていく


「ほれ、ここじゃ」

「おぉ、ザ・道場」


一度庭に出て案内されたのは道場のような建物だった。中に入るとまんま道場だった。


「ここは前回の勇者様がおつくりになった建物でのー。ほれ、はじめるぞ」


そういってフランツさんは壁に飾られていた()()()を手に取り抜き去る


「ほれ、殺しはせぬ、どっかられもかかってくるがいい。

あぁ、この道場内に入った時点で全員に自動でプロテクションの魔法がかかり続けるから心配せんでも大丈夫じゃぞ?それにこの建物自体もちょっとやそこらでは壊れはせんから本気でかかってきても平気だぞ?」


おぁ、これぞチート技ですな。物理・魔法ダメージを1回のみ無効化の魔法をかけ続ける建物とか…勇者さん自重してないですねー。


僕はその場で屈伸して、深呼吸して、目をつむり、全身に魔力を覆うようにイメージする。

体全身に魔力をいきわたらせることでとっさの魔法の使用時に魔力を集める手間を省ける。


「じゃぁ、いきますよ? 父さん、母さん、行ってきますね?」

「師匠は強いぞ」


と、父さんが言い。


「ソラ君の実力領主様に、父さんの師匠に見せつけちゃってね」


と、母さんが言った。


「では……」


今回は1体1だ。出し惜しみせずに全力で行く。【身体強化】+【思考加速】発動。

魔力の残量を確認しつつ攻めるプランを考える


「行きます!」


一歩踏み出し、道場内を進んでいく。フランツさんまでの距離を確認しつつ、一歩一歩近づいていく。

距離5メートルに迫り、木刀の刃先を左後ろに構る。フランツさんは両手で刀を持ち上段に構える。

左足に力をこめ。一気に右足を前に出し距離を詰める。身体強化により1歩で3メートルは跳躍できる。

距離2メートル。フランツさんは僕の切り上げを予測し上段から前に踏み出しつつ剣を振りおろし始める。

僕は木刀を切り上げつつ右足が地面につくと同時に【体内加速】を発動。周りがさらにゆっくりになる中で自分のみが通常通りに動ける。地面についた右足に魔力を通わせそこに足場を作り、()()()()()()。それと同時に木刀を投げる。

直進してくると予想していたフランツさんは刀を何もない空間に刀を切り下ろし、そこに僕の魔法で射出された木刀が飛んでくる。フランツさんは剣を振り下ろした力を無駄にせず、転がるようにしてぎりぎりでかわす。


【体内加速】×3


急加速で木刀のすぐ後ろに追いかけてきたソラは転がるようにして木刀をかわしたフランツさんを確認し、追撃の為にフランツさんの移動先へ向かう為進行方向を変更する。

右手に魔力集めてる。

フランツさんは僕の追撃を察知しとっさに下段から横に薙ぎ払うように刀を振るう。正直6歳児の体で一番怖いのがこの剣の振り方だ。これ以上しゃがむことはできないため刀の軌道の下には回避できない。かといって上に逃げるのは一番の悪手。いくら体内強化で他者よりも早く動けていても空中にいる間はとっさに攻撃を避けることができない。(一応魔力で足場を作れば移動はできるが、それをとっさにできるかと言われればまだ僕の実力不足で、できないのだ)とれる選択しは一度バックステップで距離を開ける。

一応外周を回って回避してからの攻撃も可能だが、あることに気が付いて一度距離をとることにした。

距離を取り、【時間加速】を解除する。


「フランツさん強化魔法は使わないんですか?」

「あぁ。バレちまったようだね。いやぁ、ウチの騎士からとにかくトムの息子は早かったと聞いてね。どの程度早いのかと思って一度生身で体験してみたんじゃよ。でもまぁ、ソコソコってとこだったね。そんなもんかい?」


マジかよ。このおばあさんどうなってるんだよ。6歳児と言いつつも体内加速4回で16倍に加速してんだぞ。


「いやいや、こちらも様子見でしたよ。まだまだ早くできますけどいいんですか?」


できなくはない。ただしこれ以上はMP消費がやばいだけで……

消費されるMPは自分の体内時間に応じて消費される。つまり1秒MP100消費だったとしても、体内加速の場合には周りの1秒は自身の2秒になるのでMP200消費されれる。それを重複して使用しいるのだ。

今ので通常の16倍。さらに加速することは可能だが、ギリギリまで近づいてから使用しないと、近づく途中でMPが切れて力尽きてしまう

「そうかい。じゃぁこっちも本気で行くかの。【思考加速】+【身体強化】+【老体治療】」


なんか違うの混ざってるヨ!


