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終わりゆく世界に紡がれる魔導と剣の物語  作者: 夏目 空桜
第四章 TSヒロイン帰郷する
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TSヒロイン・浴衣とナンパとダチと彼

2018/12/17~18に投稿した『浴衣』『ナンパされる』の2話を結合し、表現等を中心に改稿しました。

 地球、七月、日本の夏――


 何か、JR辺りのキャッチコピーみたいな言い回ししちゃったけど、オレとアル君はまだ地球に居る。

 と言っても、まだ三日目だけどね。

 じぃちゃん達とも何だかドタバタとした再会をして、やっと一息ついた感じだ。


 あ、話は変わるけどスマホは部屋にありました。

 ただ、顔認証が出来ずに使えませんでした。


 こんな事ならPIN登録にしておけば良かった。


 ま、どうせ向こうに戻ったら無用の長物だ。

 それなら未練がましく触り続けない方が良い。

 神様(カーズさん)が使えるようにしてくれないかな……


「ねぇ、リョウ」

「何、アル君?」

「昨日から気になってたんだけど、これ何? あ、名前だけね。使い方は言わないで、当ててみせるから」

「……スマホ」


 まあ当然と言うべきか、アル君はガジェット系に目がなくスマホに興味津々だった。

 ただ、この子にこれ系の物を触らせると、異世界のパワーバランスが崩壊する発明をしかねないので詳細は教えられない。


「スマホ? うーん、昔こっちに来た時の記憶にはそれらしき言葉は記憶に無いな……形状と重量から考えても投擲武器じゃなさそうだし。シールドでも展開するデバイスだろうか……」


 仕方ないのかも知れないけど、考え方が非常に殺伐としております。

 やっぱ真実教えるの止めとこ。


 そんな事を考えていたら、助け船とばかりに下から母さんに呼ばれた。


「良ちゃーん!」

「なに、母さん!」

「ちょっと降りてきてくれる?」

「はーい! ごめんアル君、母さんに呼ばれたからちょっと行ってくるよ」

「了解」


 オレはベッドから飛び起きると、アル君に詳しく聞かれる前にそそくさと部屋をあとにする。

 

「何、母さん?」

「こっちこっち」


 連れてこられたのは我が家で女性陣専用の衣装部屋だ。

 まあ、衣装部屋と言っても、四畳程度の狭い部屋だけど。

 うん、ここに入るのは昔友達とかくれんぼをやった時に入って怒られて以来だな。

 ちなみに怒ったのは父さんだ。

『女には男が触れちゃいけない聖域がある! 逆も真だ!』と怒られた。

 今なら痛いほど分かる。

 母さんに部屋を勝手に片付けられたらと思うと恐怖でしか無い。

 ちょっと話はずれたけど、そんな訳でオレが何でここに呼ばれたのかは正直分からないのだが……

 とりあえず呼ばれたのだから入っても良いのだろう。


 部屋に入ると、窓枠に下げられた水色の浴衣が目に飛び込んできた。


「どう、この浴衣?」

「どうって聞かれると、綺麗な色だなって」

「でしょでしょ。良ちゃんの髪色によく合う色の浴衣だなってママは思ったのよ。それでね、今日は神社のお祭りなんだけど」

「神社って、国生さんとこの?」

「そうよ、良ちゃんが知らない世界に行ってる間に、こっちはもう夏休みになってるんだから」

「そっか、そうだよね」

「それでね、せっかく可愛い女の子になったんだもん。おめかししてアーちゃんと遊びに行ってくれば良いじゃない」


 ちなみにアーちゃんってのは、ソフィーとアル君をフュージョンさせた母さんなりの呼び方だ。

 まあ、それは良いとして、え? 浴衣でアル君と夏祭りデートですか?

 それ、すげぇ嬉しい!

