03話 魔力制御
「ソラ。起きろ朝だぞー。ってなんでこんなとこで寝てるんだよ。布団で寝ろよ」
目がさめると部屋の扉の前で寝ていた。
あれ?なんでこんなところで……
「寝ぼけてないで顔洗ってこい」
「父さんおはようございます。はい。行ってきます」
んー、確か、転移魔法を試してて、なんで急に倒れたんかだ?
顔を洗ったら父さんに聞いてみるか。
「父さん。魔法一回使っただけで倒れることってありますか?」
「ん?急にどうした?父さんとの剣術の訓練の前に魔法の質問とはいい度胸だな。そういうのはアレだ、母さんに聞いてくれ」
脳筋に聞いたのが間違えだった。
「ほら、喋ってないで朝ごはん食べちゃって。私はソラが父さんと剣術の訓練してる間に図書館に行って本を借りて来なきゃいけないから忙しいのよ。はやくしなさい」
「「はーい」」
朝ごはんを食べ終わり父さんと庭に出る。
ちなみに朝ごはんは硬いライ麦パンとミルクでした。おい、転移者もっとうまいもの広めろよ。てか、昨日の晩御飯もだけどなんかすごく昔の食事のような気がする。
まぁ、高校2年生の僕はぜんぜん歴史?とかの勉強をしてなかったからわかんないけどね。
「ソラ。では今日から稽古を始める」
「おぅ」
「では、まず最初の稽古だ。」
「まずは僕の身長に合う剣ですか?」
ボカッ!
殴られました。大の大人が5歳児をグーで殴りました。
親父にも殴られたことないのに!
あ、今はこの脳筋が父親でした。
「お前はなめとんのか!まずは、走り込みじゃー」
「は、はい!」
はいとしか言えなかった。それから僕は父さんに追いかられながら家の外に出て町の外壁まで行き、外壁の外をひたすら周回しました。この脳筋コワイ。ナニコレ?イジメ?そんな感じで今日の稽古?訓練?が終了しました。
「基本の体力作りからだ。今日から毎日走り込みだ。覚悟しておけよ。5歳児が剣を握るなど10年早いは!」
結局お昼の鐘が鳴るまでずっと外周を走らさられたのだった。
だめだこのオヤジ何とかしないと……
そんなこんなで、家に帰ってきて母さんの作ったおひるごはんを食べて今日の午後は母さんから魔術を教えてもらうことになった。
母さんと二人で庭に出て母さんが本を見せながら魔法について説明してくれる。
「ソラ、これから魔法について教えるけれども、本当は10歳になって学園に行ったときに習うことなの、仮に魔法が仕えたとしても周りを見下したり、偉ぶってはダメよ」
「はい。母さんわかりました」
「まずは基本的な魔法について説明するわね。わからなかったら本に書いてあるから読み直すのよ。
まず魔力とは……」
この世界の人間には魔力を作成する臓器あるらしい。位置的には心臓のあたりだそうだ。そこで魔力を作成すると血管を使い体全体に魔力をいきわたらせるらく。さらにこの世界の人間は魔力がないと生きていけないらしい。
また、魔力は空気中にも多くあり、体内で不足する魔力は自然と周りから吸収するのだそうだ。
その魔力を使って魔法を使うことができる。その時に使う魔法の種類をスキルというらしい。
また、同じ魔法でも魔術出力が多ければより大きな効果を引き出せて、魔術制御力が高ければより正確な魔法を使うことができるそうだ。
大きく分けてスキルには4つあり
・通常スキル(生活魔法等)
生きていくのに必要な魔法だそうで、意識していなくても習得することができるそうだ。たとえば暖炉に火をつけたいと思ったら、暖炉に向けて「火よ付け」とイメージすると勝手に体内の魔力が消費されて火が付くそうだ。
・属性魔法(火、水、風、土属性魔法等々)
この世界の表現では難しいくてよく理解できなかったが、元いた世界との比較で考えてみるとイメージしやすかった。
属性魔法は通常の物理法則を無視して、(これは仮定だが物理法則のおかしいところを魔力が補てんしている?)現象を引き起こすことを言うそうだ。
生活魔法で得意な種類の魔法が属性魔法スキルになるってことがほとんどらしい。
たとえば、火をおこすときに、その火は何を燃やしているのか?現実世界では空気中の酸素を消費して火は燃えている。これをこちらの世界で魔法で置き換えると、空気中の酸素と燃えるための熱量を魔力が代行しているようだ。
もっと簡単な例でいえば、風を起こすときは現実世界では自分でうちわをあおいだりと運動が必要である。その運動を魔力が代行してくれる。ほかの魔法も基本的にはこのなんでも魔力で解決って考えでいいようだ。予測しているものは魔力。その魔力を生成する臓器も人間に備わっているとは……あれ、死ななくね?
