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終わりゆく世界に紡がれる魔導と剣の物語  作者: 夏目 空桜
第二部 第四章 降り止まぬ雨
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アルトリアの王、古の王と邂逅す

に、二週間だと……

一週間くらいのつもりだったのに((((;゜Д゜))))

「ま、幻でしょうか……貴方の影が、背後に映るそれが、竜に見えるのは」


 軽口にも似た問いかけが精一杯。

 喉が……張り付きそうなほどカラカラに渇く。

 背筋にはかつて覚えが無いほどに冷たい汗が流れ落ちた。

 気づかれぬように机の上で組んだ手の中で指先の震えが止まらない。

 右手の甲に左手の爪が食い込んでいるのに震えを抑えることすら出来ない。

 目の前に居る少年は何者だというのだ?

 今見ている姿とはまるで別物の……異質すぎるほどに異質な特級の異物に見えて仕方が無かった。

 万が一にも今の彼がその気になれば、私などテオドールと同じように惨殺することなどたやすいだろう。


「脅えないでください、と言うのが無理筋なのは承知で話を続けさせていただきます」

「私の心臓に配慮した会話をお願いいたします」

「善処します」

「どこで覚えたんですか、その胡散臭い笑顔」

「さぁ、どこだったでしょうか?」


 実にわざとらしいというか嘘くさい笑顔。


「私がスペアとしての価値すら見出されず大公家から切り捨てられたことは話しましたよね」

「え、ええ……」

「そんな形損ないと罵られた私がいっぱしの力を手に入れられたのは、この身に宿った竜の力のおかげです」

「さらりと言いましたが……」


 竜の力を見に宿す。

 そんなのは神話やおとぎ話の世界(なか)の話だ。

 竜の力をその身に宿せるモノなど、いや、器としてそれを成し得るモノなど私は聞いたことがない。

 ましてや幻獣達の王と呼ばれる竜族とは言え、人の身に宿る……

 そんな奇跡のような真似が起こせるとなれば、古竜種以上であることは確かだろう。

 あり得るのか、そんな馬鹿げた奇跡(こと)が本当に?

 まだ竜語魔法を身に付けた竜人族の末裔と言われた方が納得出来るというものだ。

 そんな錯乱する私をよそに、アルフォンスは緩慢な動作で窓に指を向けた。

 その指さす先にあるのは青空に薄らと見える青き星。


「『聖杯は役割を終えた。命は巡り、やがて真なる時の流れに全てが戻るだろう』」


 私とアルフォンス? の言葉が重なる。

 そう、私はその言葉を知っている。

 

「それは……」


 背筋に再び冷たいモノが流れ落ちた。

 それは聞いたことがある言葉だった。

 誰から聞いた?

 そんなのは決まっている。

 あの老英雄からだ。

 何故なら、


「その言葉は英雄王がかつて共に戦った英雄達に残したと言われる言説……ですよね。一つ教えてください。貴方がその身に宿すのは、一体……もしや、私でも知っている……」


 カタカタと小さな音が鳴る。

 それは、おぼつかない私の歯の根ではない。

 机に立て掛けていた魔剣ハウゼルが突如震えだしたのだ。


「な、何故ハウゼルが……」

『そこなる剣は、かつて我が友の手にあり我とともに戦った剣よ』


 ……????

 だ、誰が話しているというのだろうか。

 声の主はアルフォンスだが、その声音はまるで異質。

 圧倒的などという言葉が薄っぺらく聞こえるほどに圧倒的な、魂をさえも引き裂くほどの力を持つ言葉。


「あ、貴方は……」

『ハウゼルよ、かつての我が同胞にして宿敵レヴァンを引き裂いた竜殺しの魔剣よ……』


 アルフォンス? の声に導かれハウゼルは不意に宙に浮かび上がるとそのまま彼の手に収まる。


 

『二千年の永き眠りから目を覚ますが良い』


 と次の瞬間、アルフォンスからゴウッと音を立てて黄金と青が混じった光が溢れ出す。

 それは太陽の輝き。

 水平線の彼方に昇る陽光にも似た輝きを放つと、その輝きは全て刀身へと吸い込まれ消えていく。


『かつて彼奴が、東国の魔竜を討ち滅ぼすときに黒エルフ(スヴァルトアールヴ)から託された魔剣だ。精霊も竜も調伏する強大すぎる力故、聖戦後(あれのあと)は彼奴が力の一部を封印していた』

『あい、つ……彼奴とは、まさか、まさか……いや、もはや疑うなど愚の骨頂でしょう……』


 そうだとも。

 あのお方を彼奴などと呼べるのは、盟友たる御方だけ。

 ましてやあの言葉と良い、この剣の事と良い……

 何よりもこれほどまでに強大な力は……


「あ、アルフォンス……い、いえ、貴方様はまさか……ま、まさか……世界に三頭しか存在しないという伝説の竜王にして英雄王カーズ様の盟友、【神喰らいの竜帝(ゴッドーイーター)ブルーソウル】様……でいらっしゃいますか?」

『ほう、我を知るか』


 その瞬間、私は椅子を蹴り彼の前に片膝を突いていた。

 もはや疑うことなど出来はしない。


「世界を救いし偉大なる竜の王にして、我らが同胞そして大女王フィーダをお助け頂いた世界の守護神よ、どうか今までのご無礼をお許しください」

『跪く必要は無い』

「偉大なる竜王陛下を前に何故私が面を起こすことが出来ましょうか」

『所詮、我はこの世界にとってもこの肉体にとっても仮初めの客にすぎん』

「仮初め? 仮初めとはいったい」

『其方が王としての道を歩み続けるならばいずれ知ることもあろう。それよりも、其方を説得する為に無理矢理我を呼び起こしたが、そろそろこれ(・・)も限界のようだ』

「げんか……ッ!」


 問いかけたその時、アルフォンス? が突如膝から崩れ落ちた。

たらふく酒飲む毎日

年末だから?

かんけぇねぇです。

ただの厨です、厨!

あるの厨でげす!

切腹!!←自決っ!

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