 けど……


「浴衣って、スタイル良いと似合わないんじゃないの?」


 自分で言うのもあれだが、オレはかなりのナイスバディだ。

 確か、スタイル良いとえらく似合わないって聞いた気がするんだが……


「着物と違うから、そこまで気にしなくても大丈夫よ。それに今は外国人さんだって浴衣を着る人達が増えてるから、スタイルの良い人達でも似合う浴衣も増えてるのよ。それに日本人だって一昔前じゃ考えられないくらいスタイルの良い子が増えてるじゃない。要はデザインの問題ね」


 確かにそうかも。

 スカートやジーンズを穿いてなかった日本人が、昔は足が短いから似合わないとか言われたけど、今じゃスキニーとか普通に着こなす人もいるよな。


「あ、ママはちゃんとアーちゃんの分の浴衣も用意してあるからね♪」


 そう言って出してきたのは、モコモコの帯が可愛い浴衣。

 それ、子供用の金魚帯じゃありませんか、マザー?

 アル君あんな見た目と成りしてますが、中身はゴリゴリの雄ですよ?

 まあ、アル君が女装した姿も見たいけど、オレの旦那(仮)ですからね。


「母さん、アル君にはもっとこうV系な感じの浴衣を所望する所存です」

「ええ、ママ可愛いのがいい!」

「可愛いのは似合うけど、似合うけど! でもそれだとアル君のおしりの危険が危ない状況になりかねないから、絶対ダメ!」

「あらあら、何だかよく分からないけどそうなのね。仕方ないわね、じゃあ他の浴衣すぐに用意しなくちゃ」

「あ、でもそんな無理しなくても……」

「ダメよ、一日一日が大切な思い出になるんだから! それに良ちゃん達が行った世界だとたぶん夏祭りなんて無いんでしょ?」

「たぶん収穫祭みたいのはあるだろうけど、こっちみたいな感じじゃ無いとは思う」

「でしょ! だったらなおさらよ。衣装もちゃんと着て、日本のお祭りをちゃんと楽しまないと! それにねママぐらいの歳になると、お祭りなんてそうそう行けなくなってくるのよ。子供の頃の思いでは、大切な物なんだから楽しめる時に楽しまないと」

「うん、分かったよ。そしたら、アル君も呼んでくる」

「ちょっと待った! もう良ちゃん駄目じゃ無い」

「え?」

「良い! 初めて着る可愛い服を目の前で着てどうするの! ちゃんとおめかししてから顔を合わせる! それもお外で待ち合わせして!」

「な、なるほど……」


 思わずなるほどと言ってしまったが、心の中では正直面倒くせーとかちょっと思ってしまったのは秘密中の秘密だ。

 まぁ、それでアル君が喜んでくれるなら、全然頑張れるけどさ。


「あ、待っててね。今ママの友達がやってるショップにメンズの格好いい浴衣が無いか聞くから」


 スチャっとスマホを取り出して友達にかけ始める母さん。

 普段のんびりしてても、こう言う行動力だけは昔から素早いんだよな。

 それでガキの頃からオレも姉貴もよく着せ替え人形にさせられたのが懐かしい。

 色々と面倒臭いけど、こうやって変わり果てた息子を受け入れる努力をしてくれる親の姿には感謝しかない。

 母さんの電話が終わるのを待っていると、外からカキンカキンという金属音が聞こえてきた。


「何の音?」


 窓から覗くと、ツルハシを持った父さんが地面から生えた巨大な氷柱と戦っていた。

 その横では、モンジロウがおっちゃんこ座りして悪戦苦闘する父さんを眺めている。


「やべ、そういやこっちの世界で魔術を使うと予想外に効果がデカくなるから気を付けろって、カーズさんに言われたんだ」


 それは、アル君が気絶してる最中、カーズさんに教えて貰っている時の話だ。

 一度こっちの世界に戻った時、自分の肉体が予想以上に力を出した話をしたのだ。

 こっちの世界と向こうの世界は基本同一の世界らしい。

 ただ、こっちの世界は魔法や魔術が無い分、向こうの世界と違って魔素が消耗されていない。そのために辺りに魔素が溢れているらしく、向こうの感覚で魔術を使うと予想以上の効果が出るらしい。

