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終わりゆく世界に紡がれる魔導と剣の物語  作者: 夏目 空桜
第六章 それぞれの過去に
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TSヒロイン・未来を掴むために

2019/04/18・19・21に投稿した『笑える未来、笑えない未来』『生きる』『クソ腹黒ショタエルフ』の計3話を結合し表現誤字を中心に改稿しました。

 ブルーソウル――


 どおりでその名前が記憶にあるはずだ。

 アル君からカーズさんの伝承を聞いた時や、アル君の記憶を見た時に出て来た名前だよ。


 竜の神とか、竜皇だとか言われてる存在じゃん。


 昨今のアニメや漫画にあるみたいなドラゴンって弱小やん、ぷっぷく~って感じだと良いんだけど、この世界での伝説やら実際にこの化け物と戦う限り間違いなくぶっちぎりで危険な存在だ。


 って言うか、神様とか皇とか言われるそんな存在が、何でこんな不気味で恐ろしい姿をしてるんだよ!


 ちきしょう、アル君とラブった勢いで調子こいて、そのままイケると思ったんだけどなぁ……

 うぅ~、また振り出しに戻された気分だ。

 この世界はいつまで経ってもオレに無双させる気ゼロで嫌になる。


「リョウ、今までの戦いはボーナスステージとでも思った方が良い。これ以上は再戦するにしても放棄するにしても作戦を練り直さなければボクたちは間違いなく敗北する」


 ひしひしと伝わってくるアル君の緊迫感。

 くそ……

 出来ればアル君の闇落ち原因の一つ(・・)位は完全に払拭したかったけど、相性が悪すぎる。


「わかったよ! ここは戦略的撤――」


 言葉は、それ以上は続かなかった。

 背後で急速に膨らむ膨大な魔素の濃度。

 振り返ると――


 鎌首をもたげた竜の悪魔は、オレ達が生み出した水晶の障壁はあっさりと破壊し、


 そして、その口には――


「リョウォォォオォォォッ!!」





 カラン、カララ……


 何かが、崩れた音が……聞こえた気がした……


 パラ……パラ……


 頬に、何かが……


 ぽたり、ぽたり……


 なま……あたた、かい……

 ん……


「リョウ……良かった、無事だったね」

「ん、アルくんの声だ……よかった、て、なに……ッ!!」


 惚けた頭を揺り動かして慌てて起き上がる。

 オレに覆い被さるようにしていたアル君が優しく微笑んでくれる。

 だけど、だけど……


「ア、アル君……み、右腕……」

「ドジったね……間抜けな避け方して、どっかに忘れてきたみたいだ……」


 おどけたみたいな口調。

 だけど、それは誰が見ても極上の強がり。

 どう見ても、口を開けば悲鳴と絶叫しか出てこないような大怪我……


「なんで……」


 何で、オレなんかかばったのさ……

 だけど、その先の言葉を許さないと言いたげに、アル君はオレの頭を優しく撫でてくれた。


「その先を聞くのは野暮だよね」


 ニヤリと笑ってそう告げると、青ざめ今にも倒れそうなその姿で、ソウルドレイクを睨め付けた。

 外した腰ベルトで無理矢理に止血しているが、いつ血を吹き出してもおかしくは無い状態。


 やだよ……

 いくらアル君でも、それ以上は死んじゃうよ……


「来やがれ! 古の亡霊!! お前がとっくの昔に逝くはずだった世界にボクが連れて行ってやる」


 ……ッ!

 アル君、その言葉の先に未来はあるの?

