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終わりゆく世界に紡がれる魔導と剣の物語  作者: 夏目 空桜
第二部 第四章 降り止まぬ雨
245/266

悲壮

短い?

是非も無し!


切腹!!

 何とか場を取りなして……というか、うやむやにして誤魔化してから一時間ほどが過ぎました。


「町まで随分時間がかかるんですね」

「も、申し訳ございません。警戒しながら進んでますので、決して時間稼ぎじゃありませんです、はい」


 バリバリ全力で伝わってくる恐怖心。

 一時間如きでは払拭されない恐怖の刷り込み。

 誤解は追い追い解くとして、それはそうと――


「なかなか目が覚めないですね」

「だな」


 アル君の肩に担がれている気を失ったままのダリア殿をチラ見する。

 ぬむぅ、ちょっと面白くありません。

 面白くはありませんが、一山いくらの安物とさして変わらない扱いなので良しとしましょう。

 うん、心広いぞ私。


 そんなことを考え程なくした頃だった。


「つ、着きました」

「……ここですか?」

「みたいだな」


 それは、何と形容したら良いのだろう。

 チラリと視線を送った先にあるアル君の表情は、『まるで原始人の集落だな』とでも言いたげだった。


「アル君、余計なことは言わないで下さいね」

「……お前、ボクが口を開けば失礼の爆裂攻撃でもするみたいな言い方をするな」

「歯に衣着せない物言いをする方だとは存じてますが」

「やんわりとディスるな、ボクだって同盟を考えている相手には気を遣うぞ」


 根絶やしにしようとしたクセに、どの口がほざきやがるのでしょうか?


「あとな」

「なんですか」

「お前が思ったことをボクが考えているみたいな擦り付けはやめろ」

「ぎく……」

「あ、あの」


 小声で話していると、降伏の時に先頭に立っていた黒エルフ(スヴェルトアールヴ)のスピラという女性が話しかけてきた。


「えと、確かスピラさんでしたよね? どうしました」

「は、はいスピラです。今から門を開くように声をかけますが、中では出来る限り穏便にお願いします」

「出来る限りというか、絶対に事を荒立てる真似はしませんから安心して下さい」

「本当ですよ、絶対ですからね。信じますからね!!」

「さっさと開けろ」

「ひゃッ、ひゃいぃいぃぃぃ」

「あぁもう……だからぁ、何で貴方は火に火薬とアルコールをぶちまけるような真似をするんですか!」


 アル君は抗議する私にふんと小さく鼻を鳴らす。

 むぅ、何たる反抗的態度。

 だがここでスピラさんに弱い姿は見せられない。


「大丈夫ですから。私が言ってもあまり説得力は無いかも知れませんが、絶対に手綱は放しませんから!」

「し、信じます!!」


 悲壮な決意を見た気がした。

 中の門番達(男達の声は無く女性の声だった)とややのやり取りがあって通された村の中。


「中は、また一段と……」

「だな」


 言葉少ない返し。

 それは、ある意味で仕方がなかった。

 案内されたのは町と言うよりは村。

 ……嘘を吐きました。

 村と言うよりも小さな集落と言った感じでした。

 そして、至る所から感じる奇異と恐れが入り交じった視線。

 だが、それも仕方が無いのだろう。

 ここはいま、絶望が覆い尽くしていた。

 至る所に力無く座り込む、明らかに戦渦に晒され傷付いたのだろう腕や足を失った男達の姿。

そして着の身着のまま逃げてきたのだろう、ボロボロの子供達の姿があった……


「嫌なもんだな、自分よりも小さな子供達のあんな姿を見るのは」

「そう、ですね……」


 それ以上、返す言葉は浮かばなかった。

状況変化(シーン切り替え)の為に今回は短めになってしまいました(という言い訳)

次回は少し長く書けたら良いなぁ……


とりま、明日はスノーボードに行くので更新はありませんです!(確信 (๑•̀ω•́๑)キリッ)

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