 ようはこっちの世界的に例えると、辺り一面に石油が湧き出ているような状態で火を使うような物らしい。

 想像するだけで恐ろしいったらありゃしない。

 だからこそ、向こうの生物をこっちの世界に連れて来ればどんな事態になるか分からないとも言われた。

 そりゃそうだ。

 ガソリンがなみなみなのに蓋も付いていないドラム缶を背負ったヤツが、くわえタバコで町中を闊歩するようなもんだ。

 まさに何とかに刃物。

 絶対に向こうの――


 カキン、ワン!

 カキン、ワン!

 カキン、ワン!

 カキンカキン、ワンワン!!

 


 うーん、考え事をしている間も、モンジロウに合いの手を入れられながら父さんは氷柱相手に悪戦苦闘していた。

 せっかく頑張ってるとこ悪いけど、砕いても溶けないなら意味は無い。

 溶けない氷か……一儲け出来そうだけど、厄介な事になりそうだからやめとこ。

 オレはパンッと柏手を一つ打った。

 と、同時に一瞬で霧散する氷柱。

 ドゴンッ!! と響き渡る鈍い音。

 ヒャンヒャンと悲しげなモンジロウの鳴き声。

 ……え?

 オレまたモンジロウに何かやっちゃった?

 窓から覗くと勢い余った父さんのツルハシが、氷漬けになりながらも辛うじて残っていたモンジロウハウスの屋根を貫いていた。


 クゥ~ン……ピスピス……


 モンジロウ、ごめん……



 モンジロウにいっぱい謝った後、オレは夏祭りデートに出かけた。


 待ち合わせ場所は坂道の真ん中に生えたクロマツの下。

 土地勘のないアル君と待ち合わせって行為自体ナンセンスな気もしたんだけど、アル君はあっさりと「OK」の返事をくれた。

 昔、ここら辺で一緒に遊んだのを覚えてるから大丈夫との事だった。

 昔、か……

 ソフィーが男と知って儚く消えた俺の初恋が、まさか十年も経ってこんな形で思いが結ばれるとは思わなかった。

 でも、思い返すとずいぶんと前の事なんだよな。

 それなのにアル君はこの場所のを覚えてくれていた。

 どうでも良い事は容赦なく切り捨てるアル君が覚えてくれたってのは、オレとの事だから覚えてくれてたって事だよね。

 やべ、そう考えるだけで頬が緩んでくる。


 アル君の事考えて思わずニヘニヘしてしまったけど、にしても、アル君まだかな?

 ポツンと一人で待ってるとさ、人口十万人も居ない田舎町だからか、浴衣を着た金髪碧眼ってのはやけに目立ってる気がするんだよ。


 別にここは人通りが多い訳じゃないけど、どうにも落ち着かないなぁ。

 たまに見知ったおばちゃんとかがチャリンコで通り過ぎていくと、声を掛けられるんじゃないか緊張感する。

 やっぱ家から一緒に出た方が良かったかな?

 母さんに、


『デートは待ち合わせが基本!』


 何て口車に乗せられたのがそもそもの失敗だった気がする。

 だってほら、今そこ歩いてるの何てさ、どう見てもこっちに居た頃の俺のツレじゃ……

 ファッ!?

 歩道もない生活道路の脇を歩く四人組は、間違いなく俺の小中高と仲の良い連中だった。

 うわっ! 懐かしい!!

 相変わらず相良のヤツはサイハイソックスがどうとかニーソがどうのとか叫んでるんだろうか?

 叶は叶で相変わらず相良に振り回されてんのかな?