 心臓が悲鳴を上げる……

 脳裏に蘇るアル君の記憶(・・・・・・)は、オレを守るためにあのマインドイーターの群れと戦った時の記憶。

 あの時も、オレを守る為に自分の命と引き換えに魔素を暴走させてようとした。

 

 やだ、やだよ……


 再び持ち上げられた鎌首。

 乱杭歯の隙間から漏れる粘性の炎。


 バオル…… ヴァオル…… ラ……ゴート……


 地を這う蛇のようにざらついた声音で紡がれる呪禁。

 記憶の底から蘇る、為す術無く蹂躙された悍ましき破壊の力。


 ――大地よ大地 我が母よ 我は汝が子なり

 たとえ血の一滴繋がらずとも 我が肉は貴女の賜なり――



 アル君が高速で紡ぎ上げる魔術。

 だけど、この魔術じゃソウルドレイクのあの破壊は防ぎきれない。

 それをわかりながらアル君は紡いで、オレの前に立ちふさがっている。

 自分までも盾にして、少しでもオレを守るために。


 ……いやだ。

 絶対に嫌だ。

 この先が導く結末なんてわかりきっている。

 そんな結末で導かれた未来が……

 それがアル君の愛情の果てだったとしたら……


 オレは未来永劫笑う事なんか出来無くなる!

 オレが欲しいのは――

 

 オレが真に欲しいのは、アル君と笑顔で歩める未来だけだ!!

 


 大地よ大地 我が母よ 我は汝が子なり

 たとえ血の一滴繋がらずとも 我が肉は貴女の賜なり


 アル君を追いかけるように紡ぐ魔術。


「リョウ、そうだそれで良い。キミの魔術も加われば、キミ一人ぐらい生き残ることは――」


 その言葉に、オレはアル君を睨み付けていた。

 その先の言葉は絶対に許さない。

 だから、思い出してくれ。

 少しでも可能性がある魔術の存在を。


 ――紡がれし時の恩恵の一欠け一紡ぎ 貴女の子に貸し与えたまえ

 我は母なる大地の精クローディア 貴女に助けを請う者なり――

 ――紡がれし時の恩恵の一欠け一紡ぎ 貴女の子に貸し与えたまえ

 我は母なる大地の精クローディア 貴女に助けを請う者なり――


 アル君とオレの詠唱が重なった。


「「クリスタルウォール・シュッセル!!」」


 それは幾重にも重なる賭だった。

 これでソウルドレイクの力を防げるかもわからない。

 反射出来たところでそれが勝利に繋がるかもわからない。

 そもそも延命に過ぎないのかも知れない。

 それでも、

 

 アル君がオレの賭けに気が付いてくれただけでも嬉しい奇跡だった。


 一つの賭に成功した瞬間、オレ達は暗い光に飲み込まれたのだった。


 それは、かつて為す術無くオレ達を蹂躙し尽くした驚異の力。

 その正体は、黒に似た鈍色のブレスに魂さえも凍てつくおぞましき咆哮が織り交ぜられた力だった。


 何でそんな事がわかるかって?

 そりゃ目の前で、クリスタルの壁を一枚隔てた向こう側でその力が暴れ狂っているからだ。


 そう、オレとアル君の魔術は、とりあえずソウルドレイクの力を防ぐことに成功した。


 ソウルドレイクの次元を超えた力。

 かつて二重の障壁をいとも容易く破壊し蹂躙した暴力。

 その力を今防げているのは、オレとアル君の力が単純にかけ合わさったからじゃ無い。

 オレとアル君の生み出した力は反発し合うこと無く、互いの力が絡み合う事で相乗効果を生み出したからだ。


 たぶんな!

 

「まさか、ソウルドレイクの力を防げるなんて……」


 アル君も信じられないと言いたげに呆然と呟いていた。

 だが、オレは何も驚いちゃいない。

 いや、驚いていないと言えば嘘になるが、それでもオレは信じていた。


「この結果に間違いなんか無い!」

「そ、そうなの……かい?」

「当たり前だ! オレはアル君を愛している! アル君もオレを愛してるんだよね?」

「え?」

「日野良はアル君を愛してる! アル君は日野良を愛してる!! はい、ご一緒に!!」

「えっと……あぁ、ふふ……リョウはアルフレッドを愛してる! アルフレッドはリョウを愛してる!!」


 うん、流石オレに負けず劣らずの煽り耐性の低い調教済み。

 って言うか、大怪我をさせてしまったアル君に対して極上の無茶を言ってるのはわかっている。

 だけどオレは絶対に、もう二度とアル君の事に対して引かない。

 もう、二度と……あんなロイ(たにん)ごときの讒言で、アル君を諦めかけたり……アル君を傷付けてたまるか!!

