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終わりゆく世界に紡がれる魔導と剣の物語  作者: 夏目 空桜
第二部 第四章 降り止まぬ雨
265/266

烈(レッツ)ダリアの独り言

閑話的な何かです

け、決して本編を進められてないからって、時間稼ぎで適当に書いたんじゃないんだからね!


……ほ、ほんとうだよ?

「武力――

 おそらく原初のそれは、拳と拳、或いは蹴りと蹴りの殴りあい。

 始まり、それは今を生きる者には決して誰も見たことが出来ない遙かなる古の記憶。

 そんな本能と共に生まれ本能と共に育まれた古の闘法には何時しか投げが混ざり、関節技の発生に至る。

 だけど、進化は――

 いえ、生きとし生ける者の強さへの憧憬は、肉体のみの進化で満足することはなかった。

 五体のみを武器とした原初の武力に土塊や木片が混ざり、やがて石から金属の武器を持つ進化に至る

 そして、長い時の中で正常なる進化の中に極上の古の錬金術(ふじゅんぶつ)が混ざるに至る。

 やがて失われた時の中で、数多の技術は衰退し失われたが人類は一つの光明と出会う。

 そう――

 この地上、いや全界の英雄達の宗主と崇められし伝説の英雄王が生み出した武と知の体系により失われた技術は再び進化の極みに至る。


 そう、武技、魔術、魔法、法術、魔素……この世の闘争を構築する全てが高次で融合し、あらゆる力の頂が渾然一体となり完成した武技――


 ええ、私は目撃しました。

 人類が有史以来、武という形無き憧れに触れてから誰もが焦がれながらも英雄王以外には決して辿り着くどころか足元に縋ることすら叶わなかったその輝きを――


 アルフォンスさんが放った一撃、

 実に豊穣な――

 それでいて厳かで、実にアルフォンスさんらしい攻撃でした。


 は?


 お前如きが古竜を圧倒する武を見極められるはずは無い?

 なるほど、その疑問は最もです。

 ですが、口は謹んで頂きたい。

 私は嘘を言っていません。

 この目で見た数瞬の真実を詳しく語っているだけです」


「……えっと、何言ってやがるですか?」

「あ、これはヘタ、じゃなくてファフナ様どうされました?」

「おい、いまヘタレって言いかけませんでしたか?」

「気のせいです言いがかりです被害妄想です」

「ここ、この……いえ、落ち着きなさい私。これは何時もの煽り……そう、何時もの煽り……ダリアさん、もう一度聞きますが、今の語りは何ですか?」

「実況です」

「じっきょう? それ、必要ですか?」

「だって、私この旅で影薄くないですか? それぐらいするチャンスがあっても良いと思いません?」

「貴女この旅に出てからずっと好き勝手発言してるじゃ無いですか」

「いえ、まだまだ足りません」

「貴女は足りることを知って下さい。あと、あながち嘘とも言えませんけど、アルくんの戦いをえらく脚色してましたよね」

「そうですかぁ? 良い線言ってたと思いますけど」


 この女、悪びれもせずに……

 はぁ……ただダリア殿が語った戦いの内容。

 半分嘘、半分本当……当たらずとも遠からずって感じでしょうか。

 思わず見た自分の手が微かに震えている。

 いや、私だけじゃ無い。背後にいる黒エルフ(スヴァルトアールヴ)達も青ざめている。

 或いはこうやって戯けているダリア殿でさえも、さきほどの戦いを見て自分を誤魔化しているだけなのかもしれない。

 そう、あの戦いはまさに凄まじいの一言だった。

 武の極致、それは言い得て妙ではありますが……

 ですが、ダリア殿の説明には決定的に欠けている部分があった。

 私たちは戦い以上に凄まじいモノを見た。

 見せつけられた。

 そう、これまでも幾度となく彼が見せてきた邪竜レヴァンに対する怒り――


 その、爆発と暴力を。

次回は本当に邪竜戦を書きますです、はい!

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