「あ……」


 そんな事を考えていたら、四人は俺の前を何もなかったみたいに通り過ぎていった。

 ……そりゃ、そうか。

 今のオレが気付いてもらえるはずもない。

 この世界に居た高一の日野良は死んだようなもんだ。


 死んだようなもの、か……

 それって、オレの人生の大半を締めてきた連中との絆が途切れたって事なんだよな。

 やべ、ちょっと泣きそうかも。


「おい、今そこに居た女の子見たか?」

「めっちゃ可愛いな! どこの国の娘だよ!」


 ちょっとナーバスになっている俺とは対照的に、盛り上がる連中。


「可愛いな、でも和服か……いや、和服にサイハイソックスという組み合わせだってありなはず。サイハイに不可能など無い! 和洋折衷だ!」

「お前は何時もそれだな。もう少し他のジャンルに目はいかねぇのかよ? ってかそんな事ばっか叫んでるから、このか先輩に無視されんだろ」

「それを言うなよ!」

「心ッチだってサイハイ最高だよな!!」

「や、俺はあのおっぱいがたまらん!」


 ……全部聞こえてるよ。

 髪で耳隠してるけど、エルフイヤー舐めんな。

 あと、分からないだろうけど、元同性のツレに性の対象として見られるのはなかなかにキモいんだぞ!


「メッチャ巨乳じゃん! はさまれてー!! 先っちょだけでも良いからお願い出来ないかな!!」


 黙れ、ボインマスター・心。


「ふん、あんな胸ただの脂肪じゃん。男は黙って胸筋だよ」

「胸筋じゃ挟んでもらうこと出来ねーだろ! 胸にマスクメロン!! とか叫ぶ気かよ」


 うん、アイツらやっぱりただのバカだ。

 って言うか、ちょっと前まであのバカ共の一味だったと思うと、自分の人生を反省せずにはいられない。

 あと、小さく聞こえた悟の怨嗟の声。

 あぁ、アイツはやっぱりガチだった。

 AVも【八才児だお、全員衆道!!(※ 登場人物は18才以上です)】とかって似非ショタホモDVDをベッドの下に隠し持っていたのは伊達じゃない。

 昔、アイツのキャンタマに地獄の断頭台をお見舞いしたのが原因かもしれないけど、それは遠い昔の記憶。時効だゆるせ。

 それはそうと、何故か近づいてくる元ツレ連中。


「お姉さん!」


 そう叫んだのは一味の一人、相良はじめだ。

 頭を下げて右手をシュビッと出してくる辺り、一昔前のバラエティにあったカップリング成立ゲームに似ている。


「お願いします! これを履いて下さい!」

「は?」


 見ると、相良の右手に握られているパッケージ。表面にはサイハイソックスの写真が。


「もし、サイハイがダメなら妥協します! こっちでも良いですから!」


 そう言ってもう一つ差し出された、縞縞ニーハイのパッケージ。

 ブレねぇ変態だ。

 それが原因で付き合っていた先輩に振られたくせに……

 ってか相良、お前は何時も持ち歩いて配り歩いてるのか?

 お前もう一回逮捕されて地方新聞賑わせろ。

 だけど、逮捕されたぐらいじゃこいつの性の癖が絶対に治らない事は知っている。

 まぁ、癖なんてそうそう治るもんじゃないか。性と絡むなら、尚更無理だろう。

 だから、こいつは一生心の病を患って生きていくしかないのだ。

 ふ……

 俺のように性別変わって出直してこい。

 そうしたら世界が違って見えるから。 


「もう、相良っち、行こうぜ。いつまでも女にかまけてるんじゃねぇよ……って、あんたどっかで会った事ないか?」


 そう言って眉間に皺を寄せて覗いてくる悟。

 悟りすぎてちょっと開眼している男は、目ざとく俺の正体を暴くと言うのか?


「おい、女嫌いのお前がこんな美人と知り合いなのか? それともそう言うナンパか?」

「俺が女口説く分けないだろ。それより叶、この人の顔、良のお袋さんに似てないか?」

「良の? 言われてみれば……でも、アイツの親戚にモデルやってそうな金髪美人が居るなんて聞いたことあるか?」

「ちきしょうめえぇぇぇぇ!! 良のヤツ! こんなサイハイが似合いそうな親戚美人を隠し持ってたな! 自分一人でサイハイを楽しむ気だったに違いないぃぃぃぃ!!」

「お前は黙ってろ」


 ビシッ!