 オレは絶対にアル君を一人にしない!!


「アル君、オレを守って大怪我したキミにこれからキツいこと言うよ」

「なんだい?」

「オレはアル君が好きだ、大好きだ。愛してる」

「うん」

「そんなオレがアル君に守られて、それでアル君が命落としてさ」

「……うん」

「ヘラヘラ笑って生きる事なんて絶対に出来ない」

「……」

「もしアル君がここで死んだら、オレ、すぐに跡を追うからな! 絶対だぞ! 絶対に跡追って、死んでもアル君一人にしないからな!! 天国じゃなかったとしても、そこが地獄の底の底だったとしても、オレはアル君の隣に居るからな!」

「……生き残って頑張るって選択肢は無いんだね」

「もし一人で生き残ったら、オレ、リスカしまくった挙げ句、寂しくて夜寝られなくて心病んで、町中徘徊した挙げ句に手当たり次第行きずりの男と寝まくって、影でビッチエロフ呼ばわりされるようになるかもよ」

「やめてよ……想像したくもない」

「オレだってそんなのは嫌だよ。だけど、オレにとってアル君の存在はそれだけデカいんだよ!! もう、アル君が隣に居ない一生なんて……そんな一生なんて考えられないくらい!! オレを守って、それで……それで自己満足して死ぬとか許さないからな!! オレ、我が侭だから! 我が侭だから!! オレ……我が侭だから!!」

「……うん、生きよう」


 オレ達の出会いや愛の形は、世間っていう大多数からすれば間違いなのかも知れない。

 失うモノとか結構一杯あるだろうし、後ろ指を指されたりするかもしれない。親とかにも一杯心配かけるし、迷惑だってかけるかも知れない。

 それでも、さ。

 それでも……


「オレは……アル君を、アルフレッドを……この世でただ一人、愛してる! だから、絶対に二人で生き残るんだ!! うぉー! エルフリックパワー全開じゃー!!!!!」


 全力、それは本気の全力。

 なけなしの力を全てつぎ込んだ全力。


 ソウルドレイクの力と拮抗するのが精一杯だったボウル型のシールドはさらに厚みと輝きを増した。

 だけど……

 もう少しで押し返せる、そう思った時だった。


「……うぅ」


 隣から聞こえてくるアル君の呻き声。

 当たり前だ……

 オレを守るために右の肩から先を失ってるんだ。

 ここまで頑張ってくれただけでも奇跡。


「く……」

「ッ! アル君!!」


 青ざめた顔でアル君が片膝をついた。

 うぁ……

 アル君が膝をついた瞬間、ソウルドレイクの魔法が圧を増す。

 半端者のオレじゃ、ここまでだってのか…… 


 ……ふざけるな。


 やっと、やっとアル君を取り戻せたんだ!

 二度と手放さないって、決めたんだ!!


「ま、負けるかぁ……負けてたまる、か……」


 身体に残っているのは僅かな気力だけ。

 だけど、相手が王様だろうと神様だろうと……はぁ……負ける、訳には!


 ぐ、ああぁぁぁぁぁあぁぁあ……


 意識はある。

 気力だって、負けちゃいない。


 だけど、嗚呼……


 現実はあまりに無情だった。

 オレの意志とは別に、なけなしの魔力はあっさりと霧散し、障壁は粉々に砕け散り……

 暗い光の濁流がオレ達を呑み込んだ。



 奇妙な浮遊感がオレを包み込む。

 視界全体が、痛いほどにまぶしい……


 ああ、そうか……

 光の中って、目を開けても何も見えないから……真っ暗闇だったんだ。

 じゃあ、オレ達このまま死んじゃうのか……

 

 なんだよ、それ。

 最後の最後までこの世界クソじゃん。

 いっぱい助けてくれたアル君だけでも守りたかったのに……

 オレ、何も出来ないまんま――


 ――助けてくれたから守りたいの? それって何て利害関係? ――


 ……

 …………

 ………………


 オレは今、心底バーンナウトしてるらしい。

 まさか、今際の際でこんな性格の悪い魔王の声が聞こえるとか……


 ああ、どうせ逝く間際ならアル君の声を聞きたかった。


 ガク……


 ――お~い、誰が性格悪いって? 孫の孫のそのまた凄~く遠い孫――


 孫だぁ?