(実際には、物質を作る時、運動エネルギーを生み出す時、その使用用途で魔力の使用量が異なるらしいから、魔力で食べ物を作っても割に合わないそうだ)
・強化魔法(身体強化、思考加速、回復魔法)
属性魔法が熱量変換(火・水属性)や運動エネルギー変換(風・雷属性)、物質創成(土属性)等の外的魔法だったの対し強化魔法は自身の体内の複雑な部分をザックリと改変する魔法のことだ。
本当にザックリしているため、例えば思考加速とかは、脳の動きや目で拾った信号を高速化しているのだろうがそんな構造は理解できるわけがない。しかしできてしまう。もちろん魔力は消費するが……そんな感じの魔法なのだ。
・エクストラスキル(ギフト)(時間魔法、転移魔法、成長速度UP)
ごく稀に人外的な強さを持つもとが目覚めるスキル(魔法)だそうだ。観測例が少なすぎて本にはほとんど乗っていなかった。
簡単に言うと、物理法則を完全に無視して発動する魔法だそうだ。しかも、使用する魔力は専用の計算式だそうだ、一般的にありえない変換効率だそうだ。
確かに、転移魔法とか運動エネルギーが0で移動しているわけだから意味が分からない。
そんな感じで母さんと足りないところは本で補足しながら教えてもらった。
「そろそろ晩御飯の準備をしなきゃいけないから、今日は終わりね。ソラには難しい話だったかしら?」
「うんん、母さんの説明、わかりやすかったからだいたいわかりました。」
「ほんとに?5歳児で今日話したことが分かったら、将来は宮廷魔術師になれるかもね?無理しないでいいよ。そういってくれるだけで母さんうれしいから」
まぁ、そりゃそうだよな。最後に1個聞いとかなきゃ
「母さん最後に1個質問していい?」
「ん?いいわよ。なんでも聞いて?」
「魔力保持量ぎりぎりまでとか、使い切るまで魔法を使ったらどうなるの?」
「あら、難しいことを考えるのね?人間の体って不思議でね、一度魔力を使い切ると今までよりも多くの魔力を体に取り込めるようになって、魔力の精製も今までより多くなるのよ。」
「なるほど、母さんありがとうございました。自分の部屋で本読んでますね」
そういうとソラは本を抱えて自室に走って行った。
「ほんとにわかってるのかしら?でも、質問してくるってことが理解してるのかな?これは将来が有望ね」
なるほど、昨日倒れたのは転移魔法1回でMP(魔力保持量)を使い切ったからだったからなのか。実際ステータスで確認してみると昨日よりもMPが100増えていた。
「1回使い切って1割も増えるのかな?それとも100固定なのかな?この辺りは回数をこなしてみたいとわかんないな……[視界内転移]……っう。おおぉ。すごく体がだるい、…ス、【ステータス】」
[ソラ](遠藤 空)レベル5
魔力保持量(MP):100/1100
最大魔力出力:1100
最大魔力制御:0500
使用可能スキル(魔法)
通常スキル
なし
強化スキル
なし
エクストラスキル(ギフト)
【時間魔法】レベル1
【転移魔法】レベル1
【成長速度UP】レベル1
おお、MP残量が100しかない、ステータスだしたついでに昨日見損なった時間魔法と成長速度UPも詳細を見てみようとおもいエクストラスキルの項目をタップした
【時間魔法】レベル1
体内時間を操作できる魔法。レベルが上がることで体を過去の状態に戻したり、
意識を過去に飛ばすことができる。
・使用可能魔法(発動型)
【体内加速】自分自信に加速魔法をかける。通常の2倍速まで可能
強化魔法の思考加速は思考のみを加速し周りがゆっくりに見えるのに対し、
こちらの魔法はゆっくりに見えてなおかつこちらは通常通り(相手から見たら高速に)移動可能
【転移魔法】レベル1
指定座標への転移が可能。レベルが上がるほど座標選択範囲が広がる
・使用可能魔法(発動型)
【視界内転移】視界内の最大1メートルまで転移可能
【成長速度UP】レベル1
意図しなくても、経験したことや、見たものを自分の力にしやすくなる。
・使用可能魔法(随時有効)
【経験吸収量UP】経験した記述を自分のものにしやすくする
【自立回復効率UP】筋肉の再生や魔力保持量の向上時の効率が上がる
ん?なんかやばくね?特に体内加速って実質2倍で動けるってことじゃね?