「あふん……」


 叶に当て身を喰らってわざとらしく崩れ落ちる相良。

 そうか客観視すると、こいつらってこんなにバカだったんだ。

 うわぁ~、こいつらと連んでいた頃を思い出したくねぇ……

 母さん、馬鹿な息子でごめんなさい。

 これからはちゃんと心入れ替えって、可愛い娘になるから許して下さい。

 

「なぁ、あんた。不躾で悪いんだけどさ、日野良ってヤツを知りません? いや、親戚か何かに居ないですか? ちょっと厨二のアニオタで痛いところがあって……」


 うるせー、ほっとけ。


「そのくせ変に正義感強くて、無鉄砲なところがあるヤツでさ。オレ達と同い年ぐらいの男なんだけど」

「…………」

「そうそうアホだけど、面倒見がバカみたいに良いヤツでさ。あれでサイハイを共に語れたら最高なんだけどな」

「…………」

「あ、すいません。突然変なこと聞いて。って言うか、日本語、通じなかったですか?」


 四人とも、何で何ヶ月も会ってない俺の名前なんか出すんだよ。

 まさか、たまにはこうやって思い出しては探してくれてたのか?

 やべ、泣きそ――


「ああ、良! 俺はお前に会いたい!! 良成分が今の俺には不足しているんだ! お前の蔑んだ瞳が俺の魂と股間を刺激するって言うのにどこに行ったんだよーっ!!」


 発作みたいに叫ぶ悟。

 うん、ちょっと感動しかけたけど、台無しだ。

 忘れよう。

 って言うか、悟、まさかお前の菊一文字が俺の尻をタゲッてるとは思わなかったぞ。

 悪いが俺には心に決めたアル君って言う伴侶が居るんだ。

 綺麗さっぱり忘れてくれ。

 俺もお前の事は幼き頃の良き思い出として処理封印しておくから。


「とりあえず、良の情報はお預けって事だな。すいませんでしたサイハイGirl」


 履いてねぇし。


「仕方ないか……これだけ探して見つからねぇんだ。そんな偶然あるわけ無いさ。ま、とりあえずそれはそうと、ねぇねぇお姉さん!」


 そう言って、ボインマスター・心の双眸が俺のおっぱいをTARGETする。

 おい、これはアル君のでお前が見て良いもんじゃないぞ。


「もしですが、お暇でしたら是非お祭りにでも……」

「だから、日本語通じないって」

「ちぇ……」


 いや、バッチリ何言われてるか分かってますよ。

 って言うか、元同性の同級生にナンパされるとか地獄なんですが。


「だけどよ! 日本語が通じなくても俺の心が叫びたがっているんだ! ナンパはソウルだ! ユーアーナイスOPPAI!! アイホープザットジンジャデデート!! ワレノゾムハケイダイデアオカン!!」


 最低だこいつ。

 熱意は認めるけど、クソ最低だ。

 貴女のおっぱい最高ってなんじゃい?

 文脈あってるかわからんけど、初対面で言う事じゃねぇ。

 あと、後半全部アウトじゃボケ!


 久しぶりに会ったツレどもだけど、ちょっとキツいのぶちかまして黙らせちゃおうかな?

 久々の再会だけど、もうすでにお腹いっぱいだよっ!


 そんなグッタリとしていた俺は、だが、突然予想外の出来事に襲われた。

 それは、背後から急に肩を抱き寄せられたのだ。


 はぁ!?

 え? 鍛えに鍛えた(主観)俺が、あっさりと背後を取られる?

 何事!?


「悪いねガキ共。この娘はとっくに俺が目を付けてたんだ、ナンパは余所でやんな」


 俺を抱き寄せてニヤリと笑ったその男は、俺の頭一つ分以上も背が高い黒髪吊り目のメッチャイケメンだった。

お読みいただいている読者様、本当にありがとうございます!


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