 オレを孫と呼んで良いのは、母方のじぃちゃんとばぁちゃんだけだ。

 祖母祖母詐欺か、祖父祖父詐欺か知らねぇけど、勝手に先祖名乗るなボケェ。

 年金足りないから振り込んでとか抜かしやがると、火付けて燃やすぞゴルァ!!


 ――う~ん、口悪いなぁ……キミ、本当にボクの子孫なの? 混ざった血筋悪すぎない? ――


「この野郎! 魔王だか何だか知らんけど、王とか呼ばれて調子放いてるだろ!! オレの口調が悪いのは、お前みたいな悪党と話してるからだ!! だってオレ……オレ、アル君の前だと可愛いワンコだもん!!」


 ……

 …………


「オレは一体、何を言ってるんだ……」


 ――素にならないの……ねぇ、本音を教えてよ。キミはアルフレッドを助けたいんだよね? ――


「助けたい!」


 本音は何度だって言ってる!

 アル君を助けたい。

 アル君と生きたい。

 アル君が居なきゃ……もう、全部が嘘になる……


 ――それって、ただの依存じゃ無いの? ――


「依存だよ。胸張って依存だって言うね」


 ――……あっさり認めるんだね――


「んなの当たり前じゃん。オレはアル君の笑顔が見たい、アル君に笑っていて欲しい、アル君に誰よりも幸せになって欲しい……そうやって笑ってくれるアル君の隣に、願わくはオレが居れますように……全部アル君が居なきゃ叶わない願いだ。だから、オレの全部はアル君に依存している!!」


 ――…………それじゃ、ボク(・・)と同じじゃん。ただ、ボクは世界を敵に回しても彼女を守り切る勇気が無かったけど……――


「なんだ、その程度の覚悟の魔王か。よく知らんけど、その程度なら調子放いて先祖とか言うな! オレはアル君の為なら、地獄の底だってついてく! ついて行ってみせる!!」


 ――……このクソがきゃぁ…………でも、そうか、何世代も重ねた先で、力は弱いくせに前に向かってばく進だけは出来る子孫が生まれたか――


「力が弱いとか、さらりとディスりやがって……って、結局お前だれ?」


 オレの問いかけに、エルフ面(・・・・)の少年は薄く微笑んだ。


 ――ボクが誰かなんて事は、どうでも良いんだ。ただ、ね……どうか、どうか……あの娘(・・・)も願ってくれたあの人(・・・)を、もう解放してあげて欲しい――


「あの人?」


 ――君達人間が何時までも弱いから、ずっと解放されないでこの世界を彷徨っている人さ……――


「それって……だけど、無理だよ。オレ、もう全部力使い切ったもん」


 ――バーカ――


 こ、この野郎……

 言葉だけじゃ無く、肩落として鼻で笑うとか……あからさまに態度でも馬鹿にしてきやがって。


 ――アルフレッドの時はメルリカの力を拒絶してたけど、今は言うこと聞いてボクの力を受け取りなよ――


「メル……リカ? 誰だっけ、それ?」


 ――バカ――


「また、罵倒しやがった!」


 ――一度見聞きしたものぐらい、忘れないでしっかりと覚えて起きなよ――


「無茶を言いやがる」


 そんなこと出来てたら、オレは今頃飛び級でハーバードにでも入学しているわ!