「じゃぁさっそく【体内加速】って言葉にだす必要はないのか……あっ」
MPないの忘れてた……
翌日。
朝起きて、寝ている間に回復したMPをぎりぎりまで使い切り、朝から町の外周を走り込み、昼ご飯を食べてから午後の母さんのも魔法の講義を受ける。
「今日は属性魔法を教えますね」
「母さん、属性魔法って生活魔法から自分で覚えるんじゃないんですか?」
「あら、よくおぼえてるわね。私が属性魔法を一つ一つやってみせるからやってみなさい
赤き聖霊よ、その力を私に貸したまえ【ファイア】」
母さんが詠唱すると指の先から小さな炎をだしで庭に設置した的にそれを放った。
「おお、すごいです母さん」
「これくら、誰でもできるわよ。今のはあくまで属性魔法の初歩の初歩よ。あなたもやってみなさい」
「はい、母さん。えっと、【ファイア】」
的に向かい指をさすとその先から小さな火が出て的に向かって飛んで行った……途中で消えちゃったけど
「あれ?」
「あらまぁ、いきなり火が出るなんてすごいわね。本当に天才かしら。」
それから何回か練習してるうちにイメージがつかめてきた。体内にある魔力を少しだけ指の外に集めてそこの温度を上昇させる。イメージは魔力を酸素に変換して温度を上げて魔力を燃やす。すると指の先か、拳大の火の玉がでる。それを的に向かい打ち出すイメージで
「はっ」
拳大の火の玉が的に向かい飛んでって着弾した。
「やった!母さんできたよ。」
すると母さんは、火の玉が当たり少し焦げた的と僕の顔を交互に見ながら困った顔をしながら言った。
「ソラ、無詠唱で魔法をつかったのね。すごいは」
あぁ、魔力に集中してて詠唱するの忘れてた。最後にいたっては魔法名も言わなかった。
母さんはうんうん頷きながら褒めてくれた。
「ソラは、すごいわね。無詠唱で魔法を使えるなんて、こうなったらどんどん教えちゃうわよ。あ、でもまずは基本からね。【ファイア】」
そう言って指から火の玉をだして、今度は的に向かって放たず両手でその炎サッカーボールくらいの大きさで包み込むようにする
「いい、こうやって自分が魔力を制御しやすい位置にもってくるの、そしたら、この炎に自分の魔力を注いでみなさい。」
母さんはそういいながら火の玉の大きさをおっきくしてる。魔力をふやしてるのだろうか
「今回はわかりやすいように火の魔法をつかったけど、イメージとしては魔力の量や方向性を微調整するのよ。ソラもやって見なさい」
「はい。母さん」
僕は両手を胸の前に出して魔力を集める。集めた魔力を球体状に圧縮してその魔力を燃やす。随時補充していくイメージで消費した魔力を足していく。火を大きくする為に酸素のイメージを魔力に持たせていくと……
「あっ」
「あらまぁ、青い炎ね。」
僕の手の中の炎は青くなり出した。なるほど、詠唱や呪文で形式上唱えて魔法の効果を行使する事ができるが、重要なのはあくまでもイメージ力なのか…
今はまだ自分でも魔力を制御しきってない気がするがこれは練習していけば色々できそうですね。
そう思い、手の中の魔力を回転、圧縮していく。イメージは某忍者アニメの主人公の必殺技。魔力を回転。圧縮。炎の燃焼に必要な分以上に魔力を供給していく……
「あれっ?」
なんかクラクラする……
バタッ
「あら、ソラくん、魔力使いすぎて倒れちゃたわね。」
朝起きて、父さんと朝ごはんを食べてから町の外周を走る
その時に常に両手に魔力を集めて制御していく。
右手には大きな魔力を集めて限界まで圧縮。
左手には拡散しないギリギリの魔力量を圧縮。
昼まででちょうど魔力を使い切るように調整してしながら練習していく。きょうは右手、明日は左手にと練習する魔力量は交互に変えていく。お昼の鐘を聞いて家に帰ってくる。町の中の帰り道で今日は魔力の反省点を考えながら使い切らなかった魔力は消費していく。
家に帰りお昼ご飯を食べて、その後は母さんが暇な時は一緒に図書館に行って本を、借りてきて勉強する。忙しい時は自室で本を読んだり母さんの手伝いをする。その時にも、常に魔力を制御していく。イメージは体全体の魔力を循環させていく。
そんな一日を繰り返していくと気がついた事があった。どうやら僕は魔力の回復が早いらしい。午前中使い切っても小1時間お昼休憩をすると午後には魔力が回復している。
そんな感じで一年が過ぎていった。
常に思うことは、あの脳筋早く剣術教えろよ。
[ソラ](遠藤 空)レベル6
魔力保持量(MP):48,000
最大魔力出力:13,000
最大魔力制御:11,000
使用可能スキル(魔法)
通常スキル
【生活魔法】
属性魔法
【火属性魔法】
【水属性魔法】
【風属性魔法】
【土属性魔法】
強化魔法
なし
エクストラスキル(ギフト)
【時間魔法】レベル1
【転移魔法】レベル1
【成長速度UP】レベル1