「【縮地】」


フランツさんが一気に距離を詰めてくる。あー。コレ、ヤバイ。フランツさんは刀を右から薙ぎ払ってくる。

【視界内転移】

移動先は壁に突き刺さっているマイ木刀。最近は一緒に父さんに打たれ合い、この間ついに父さんを倒すことができ二人?の間に友情が芽生えてきた気がする。

(父さんへのとどめは僕がさしちゃったけどね)ついこないだマイ木刀に名前を付けました。

剣を抜き放ち、自分自身に魔法を行使する。イメージは自分の壁をける運動エネルギーを強くする

自分をフランツさんへの射出。

ただただ一直線に、そして求めるのは速度のみ。

フランツさんはそれを見て僕が自分の位置まで飛んでくるのを察したのか、その軌道上をたたき切る為刀を構える。


「行くぞ、幼刀【六歳】!」

「そのままじゃねーか!」(父さん)


二人の刀が重なる。

片方は伝説級武具に認定され勇者が使っていたとされる神刀【天照】。

もう片方は武具やで売ってた木刀。ただしその木刀には異常なまでの魔力が注がれていた。

尋常ではない強度へ物質変化された木刀はまさに妖刀。

ボキ……ソラの持つ木刀はフランツの日本刀にきれいに切断される。

てめーよくも僕の幼刀【六歳】を……

ごめんな幼刀【六歳】、お前の犠牲は忘れないよ。


刀同士がぶつかる直前から【体内加速】を重複させていく。


木刀を切断しそのまま僕を切ろうと刃が目の前まで迫るが焦らずに、自分の手のひらにある魔力を使い刃の側面にふれながら自分の体を回転させて刃をよける。


そしてゼロ距離。


老婆にすれ違いざまに離れないように横から抱き着く。

そして老婆にかかる重力を【重力魔法】(ソラ命名)で増幅していき、それと同時に自分に【体内加速】をかけ続ける。周りの時間がどんどん遅くなり。自分から発動される重力操作も力を増していく。

フランツさんは苦痛に顔を歪めようとするが、それすら許さない。

気が付いた時には【プロテクション】が剥がれフランツは地面に倒れていた。


「……僕の勝ちですよね?」

「し、師匠~~」


父さんが叫んでいる。いや、死んでないよ。

ほら、フランツさん起き上った。


「いやー。模擬選で負けたのは久々じゃい。勇者以来だったかの。そういえば、その時の勇者もおぬしと同じように急に早くなったりしておったのー」


お?気になることを言ったな。ちょっとそのあたり詳しく聞きたい


「ここにいましたか領主様。もう待たせれれませんよ。王都の騎士様が見えてるんです!

こんなところで油を売ってないで早くきてください!」

「うるさいのー。…すまないが、わたしゃ呼ばれるから行ってくる。とにかく私に勝ったのだ。ゴブリンの件参加を許可する。頼んだぞ!私たちも協力するが私の立場上私が出向くことはできん。そうなるとこの街で一番強いのはおぬしじゃ。」

「ほら早く行きますよ」


フランツさんがメイド長に連れていかれる

「詳しくはまた追って知らせをだす。その時はたのんだぞぉ~~」

あ、見えなくなった。


「父さんごめん」

「ん?師匠に勝ったことか。気にしなくていいと思うぞ。実力のある者が勝つ。それだけだ」

「いや、そうじゃなくて……」

「木刀のことか?結構使っただろう、あれだけ持てば十分じゃないか?最後に勇者の剣にきられて幸せだっただろう」

「いや、それもあるけど……あれさ・・・」


そう言ってソラはフランツさんが倒れていた場所を指さす


「マジ?」


そこだけ床が大きく凹んでいた。勇者が作ったとされる、ちょっとやそこらじゃ壊れないはずの魔力で守られた床が……


「母さんどうしよう。修理できないよ…」



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