 ――君の先祖であるボク達も君達を鍛えてくれたあの人も、それぐらい普通にやってのけるけどね――


「やかましい! 優秀アピールすんなや!!」


 ――一言言っておくけど、君は血統だけなら魔王と魔女だけのアルフレッドより優秀なんだよ――


「この間際で血統自慢とか。あと、オレのアル君を馬鹿にするな」


 ――フフ、良いね、その愛のために生まれる反骨精神。バカだけど気に入ったよ――


 こ、こいつ……

 素直に褒めれんのか……


 ――血統主義は確かに愚かだ。しかし、魔術も魔法も血統が物を言う。それは才能の遺伝に他ならないからだ。君は魔王と魔女の血だけじゃ無く、ボクの血も継いでいる。しかも、君の二つ前の代で直系と傍系が混ざるという危険な奇跡まで起きてるんだ――


「……ん?」


 ――だから君の父親、京一は奇跡の存在だってことさ――


「え? 母さんが異世界の末裔じゃ無いの?」


 ――違うよ、ボクの末裔は京一だ。妄想という独自の鍛錬があったとはいえ、あの世界……面倒だ、未来人と言っておこう。未来人である京一があれだけの魔術や魔法を使いこなせるはずがないでしょ――


「え、え~……言われてみたらそうだけど……え? じゃあ、母さんのあの匂いを嗅ぐクセとかオレがアル君をクンクンするのって……」


 ――ただの性癖――


「わーわー! みゃあーーー!!」


 や、性癖なのは元からわかってたけど、古の血の結びつきだから仕方ないとか思ってたのに……

 普段あんなおっとりしている母さんが、そんな業の深い性癖を持っていたなんて……


 知りたくなかった匂いフェチ……


 ――まぁそのおかげで、メルリカの血を求めやすかったのは確かさ――


 「お、おうぅぅ……結果オーライだったか。ってか、この夢なげぇな」


 ――ツッコミありがと。あの人からは時干渉は禁忌と言われたけど、緊急事態だったからね。とりあえず君の精神だけを加速している――


「え? 何それ、怖い」


 それって、下手したら心だけ老いていくってことじゃん。


 ――なかなか鋭い想像をしているみたいだね。おそらく、君の考えているとおりだよ。ボクはその気になれば君の精神だけさらに加速して心を風化させることも、異性を見てもときめかないほどに老いて枯れさせる事も出来る――


「お、おぉぉぉ……」


 この野郎、さらっと恐ろしいことぶっこんできやがった。


 ――さ、大好きなアルフレッドを見ても可愛い孫を見る目で慈しみたくなければ、ボクの力を受け入れろ――


「ここ、こ……この野郎……何て脅しのかけかたしてきやがるんだ!」


 このクソ腹黒ショタエルフ、なんか基本属性がアル君寄りな気がするぞ。

 オレの先祖というより、アル君の先祖って言われた方がしっくりくるんだが……


 性格が似てようと、オレのアル君の方がずっと可愛いけどな!


 ――くだらないこと、考えてそうだね――


「うーさい……とりあえず、力を受け入れたら、本当にこの状況は打破出来るんだろうな?」


 ――もちろん、たぶん、おそらく……きっと、う~ん……いけんじゃね? ――


「おいこら! そこはハッキリしろよ!」


 ――大丈夫だって! YOU、ボクを信じちゃいなYO! ――


「う、嘘くせ……嘘くせぇしうぜぇ……」


 ――うぜぇとか言うな――


「ああ、もう! わかったよ! 本当に助かるなら、覚悟決めてやる! さっさと寄こせ!」


 ――君が散々欲しがってたチートをあげるって言ってるのに偉そうに……ま、それぐらい尖ってないとボク達の力なんて怖くて使いこなす事は出来ない、か――


「良いから、早くくれ!」


 ――ん……最後にこれだけは言わせてくれ――


「何だよ」 


 ――魔王なんかに負けてくれるなよ。君にとってメルリカは怨敵と変わらないかも知れないが、彼女の願い、どうか叶えてくれ――

全体改稿中で既存の読者様にはご迷惑をおかけしております。


もう少し先になりますが、展開が大きく変わると思いますので今しばしお待ちください。

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